恐れ回避型が恋愛できない理由&シャイなだけの人と見分ける方法

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相談に来る人から「恐れ回避型の人って恋愛できないんですかねぇ…」と聞かれることが、たまにあります。

とくに、恐れ回避型と思われる相手と付き合っていたり、良い雰囲気になっているけれど中々うまく進まないという人から聞かれます。

恐れ回避型の愛着スタイルを持つ人は「親密さを求めつつも、いざ深い関係になると不安を感じて距離を取ってしまう」という特徴を持っています。

このタイプの人は親しい関係に対する不安と回避の両方を抱えており、近づきたい気持ちと、それに伴う不快感の間で葛藤します。なので、うまく恋愛ができないのです。

ただし、相談に来ている人の中には相手がシャイなだけなのに、勝手に恐れ回避型と決めつけてしまっている人もいます。

近づいて来たなと思ったら、急に距離を取ったりする態度はシャイな人にも、恐れ回避型の人にも共通する特徴なので、勘違いしやすいのかもしれません。

では、どうやって見分ければ良いのか?ということなのですが…。

注目すべきポイントは「リソースを割くか?」と「代替パートナーを評価するか?」ということです。

恐れ回避型が恋愛できない理由と併せて、詳しく解説したいと思います。

恐れ回避型とシャイな人の恋愛の調査

恐れ回避型とシャイな人の恋愛における特徴を調べた、カナダのマニトバ大学の調査があります。カナダの調査ですがアジア人も多く含まれています。

この調査では、参加者の愛着スタイルとシャイさを、専門の質問票を使って測定しています。

また、恋愛における満足度や、どれだけ関係維持のために努力をするかといったことも調査しています。

これらの回答を分析したところ、恐れ回避型の愛着スタイルを持つ人の、特殊な恋愛の態度が明らかになりました。

そして、これが恐れ回避型がまともな恋愛をできない原因ともいえます。

恐れ回避型が健全な恋愛をできない原因

調査結果を踏まえ、恐れ回避型が健全な恋愛をできない原因について説明します。

1.恋愛に対する低い満足度

恐れ回避型は、恋愛関係において満足度が低いことが特徴的です。

この満足度の低さは、親密さに対する不快感や不安が原因とされています。親密な関係を築くことに対して、本能的に恐怖を感じてしまうため、どんなに良好な関係であっても、心から楽しんだり、リラックスすることが難しいのです。

さらに、この不快感は、日常の些細な出来事でも、過敏に反応してしまうことがあります。

たとえば、パートナーからのちょっとした提案や意見に対しても、「コントロールさているのではないか」「期待に応えられないかもしれない」と感じてしまうため、ポジティブな出来事もネガティブに受け取りやすいのです。

その結果、満足度が下がり、恋愛そのものがストレス源になってしまうことがあります。

2.低いコミットメント

恐れ回避型は、恋愛関係を続けようとする意思(コミットメント)が低い傾向にあります。

これは「深く関わると傷つくかもしれない」という恐れから、強い愛情を持つことを避けようとするためです。

心理的な防衛反応として、相手に対する依存を減らすような行動をとり、あえて距離を置くことがあります。

また、相手が親密さを求めてきた場合には心理的負担を感じてしまい、「一人のほうが楽だ」と思うこともあります。

そのため、長期的な関係を築くことが難しくなり、交際が途中で自然消滅するケースや、突然別れを切り出すことにつながるのです。

3.代替可能性の高さ

恐れ回避型は、恋愛中でも「他にもっと良いパートナーがいるかもしれない」と考えやすい傾向があります。

これは、現在の恋愛関係に対する満足度の低さや、親密さに対する恐れから生じます。

自分が恋愛に神経を使いたくないため、「もっと気楽な関係を築ける相手がいるのではないか」といった思考に陥りやすいのです。

このような思考を持つため、今の関係にしっかりと向き合うことができず、少しでも不満を感じるとすぐに他の選択肢を探そうとすることがあります。

また、SNSやマッチングアプリなどで気軽に他の異性とつながれる現代の環境では代替可能性を意識しやすく、現在の関係に対する投資や努力を怠りがちになることも、恋愛が続かない要因です。

「恐れ回避型」か「シャイ」かを見極めるポイント

ここまで説明したものが、恐れ回避型の恋愛における特徴であり、健全な恋愛ができない理由でもあります。

一方で、単にシャイなだけの人の場合は、上記のような特徴は見られませんでした。

それどころか、シャイな人は自分が新しいパートナーを見つけられる可能性を低く見積もる傾向があり、その結果として、現在の関係を維持することを優先しやすいことが分かりました。

つまり、パートナーとの関係に時間や感情といったリソ-スを投資するということです。

しかし、シャイで内気な人は、自分の社会的スキルやパートナーとの関係に否定的な見方をしがちなため、それが恋愛における満足度の低さに繋がることがあります。

さらに、恋愛経験が少なく、新しい関係を始めるまでに時間がかかる傾向もあります。

要するに、恋愛に対して慎重な態度を持っているということです。それが時に、恐れ回避型のように見えることもあるのです。

恐れ回避型なのか、シャイなのかを見極めるには「他の異性との出会いも探していそうか?(探してそうなら恐れ回避型)」と、「二人の関係を良くしようという努力が見られるか?(努力してるならシャイな人)」という2点に注目すると良いかと思います。

「あの人は恐れ回避型だからまともな恋愛ができないに違いない関係を切ろう」と決めつけた相手が、単にシャイで内気なだけだった、ということも少なくないので気をつけてください。

恐れ回避型と恋愛するなら「自己不確実性」を意識すること

ここまでの説明を読んで、「恐れ回避型とは恋愛できないのか」と思ったかもしれませんが、そんなことはありません。健全な恋愛ができない人が多いだけです。

それでも、お付き合いをしたいなら、恋愛感情が常に変動する相手であるという認識を持って、接しましょう。そうでないと、あなたの気持ちが疲弊します。

恐れ回避型は「好き」と「好きか分からない」という感覚を行ったり来たりして、それが態度に出やすいのです。

回避と不安の2つの傾向を持っていますから、「自分が本当に何を望んでいるのかわからない」と感じやすいのです。

このように、自分自身の気持ちや行動に確信が持てなくなる感覚を、心理学で「自己不確実性(Self-Uncertainty)」といいます。

恋愛中に自己不確実性が高まると「このまま関係を続けるべきなのか?」と迷ったりすることもあります。

恐れ回避型の自己不確実性が高まるタイミング

恐れ回避型の自己不確実性が高まりやすいのは、次のようなタイミングです。

1. 恋愛初期で気持ちが安定しないとき

恋愛が始まったばかりのタイミングは、自己不確実性が高まりやすいです。

相手に惹かれている感覚があっても、それが本当の好意なのか、一時的な高揚感なのかを判断しにくいからです。

そのため、何度かデートを重ねても「自分は本当にこの人が好きなのだろうか」「このまま関係を進めて大丈夫なのだろうか」と悩んでしまうのです。

2. 関係が深まり、相手との違いが見えてきたとき

関係が進むにつれて、相手の価値観や生活習慣、将来への考え方が少しずつ見えてきます。

恐れ回避型は、相手との違いを単なる個性として受け止めるよりも、「この違和感は大きな問題になるのでは?」と不安に結びつけやすい特徴があります。

また、相手が新しい仕事に挑戦したり、大きな人生の決断をしたりするなど、予測していなかった変化が起きたときにも不安が高まりやすくなります。

たとえその変化が前向きなものであっても、自分が置いていかれるように感じたり、関係の安定性が崩れるように思えたりするからです。

そして、「こんな不安を感じるということは好きではないのかも」という自己不確実性につながります。

3. 周囲の意見や比較に影響されたとき

恐れ回避型と付き合ったことのある人なら分かると思いますが、彼らは恋人の意見は流すのに、特定の同性の友達の意見には強く影響されたりします。

そのため、友達から「もっと他に良い人がいるのでは?」と言われると、それまで感じていた好意や安心感を急に疑いはじめるのです。

また、勝手に自分と同じタイプと思っていた第三者の、幸せそうな恋愛や理想的に見える関係を目にすると、「自分の恋愛はこれで良いのだろうか」と不安になりやすくなります。

そして、自分の選択や感情に自信を持てなくなり、自己不確実性が高まってしまうのです。

「自分の気持ちがわからない」と余計に判断力が低下する

「自分の気持ちがわからない」と悩み始めると、余計に混乱してしまいます。

なぜなら、自己不確実性が高まると、「二人の関係は何なのか?将来どうなるのか?」という「関係に対する不確実性」も高まるからです。

それによって、恋人との会話においてその意図を正しく認識する能力が低下するのです。

イリノイ大学のリアン・K・ノブロック教授らが、カップルに10分間の会話をさせた後で、相手の発言の意図を解釈するという実験を行っています。

その結果、関係に対する不確実性が高いほど、二人の関係性に関する話題についての判断力が低下したり、そういった会話への困難さを感じやすいことが分かりました。

つまり、「あれ?今の発言て愛していないってこと?」と誤った判断をしたり、「大事な話をしにくいな、やっぱり相性が悪いんだ」と判断してしまうのです。

それによってますます、「相手のことが本当に好きなのかな?」と自分の気持ちがわからなくなってしまうということです。

恐れ回避型の全員が、自己不確実性が強いわけではありませんが、お付き合いするなら、日々、自分の恋愛感情が揺れ動く人なのだ、という理解は持っていたほうが良いでしょう。

参考文献
  • Scholz, J. (2008).Distinguishing shyness from fearful avoidant attachment: The investment model in dating relationships.
  • Knobloch, L. K., & Solomon, D. H. (2005).Relational Uncertainty and Relational Information Processing: Questions without Answers?