「元彼に新しい彼女ができた」と聞いたとき、何とも言えない、もやもやした気持ちになることはないでしょうか?
すでに気持ちが冷めているはずなのに、なぜか心がざわつく…
もしかして未練が残っているの?と考えるかもしれません。
実はこの、もやもやした感情の背景には「社会的比較」と「愛着不安」が関係しています。
結論からいうと、恋愛において「自分は本当に愛されているのか?」と不安を持ちやすい人ほど、元彼の彼女と自分を比較して、もやもやしがちということです。
恋愛における社会的比較とは
社会的比較とは、自分の状況や能力を他者と比較することで評価しようとする心理的なプロセスです。
特に、「自分と似た立場の人」との比較を行う傾向が強く、これによって自己評価が大きく左右されることがあります。
たとえば、同じ職場の同僚や、似たような経歴を持つ友人と比較することで、自分の仕事の成果や人生の成功度を測ることがあります。
恋愛においても、この社会的比較の傾向は強く表れます。
特に「元彼の新しい彼女」は自分と共通する経験を持つため、比較の対象になりやすいのです。
「どっちが可愛いのか」「どっちが性格が良いのか」など、無意識のうちにさまざまな面で比較をしてしまいます。
そして、その比較の結果によっては「今の彼女の方が魅力的なのでは?」「私は彼にとって大切な存在ではなかったのかも?」といった不安を抱くことにつながります。
このような比較は自己評価を下げたり、不必要な劣等感を生み出したりする原因となるのです。これが「もやもや」した感覚につながるのです。
愛着不安が高い人は「もやもや」を感じやすい
社会的比較をしたからといって、全員が「私は元カレの今カノより劣っている…元彼はきっと今のほうが幸せなんだろうな…」と、もやもやするわけではありません。
これには愛着不安が関係しているのです。
愛着不安とは、「自分はパートナーに本当に愛されているのか」「見捨てられるのではないか」という強い不安を抱きやすい心理的な傾向です。
さきほどの社会的比較と愛着不安の関係について調べた、臨床心理学者シムラン・ヒンゴラニらの研究があります。
この研究では、259名の参加者(18〜57歳、平均23歳)を対象に、愛着不安の程度や、元恋人の現在のパートナーに対する感情などを調べています。
これらのデータを詳しく分析したところ、まず多くの人は「元彼の新しい彼女よりも自分のほうが魅力的」と考える傾向があることが分かりました。
しかし、愛着不安の高い人は「自分よりも元彼の新しい彼女のほうが魅力的」と考える傾向があったのです。
つまり、愛着不安の高い人は、元彼にまだ彼女が出来ていないときは、比較する対象がいないので何とも思いませんが、新しい彼女ができることで比較対象ができ、自分の価値を低く評価してしまい、「私じゃない人のほうが幸せなんだろうな…」と、もやもやした気分になるということです。
なぜ「自分よりも元彼の新しい彼女のほうが魅力的」と考えるのか?
なぜ愛着不安の高い人は、「自分よりも元彼の新しい彼女のほうが魅力的」と考えがちなのでしょうか?
それは、愛着不安の高い人は自己評価が低いため、他人の優れた部分に注目し、自分の劣っている部分に注目する習慣が身についているからです。
そのため、元彼の新しい彼女の良い面だけを見て、圧倒的に自分よりも高い立場にいる相手と評価するのです。
たとえ相手のことを全く知らなかったとしても、勝手に魅力的な女性を想像して比較してしまうのです。
そして、さらに自己評価が低くなり、「元彼は私と付き合っているときから不満だったに違いない」「最初から新しい彼女と付き合わせてあげれば良かった」と考え、不安や、もやもやした気持ちが生じやすくなるのです。
このような思考パターンは、愛着不安の特徴である「自分は十分に愛される価値があるのか?」という根本的な疑念とも関連しており、未練があるわけではないのに「まだ好きなんだ」と勘違いし、過去の恋愛を引きずる原因にもなります。
「もやもや」を解消する方法
もやもやした気持ちを解消するには、どうすれば良いのでしょうか?
まず前提として、無理にもやもやを抑え込もうとしないことです。今はそのような感情が芽生えるのは自然なことと、受け入れることが大事です。
その上で、以下のことを試してみましょう。
【解消法1】SNSを見ない
今回の研究では、約半数の参加者がSNSを通じて元恋人の新しいパートナーの情報を得ており、これがもやもやの感情を助長する要因になっていることが分かっています。
フォローを外したり、ミュートにすることで、余計な情報が入ってこないようにしましょう。健康な人でも、SNSの見過ぎがメンタルに悪影響となることが分かっています。
SNSに費やす時間を、読書や運動などの活動に充てることで、気持ちが前向きになります。
【解消法2】元彼が誰と付き合っても自分の価値は変わらないことを知る
元彼に新しい恋人ができると、「彼にとって私は大事じゃなかったのかな?」と考えてしまうことがあります。
しかし、過去の恋愛と現在の恋愛は別のものです。元彼が誰と付き合っても、自分の価値は変わらないのです。
「元彼が新しい恋愛で幸せになっている」なら、自分も同じように前を向いて良い恋愛ができるはずです。
「自分も、もっと素敵な恋愛をするためのきっかけ」とポジティブに捉えると、気持ちが楽になります。
【解消法3】今と未来に目を向ける習慣をつける
元彼の恋愛を気にしてしまうのは、「過去」に意識を向けすぎる心理傾向が原因です。
そのせいで、「今」の自分の生活や幸せに意識を向けられないのです。
意識的に、今と未来に目を向ける習慣をつけましょう。
親しい人と一緒に過ごしたり、好きなことに費やす時間を増やすことで、「今の自分は幸せだ」と感じやすくなります。
「自分が本当に望む恋愛とは何か?」を考える機会にする
過去の恋愛は、心に大きな影響を与えるものですが、それによって現在の幸福を左右される必要はありません。
元彼の新しい恋人が気になる背景には、「愛着不安」や「社会的比較」といった心理的メカニズムがあると理解することで、冷静に向き合うことができます。
また、元彼が新しい恋愛を始めたことに注目するのではなく、「自分自身の成長」に意識を向けることも大切です。
人は過去の経験から学び、より良い未来を築くことができます。
たとえば、「自分が本当に望む恋愛とは何か?」を考えたり、「今の自分にとって最も大切なことは何か?」を見つめ直す時間を持つことで、過去にとらわれる気持ちを手放しやすくなるのです。
心理学の研究では、新しい環境に積極的に身を置くことで、心の切り替えを早める効果があることも示唆されています。
趣味を広げたり、新しい友人を作ることは自己肯定感を高め、恋愛以外の面でも充実感を得るための有効な手段です。
元彼の恋愛に心を奪われるのではなく、自分の人生をもっと豊かにすることに目を向けましょう。
そうすることで、やがて、もやもやした気持ちは薄れ、本当の意味での心の自由を手に入れることができます。
- Hingorani, S., & Pinkus, R. T. (2019).The ex-factor: Attachment anxiety and social comparisons across romantic relationships.

