HSS型HSPが嫌われる理由は研究でハッキリしている

HSS型HSPが嫌われる理由は明確です。

合わない人と、合わない話をしたがる性格傾向があるからです。

HSS型HSPの全員が嫌われるわけではありませんが、この傾向を持つ人は嫌われやすいです。

またHSS型でなくとも、ナルシスト傾向と、拒絶感受性の高さが嫌われやすさにつながることがあります。

さらに、嫌われていなくともHSP本人がそう勘違いしてしまいやすいという特徴もあります。

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HSS型HSPが嫌われる理由

HSS型HSPが嫌われるのは、自分と異なる人やモノに惹かれるからです。つまり、嫌われやすい相手と嫌われやすいことをしがちなのです。

メイン大学のビリー・ソーントン博士らが、刺激追求性(Sensation Seeking)と、対人関係について分析した研究があります。

(1981年に発表された古い研究でそれほど有名なものでもないのですが、なぜか私の手元に論文がありました)

この研究の結果、刺激追求性の高低によって、惹かれる相手のタイプが異なることが分かりました。

刺激追求性の高い人、つまりHSSは自分と異なる相手により魅力を感じ、刺激追求性の低い人(LSS)は、自分と似た相手に魅力を感じるのです。

なぜHSSは異なる相手に惹かれるのでしょうか?

それは、HSSが新しい経験や予測できない展開を好みやすいため、自分と異なる相手のほうが「何か起こりそう」「面白そう」と感じやすいからです。

※ここでいう似ている、似ていないは価値観や信念、意見についてのものです。

HSSは自分を嫌う相手を求めがち

人間が他者に魅力を感じる要因として「類似性」と「相補性」があります。

多くの人に共通する傾向として、お互いによく知らない段階では類似性が優先されます。似ている相手なら価値観を否定される心配はありませんし、次の行動が予測しやすいので安心だからです。

関係が親密になると相補性を優先する人も出てきます。ずっと一緒にいることを考えれば、自分にないものを持っている相手と補い合うほうが生存に有利だからです。

つまり、親密でない段階では、自分と似ていない相手に惹かれる人は少ないのです。恋人や大親友でもない限りは似た者同士が惹かれ合うのです。

そのような状況のなか、HSS型HSPは似ていない相手に近づこうとするため、嫌われる可能性が高いということです。

HSS型HSPは嫌われる話題を選び混乱する

この研究でもう一つ分かっていることがあります。それは、HSSは相手と意見が食い違っている話題を好むということです。

相手が自分と違う考えを持っていると、「なぜそう考えるのか」を探る余地が生まれます。HSSはこうした複雑で変化のあるやりとりを魅力的に感じやすいため、違いに焦点を当てたがるのです。

しかし、議論というのは知的好奇心と知的レベルが合っている人同士でなければ、好ましいものとして認識されません。この2つが合う相手など滅多にいませんから、嫌われる可能性が高いということです。

しかも、ここにHSPの気質が加わると、脳に負荷がかかったとき自分の考えを整理して伝えることが難しくなりますから、相手は「訳も分からず絡まれただけ」と受け取ってしまうのです。

これがHSS型HSPが嫌われやすい理由です。

HSS型HSPでなくとも、嫌われるタイプのHSP

HSS型HSPでなくとも、嫌われるタイプのHSPはいます。それはナルシストやサイコパスといった生まれつき罪悪感を持ちにくく、「自分は特別扱いされるべき存在」という思考を持つタイプです。

心理学者のマルティナ・カジクらが、HSPの性格傾向や、自分がHSPだということを周囲に伝えるかということを調べた調査があります。

この調査によるとナルシストやサイコパスほど、HSPだということをアピールしがちなことが分かっています。

なぜなら、「私、繊細なの」と言うことで周囲から配慮してもらえることを期待するからです。「繊細ヤクザ(※1)」という言葉がありますが、これはまさにこのタイプです。

HSPは相手の反応を敏感に察知しますから、繊細アピールをしたときに相手がウザそうな反応をすればすぐに気がつき、止めようと思います。

しかし、ナルシストやサイコパス傾向を持つHSPでは、それらの反応を察知できたとしても、それが悪いことという感覚が芽生えないため、滔々(とうとう)と自分がいかに繊細であるかを語ってしまい嫌われるのです。

ちなみに、あなたがナルシストかどうかを判断する簡単な方法があります。

「あなたはナルシストであることを良いことだと思いますか?」

この質問に強く「はい」ならそうです。なぜならナルシストは、ナルシストであることを悪いことだと思っていないからです。この質問の有効性は研究でも証明されています。

※1 繊細ヤクザ:自分の繊細さやHSP気質を主張し、周囲に過剰な配慮を求めたり、面倒な仕事を引き受けない人を揶揄するスラング。

HSPは拒絶感受性が高いので嫌われる

他にもHSPが嫌われやすい理由があります。それは拒絶感受性(Rejection Sensitivity)の高さです。

拒絶感受性とは、嫌われることを予期し、拒絶の手がかりを容易に知覚し、それに過剰反応する傾向のことです。

HSPは相手の曖昧な反応をネガティブに解釈しがちなため、拒絶感受性の高い人が多いです。挨拶したとき相手が笑顔でなかっただけで、嫌われていると勘違いしてしまったりするのです。

脳の反応を調べた実験

UCLAのリサ・バークランド博士らの実験によると、拒絶感受性の高い人は脳の反応も異なることが分かっています。

実験では非難、怒り、嫌悪感を表現したビデオクリップを見せて、被験者の脳をfMRI(機能的磁気共鳴画像法)でスキャンしました。

その結果、拒絶感受性の強い人は怒りや嫌悪感よりも、非難の表情に対する反応が大きかったのです。

具体的には、脳内で情動の認知に関わる前帯状皮質が活発になっていました。

また、他の実験では拒否されたと感じたときに、自律神経が高ぶりやすくなることも分かっています。

不快感を和らげるために攻撃的になる

拒絶感受性が高い人は、こうした脳の反応により、拒絶されたと感じたとき、精神的苦痛を感じて怒りや悲しみの度合いが高くなります。

このときの反応は、何もできずに大人しくなるだけとは限りません。不快感を和らげるために、攻撃的になったり、自傷行為を行ったりすることもあります。

家族や恋人、親友など親しい間柄の相手から拒絶されたと感じると、感情を爆発させたり暴力を振るうこともあります。

また1人でいるときも「嫌われているのではないか?」と心配することによって、メンタルヘルスに悪影響を及ぼすこともあります。

拒絶感受性の高い女性の場合は、そうでない人と比べて失恋後に抑うつ状態になるリスクが高くなるという研究もあります。

拒絶感受性がパートナーの満足度を下げる

コロンビア大学のジェラルディン・A・ダウニー教授らが、拒絶感受性と対人関係に関する実験を行っています。

この実験では拒絶感受性の高い人ほど、相手の行動を「自分を傷つけるためにしたもの」と判断しやすいことが分かっています。

さらに、そのような拒絶感受性の高い人間と一緒にいるパートナーの関係満足度も低下しやすいことも判明しました。

なぜなら、拒絶感受性が敵対的な態度や嫉妬、束縛といった嫌われる態度に結びつきやすいからです。

そして、実際に嫌われることで「やっぱり自分は嫌われやすい」という確信を強め、ますます拒絶感受性が強まるという負のサイクルに陥るのです。

実際に嫌われているわけでないのに、そう感じてしまいがちなHSPは気をつけてください。

その思考が態度に出ることで本当に嫌われる「自己成就的予言」となってしまうことがあります。

拒絶感受性が高まる3つの要因

拒絶感受性の高さの原因は人によって違いますが、以下の3つが考えられます。

1. 家庭環境

過度に批判的な親や子供を無視する親に育てられると、拒絶への恐怖が強くなります。

自尊心が低いまま成人し、見捨てられることへの恐怖から恋愛依存症になってしまうパターンと重なる部分があります。育児放棄や虐待があった場合も影響を受けます。

2. 友人関係(ピアグループ)

児童期の友人関係のことをピアグループと呼びます。

ストーニーブルック大学のアシュリー・アライザらの数年間にわたる調査では、このピアグループが拒絶感受性に影響を与えることが分かっています。

仲間にからかわれたり、いじめられたりすると、その後も拒否されることを恐れるようになります。

友人ではありませんが、恋人からの批判や拒否が拒絶感受性を高めることもあります。

3. 遺伝的要因

一部の人々は、遺伝的に拒絶反応に対し極度の不快感を覚えやすいと考えられています。

家族にこの気質がある場合には、それを引き継いでいる可能性があります。

克服方法

相手の些細な反応を気にしすぎたり、拒絶されたことをいつまでも気にしてしまうのは、物事の捉え方の問題といえます。

ですから、否定的な思考パターンを特定し、認知の歪みを修正する認知行動療法が効果的とされています。

自分の心を俯瞰することによっても、落ち着きを取り戻すことができます。

高すぎる拒絶感受性を抑えることによって、人に嫌われるのが怖いという感覚も弱まり、嫌われる行動も減っていくのです。

参考文献
  • Thornton, B., Ryckman, R. M., & Gold, J. A. (1981).Sensation seeking as a determinant of interpersonal attraction toward similar and dissimilar others.
  • Kajdzik, M., & Moron, M. (2024).Signaling high sensitivity to influence others: Initial evidence for the roles of reinforcement sensitivity, sensory processing sensitivity, and the dark triad.
  • Downey, G., & Feldman, S. I. (1996).Implications of rejection sensitivity for intimate relationships.
  • Burklund, L. J., Eisenberger, N. I., Lieberman, M. D. (2007).The face of rejection: Rejection sensitivity moderates dorsal anterior cingulate activity to disapproving facial expressions.
  • Araiza, A. M., Freitas, A. L., & Klein, D. N. (2020).Social-experience and temperamental predictors of rejection sensitivity: A prospective study.