毒親育ちの中には「友達が1人もいないんです」と言う人もいます。
このような場合、幼少期もしくは思春期の親の接し方の影響を受けている可能性が高いです。
それを大人になった後の人間関係にも引きずっているのです。
子供時代に身につけた間違ったコミュニケーションの型を、大人になった後も使っているということです。
1. 幼少期は積極的になれないと友達ができない
幼稚園では生まれつきカリスマ性のある子を除いては、積極的な子の方が友達ができやすいです。
つまり自分から「遊ぼう」「混ぜて」と言える子です。
小さな子供の場合「あの子が1人ぼっちでかわいそうだから混ぜてあげよう」と配慮できる子は少ないです。目の前の楽しいことに夢中なのです。
そのため、自分の希望を表明するのが苦手な子は、孤独になりやすいです。友達から話しかけられた時に反応が薄い子も同様です。
幼少期に友達ができない理由は、積極的になれないことなのです。
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1-1. 毒親は積極性を奪う
積極的になれない原因は生まれ持った気質もありますが、毒親が原因となることも多いです。
素直に意思表示することで毒親から怒鳴られたり殴られたりすると、自分の欲求を積極的に表明することは悪いことだという認識を持ってしまうのです。
すると幼稚園や保育園においても、自分の希望を出せなくなります。そして友達も作れなくなるのです。
理想を押し付け、自然に生まれてくる感情にまで口出ししてしまう親がいる場合も遠慮するようになります。
1-2. 出しゃばる毒親も子供の自立を阻害する
ときどき毒親が子供の友達に対して、やたらと話しかけているシーンに出くわすことがあります。
「うちの子と仲良くしてあげてね、〇〇して遊んだら?」と子供の交友関係に出しゃばってきます。
毒親は外ヅラは良かったりしますから、一見すると悪いことのように見えないかもしれません。
しかし、このように親が交友関係に干渉することで友達ができにくくなることもあります。
毒親が出しゃばりすぎることによって、子供の自立を妨げてしまうのです。すると子供は「一人で友達の輪に入っていく方法」が分からなくなってしまいます。
1-3. 幼少期に作られた型を使い続けるから友達がいない
幼少期に作られた他者とのコミュニケーションの型をそのまま使い続けてしまうと、小学校、中学校とどんどん上がっていっても友達の作り方が分からないままになります。
仮に友達と呼べる相手が出来ても、心のどこかで「本当に友達と思ってくれているのだろうか?」と不安を持ち続けることもあります。
そして「自分は友達ができないタイプの人間」と勘違いしたまま大人になってしまうのです。
これが毒親育ちに友達がいない理由です。
2. 思春期は親の心理コントロールの悪影響で友達ができない
毒親育ちに友達がいない理由は幼少期だけではなく、思春期にもあります。
他者との信頼関係の土台となる親子間の愛着(アタッチメント)は、幼少期に形成されますが、思春期になってもこれらは追加・再編・更新されます。
幼少期にできた対人関係の土台が、思春期の親子関係の中で強化されたり、揺らいだり、作り直されたりするのです。
思春期の親子関係は特に、親密な対人関係を安心して築くための次の土台に影響します。
- 人を信頼する土台:親がありのままの存在を受け入れる → 友達も自分を受け入れてくれると感じられる
- 自分の気持ちを伝える土台:親に気持ちを受け止められる → 友達にも気持ちを話せる
- 支え合う関係をつくる土台:辛いとき親から支えられた経験 → 友人との支援的なやり取りにつながる
- 葛藤を処理する土台:親子間の対立を安全に解決 → 友人との衝突を調整可能なものと捉えられる
- 自律しながらつながる土台:安心して帰れる親がいる → 新しい友人関係に踏み出しやすくなる
これらの土台が安定していることで、思春期の友達づくりが円滑に行えます。
2-1. 心理的コントロールと友人関係能力
毒親育ちで友達がいないという人は、思春期にこれらの土台がうまく形成されなかった可能性もあるのです。
その理由は親の心理的コントロールです。
心理的コントロールとは、子供の行動だけでなく、考え方・感じ方・判断まで支配し、思い通りに動かそうとする関わり方です。
具体的な手口としては、「期待通りにしないと愛さない」「罪悪感を与えて従わせる」「子供の気持ちを決めつける」などです。
イェール大学のエミリー・クック博士らの研究によると、思春期に親の心理的コントロールを受けた人は、友人関係能力(friendship competence)が低いことが分かっています。
友人関係能力とは仲のよい友人と信頼関係を作り、助け合い、意見の違いやけんかが起きても関係を保てる能力のことです。
親の心理的コントロールが友人関係能力を低下させるのは、先述の土台が健全に構築されなくなり、情緒的に不安定になることが要因です。
2-2. 友達への攻撃的な態度
毒親育ちは不安な感情を持っているため、弱気になったり、控え目になったりしがちなものです。
しかし、全員がそうとは限りません。なかには攻撃的な態度を取ってしまうせいで、友達ができないという人もいます。
実は先ほどの研究では、親の敵対的な接し方も、子供の友人関係能力を低下させることが分かっています。敵対的な接し方とは、強い批判や非難、冷たい態度、軽蔑、無神経な対応などです。
思春期にこのような接し方をされると、外在化問題(怒りや恐怖、葛藤が心の外に向かう行動)につながるのです。
非行、ケンカ、攻撃的な態度として行動に表れるということです。これによって友達が作れなくなってしまうのです。
3. 昔の友達と続いている確率は1%もない
ここまで、説明してきたように、毒親育ちに友達がいないのは、幼少期か思春期に受けた親からの不適切な養育が原因です。
しかし、いま友達がいないからといって、毒親育ちの苦しみから解放されないということはありません。
確かに、安全基地となるような相手がいたほうが有利なのは事実です。
しかし、友達というのは無理に作ろうと思ってつくるものではありません。そういうスタンスでいると、自分を利用しようとする人間ばかり寄ってきます。
今は友達がいないとしても、それは毒親育ちのせいなのだと考えて、無理に友達を作る必要はありません。
「学生時代からの友達が一人もいないんです」と気にしている人もいますが、毒親育ちでなくとも小中学時代の友達とは切れている人は多いのです。
フロリダ・アトランティク大学のエイミー・ハートル博士らの研究によれば、中学1年のときの友達と大人になった後も続いている確率は1%もないことが分かっています。
そもそも大人になったら、親友と会うのさえ年に数回という人がほとんどです。そして、そのことを気にする人もいません。
あなたがいま友達がいないことを気にすること自体が、毒親育ちの悪影響なのかもしれません。
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- Cook, E. C., Buehler, C., & Fletcher, A. C. (2012).A process model of parenting and adolescents’ friendship competence.
- Hartl, A. C., Laursen, B., & Cillessen, A. H. N. (2015).A survival analysis of adolescent friendships: The downside of dissimilarity.


