浮気を許す人の心理と性格。研究で分かった4つの理由

恋人や配偶者に浮気をされたら、あなたはどうしますか?

怒って別れる、距離を置く、そのままLINEをブロックしてシャットアウト…。

人それぞれの対応があるでしょう。

中には、一度くらいは許すという人もいます。

なぜ、このタイプの人たちはパートナーの浮気を許すことができるのでしょうか?

「愛があるから」「仕方ない事情があったから」――そういった答えも、もちろんあるでしょう。

けれど、その背景にはもっと深い心理的な理由が隠されています。

今回は、浮気を許す人の心理と、許しやすい人の性格について、研究をもとに解説します。

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浮気を許す人の心理

浮気を許すかどうかに関する、ニコシア大学のメネラオス・アポストロウ教授らの研究があります。

この研究ではまず、100人以上の男女にインタビューを行い、どんなときに浮気を許そうと思えるかを聞き取りました。

そこから具体的な理由を32種類に分類しました。

そして、別の約700人の男女に、それら32種類の理由に対して「どれくらい浮気を許す動機になるか」を5段階で評価してもらいました。

その結果、浮気を許す心理には、以下の4つの要因が強く影響していることが分かりました。

①子どもがいるから

もっとも多くの人が「浮気を許す理由」として挙げたのが、子どもの存在でした。

「両親がそろっていた方が子どもにとって良い気がする」「親の離婚が子どもの精神的な発達に悪影響を与えるかもしれない」といった不安が、パートナーを許すという選択につながるのです。

特に子どもが幼い場合、育児や家事の負担を一人で背負うことへの恐れや、生活の安定を崩したくないという気持ちも強くなります。さらに、離婚や別居によって子どもが片親と離れることになるのを避けたいという思いも、許しを後押しする要因となっていました。

②自分も浮気した(する予定がある)から

自分も過去に浮気の経験がある人や、将来的に浮気をしたいと考えている人は、パートナーの浮気を比較的受け入れやすい傾向がありました。

「自分も完璧ではない」「人のことを責められる立場ではない」といった自省的な気持ちや「将来自分が浮気したときに責められたくないから、先に相手を許しておこう」という相互保証的な心理が働くこともあるようです。

このようなケースでは「浮気」という行為そのものへの捉え方が柔軟で、絶対的な裏切りとは感じていない可能性も示唆されます。

③将来的にもう浮気しないと思えるから

パートナーが心から反省している態度を示している、あるいは「もう二度としない」と誓っているといった状況では「今回限りの過ち」と受け止め、許そうとする気持ちが芽生える人も多く見られました。

また「自分を本当に愛していることが伝わってくる」「本気で関係を修復したいと願っている」と感じられると、信頼を回復しようという気持ちが働きやすくなります。

つまり「次はない」と確信できることが、許しの判断において非常に重要な分岐点となるのです。

特に、浮気が一度きりで、かつ深刻な状況ではなかった(たとえば酔った勢いなど)、という場合には「仕方なかったのかもしれない」と受け入れやすくなるようです。

④パートナーに依存しているから

生活面や感情面でパートナーに強く依存している場合も、浮気を許す大きな動機になります。

たとえば、経済的に自立していなかったり、住まいや日常生活が相手に大きく依存している場合「別れたら生活できなくなる」という恐怖が現実的に存在します。

また、精神的にも「もうこの人しかいない」「他に自分を受け入れてくれる人はいない」と感じていると、裏切られても関係を続けようとする気持ちが強くなります。

特に年齢が上がるにつれて「新しい相手を見つけるのが難しいかもしれない」という不安も加わり、現状維持を最も安全な選択肢とみなす傾向が見られました。

浮気を許す人と許さない人の性格

この研究では、浮気を許す理由と性格の関係も分析しています。

分析に用いられたのは「ビッグファイブ」と呼ばれる性格モデルで、人の性格を5つの因子(協調性、誠実性、外向性、開放性、神経症傾向)で測定するものです。

この分析の結果、浮気を許しやすい性格と許しにくい性格が分かりました。

1.協調性のある人ほど浮気を許す

その結果、協調性(思いやりがあり、他人と円満な関係を築こうとする傾向)のある人ほど、上記の理由によって、浮気を許しやすいことが分かりました。

協調性が高い人は、他人に対して寛容で、対立を避ける傾向があります。

そのため、浮気という裏切り行為に直面しても「相手にも事情があったのかもしれない」「関係を壊すよりも修復したい」といった前向きな姿勢を取りやすいことが理由と考えられます。

2.開放性の高い人は、2度と浮気しないと思えば許す

また、開放性(新しい経験やアイデアに対して好奇心が強く、柔軟な思考を持つ傾向)が高い人は「将来的に浮気が再発しないと感じたとき」に許しやすいという傾向も見られました。

開放性が高い人は、新しい考え方や価値観を受け入れやすく、状況の複雑さを理解しようとする姿勢があります。

そのため「相手が本当に反省している」「関係を続ける価値がある」と判断した場合には、過去の過ちにこだわらず、未来志向で許す選択をしやすいと推測されます。

3.誠実性の高い人は許さない

一方で、誠実性(責任感が強く、計画的で自己管理が得意な傾向)が高い人は「依存」を理由に浮気を許す傾向が低いことがわかりました。

誠実性が高い人は、責任感が強く、ルールや規範を重んじます。

そのため「経済的に頼っているから仕方なく許す」「年齢的に他のパートナーが見つからないから許す」といった状況に対しても、冷静かつ自律的に判断し、浮気を許しにくいのです。

浮気する側の心理

浮気されたときに、それを「許すかどうか」の判断は、その人の気持ちや価値観だけでなく、状況や性格、将来のことをどう考えているかなど、いくつもの要素が関係していることが、今回の研究から分かりました。

さらにおもしろいのは、浮気をした側の人も、相手が「自分を許してくれそうかどうか」を考えている可能性があるという点です。

研究では「この人は優しいからまた許してくれるかもしれない」と思っていると、浮気をするハードルが下がる可能性があることも指摘されていました。

つまり、一度許すと、相手がそれに甘えて、同じことを繰り返すこともあるということです。

ですから、許すかどうか判断するときには「自分はなぜ許したいと思っているのか?」を冷静に見つめることが大切です。

寂しさや不安から許そうとしていないか、本当に関係を続けたいと思っているのか、自分の気持ちをちゃんと理解したうえで判断することが大切です。

参考文献
  • Apostolou, M., Demosthenous, A. (2020).Why People Forgive Their Intimate Partners’ Infidelity: a Taxonomy of Reasons.