回避依存症とは?特徴と原因について解説

回避依存症
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回避依存症とは他人と親密になることから逃げるため非常にぶ厚い心の壁を作る気質のことです。

他者と親密になることを恐れる傾向を「回避型」と呼ぶことがありますが、それとは比べ物にならないほどに回避依存症は他者と心の距離を置きます。

心理的に深く関わることで激しい感情が芽生えることを恐れているのです。なぜならそれによって自分を喪失してしまうような感覚を持っているからです。

回避依存症の特徴と原因について解説します。

回避依存症の恋愛における特徴はこちらのページを確認してください)

回避依存症の特徴

回避依存症の特徴

回避依存症の特徴は人間関係において徹底的に距離を置くということです。これにはいくつかのパターンが存在します。

1.肉体的にも精神的にも逃げる

回避依存症は急に音信不通にして関係を断ち切ったり、束縛を極度に嫌うことが多いです。

このような行動に出るときは飲み込まれそうな息苦しさを感じているのです。

そこで追いかけようとするとさらに怯えてしまいます。

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2.物理的な距離は近くても心は遠い

回避依存症は暴力を振るったり、金銭的な搾取をすることもあります。モラハラのような振る舞いをするのです。

「回避」という言葉からは想像しにくいかもしれませんが、心理的な距離を近づけないという意味では親密さを避けているといえます。

ただしこのパターンは回避依存症ではない人にも存在するので見分け難いところではあります。

恋愛依存症の人はどちらにも惹かれることがあります。

3.仕事や趣味に熱中する

激しい感情を避けるために回避依存症は仕事や趣味に熱中することがあります。

常に忙しい人というイメージを持たせることで人を近づけないのです。

趣味は必ずしも一人で行うものとは限りません。複数で行うものであったとしても行為そのものに集中することで回避することができるからです。

しかし恋人が同じ趣味を始めようとすると嫌がります。自分のテリトリーに入り込んで干渉しようとしていると受け取るからです。

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4.個人情報を教えたがらない

長く付き合っている恋人に対してであっても個人情報を教えたがりません。回避依存症の彼氏の勤務先や自宅を知らないという女性は多いです。

回避依存症にとって自分の情報を教えるということは部屋の壁に穴を開けられて覗きやすくされるような感覚なのです。

これは相手に支配するためのヒントを与えてしまうのと同じことです。主導権を握られる危険のあることはしないのです。

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回避依存症が恐れていること

このように回避依存症は徹底的に相手を避けるという特徴を持っているのですが、いったい何を恐れているのでしょうか?

それは激しい感情の後にやってくる心理的な消耗です。

人と深く付き合うことで意見がぶつかり合って精神的に疲弊することは誰にでもあることです。しかし回避依存症はその度合いが大きいのです。

それだけではなく自分が潰れたり、失われてしまうという恐怖まで沸いてくるのです。そにため他人を徹底的避けるのです。

2つの見捨てられ不安

回避依存症は心理的な消耗を恐れるだけではなく、見捨てられ不安も持っています。

本人が気づいていない可能性もありますが主に次の2つの見捨てられ不安を持っています。

【見捨てられ不安1】嫌われることへの恐怖

これは恋愛依存症と似たものです。一人になるのを恐れているということです。しかし行動への表れ方が異なります。

恋愛依存症の場合は一人になりたくないので相手にすがりつきます。回避依存症の場合は別れの虚しさを味わうくらいなら最初から近づかないのです。

本当の自分を知られたら嫌われるという恐怖を抱いていることもあります。

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【見捨てられ不安2】役割を果たしてもらえないという不安

回避依存症は相手が甘えたり何かを要求してくると逃げ出したくなります。このような行動を取る裏にも特殊な見捨てられ不安があります。

例えば恋人が甘えてきたときに回避依存症は「恋人としての役割を放棄してこちらにばかり負担をかけようとしている」と感じることがあるのです。

役割を果たしてくれないというのも回避依存症にとっては見捨てられるのと同じことなのです。

依存的な親に育てられるとこのような傾向を持つことがあります。子供に依存するというのは親としての役割を放棄しているということだからです。

子供時代に感じた「役割を果たしてもらえないことによる見捨てられ」の感覚が甦ってしまうのです。

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回避依存症の原因

回避依存症の原因

回避依存症になる原因は家庭環境にあることが多いです。親の過剰な干渉もしくは放置や虐待による愛情不足が回避依存症へとつながります。

これは一見すると相反するような内容ですが「人と親密になると後で悪いことが起こる・本当の自分は愛されない」という認識を持ってしまうという点で共通しています。

その他の回避依存症になってしまう原因としては幼少期から思春期にかけてのイジメ体験やそれ以降の恋愛によるトラウマが考えられます。回避依存症の原因の主なものについて解説します。

【原因1】親の過干渉・支配・期待

親が子供を過剰に干渉したり自分の思い通りに支配しようとすると回避依存症になりやすくなります。

自由を奪われることに敏感になる

勉強や習い事ばかりさせられて自分の好きな遊びをさせてもらえなかった体験が積み重なると鬱陶しさや息苦しさを感じるようになります。

なぜ親がこのように子供を支配してコントロールしようとするかというと自分と同じような人生を歩ませることが最も幸せなことと考えているか、反対に自分の人生がうまくいかなったコンプレックスを子供を通して解消しようとしている可能性が考えられます。

このような親に育てられた子供は自由を奪われることに敏感になりますので大人になって恋人が出来たときも束縛されたと感じると急に距離を置くことがあります。

恋人の中に自分の母親の影を見出してしまう

親が子供に依存していたり、親子の役割が逆転している機能不全の家族も回避依存症の原因となりやすいです。

特に多いのが母親が常に父親の愚痴を子供に聞かせ続けているケースです。男性の母親がこのタイプだと回避依存症になりやすいといえます。

母親は自分の愚痴の聞き役を息子に求めます。そして本来であれば父親に頼むべきようなことまで息子を頼るようになります。

このような環境で育った男性は恋人から何かをお願いされたりすると強い拒絶反応を見せることがあります。

それは恋人の中に自分の母親の影を見出してしまうからです。もう二度とあんな息苦しい思いはしたくないという気持ちが沸いてくるのです。

【原因2】愛情不足・虐待

さきほど説明したこととは反対に親から放置されたり虐待された場合も回避依存症になることはあります。

未来を悪い方へと考えがち

人間には親和欲求(人と仲良くしたいという欲)がありますからそれが満たされないと孤独感や寂しいな気持ちを味わうことになります。

特に最も身近にいる親から愛情を受けることが出来ないと惨めな気持ちはいっそう強くなるのです。

両親の離婚によってどちらかの親と離れたり親が家に寄りつかなかった場合なども見捨てられたと感じてしまうことがあります。

親密であるべき関係の人間から見捨てられるショックは大きく潜在意識の中に刻み込まれてしまいます。

すると大人になったあとも誰かと親しくなりそうなときにその先の未来を勝手に悪い方へと想像してしまうのです。いつかは見捨てられるだろうと考えるのです。

そして見捨てられることで子供時代のような惨めな思いをするくらいなら最初から親密にならないほうが良いと考えて他人と距離を置こうとします。

本当の自分を知られたら嫌われてしまう

また愛されなかったことによって「本当の自分を知られたら嫌われてしまう」という誤った認識を持っているため自分のことを知られるのを過度に嫌がることもあります。

これらの心理状態を自分で理解している人もいれば、人と親しくなるとなぜか不安が強まるため逃げ出したくなるという人もいます。

自分では理解できていない場合は無意識に刻み込まれたトラウマが人間関係の邪魔をしているパターンが多いです。

回避依存症の愛情表現

【原因3】幼少期から思春期での虐め

子供時代(幼少期から思春期)のどこかで虐めを受けた経験が原因となって回避依存症となることもあります。

自分を本当に好きになってくれる人なんていない

虐められたときに「自分が悪いからだ」とか「自分は嫌われる人間だから」と思い込んでしまうとそれが心の奥底に残ってしまうことがあります。

すると自分を本当に好きになってくれる人なんていないという心のクセを抱えたまま大人になってしまいます。

それを本人が忘れている場合もあります。それでも潜在意識のどこかには傷として残っているのです。

人を信じると裏切られるという信念

子供の虐めの特徴としてそれまで仲良く遊んでいた友達がある日突然、虐める側に回ることがあります。

このような裏切り行為は子供の心に大きな傷を残します。「人を信じると裏切られる」という強い信念へとつながってしまいます。

他人に対して信頼感を持つことが出来なくなります。他人は自分を騙す者、自分から搾取する者という認識になってしまいます。

大人になってから思い返してみると虐めというほどではないようなことでも回避依存症の原因となっていることはあります。

子供時代は精神的に未発達なときはちょっとしたことでも傷を受けやすいのです。それがトラウマとして心のどこかに残っているのかもしれません。

【原因4】恋愛のトラウマ

ここまで説明したように回避依存症というのは親との絆(愛着)が健全に形成されなかったことや、幼少期の人間関係が原因のケースがほとんどです。

しかし成人後に恋人に裏切られたトラウマが原因となることもあります。

すると新しい恋愛に恐怖感を覚え、たとえ誠実な相手と付き合うことが出来ても信用できずに距離を置こうとします。

やっぱり自分は愛されない人間という低い自尊心

恋愛のトラウマによって回避依存症になるには元々の気質も関係しています。

自尊心が低い人の場合は恋人に裏切られることによって「やっぱり自分は愛されない人間なんだ」という思いを強めてしまうため回避依存症になりやすいのです。

恋愛関係に対する苦手意識

また束縛の激しい相手や精神疾患のある相手と付き合ったことが恋愛関係に対する苦手意識となってしまうこともあります。

相手からの強い依存によって自分自身の心が疲弊しきってしまうとそれがトラウマとなり、次に出会う相手が少しでも甘えてくるとその恐怖が甦り逃げ出したくなるのです。

回避依存症と恋愛依存症の両方の特性を持つタイプ

回避依存症と恋愛依存症の両方を持つタイプ

恋愛依存症のカウンセリングに来る人の中には実は回避依存症という人もいます。

このように勘違いしている人もいれば両方の特性を持つ人もいます。これは不思議なことではありません。

機能不全家族で育ったことで安定した愛着の形成がなされなかったときの影響は個人差があるからです。

また依存的な母親がいる家庭には子供を見捨てる父親がいることも多いためその影響を受けることもあります。

ここで見捨てられ不安を持てば回避依存症と恋愛依存症の両方の特性を備えることになります。

共依存に陥っているカップルが交互にその特性を表すこともあります。このようなカップルがドロ沼にハマるといつまでも抜け出せなくなります。

回避依存症はほとんど存在しない

ここまで色々と説明してきましたが、実は回避依存症の人はほとんど存在しません。

「彼氏が回避依存症だと思います」と相談にいらっしゃる女性は多いのですが、その特徴を聞くと単に回避傾向があるだけというパターンがほとんどなのです。

回避依存症と回避型愛着スタイルの違い

ネット上に間違った記事が多いため惑わされてしまうのですが「回避傾向がある」と「回避依存症」は別です。

ほとんどの人は回避傾向があるだけですからそのようなタイプの相手を回避依存症と思って接すると関係が終わってしまいますので注意してください。

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