カウンセラーを信用できないのは、あなたの頭が良いからです。
傾聴するだけ、抽象的、頭が悪い、メタ認知能力が低い、といった特徴を持つカウンセラーは頭の良い人と相性が悪いのです。
このタイプのカウンセリングを受けていると、信用できないどころかイライラし始めることもあります。
信用されないカウンセラーの特徴
まず、先にカウンセラーを信用できない理由として、よくいわれるものを確認しておきましょう。
カウンセリングがうまくいくためには「作業同盟」が必要です。
作業同盟とは、カウンセラーとクライエント(相談者)の間に結ばれる協力関係です。信頼関係をもって、最終目標とその手順を共有することで結ばれます。
しっかりとした作業同盟がないとカウンセリングが失敗する確率が高まります。
そして、この作業同盟はカウンセラーの個人的特性も大きく影響します。
ハーバード大学医学大学院のスティーブン・アッカーマン博士らが、過去10年以上のデータを分析し、作業同盟を損なう治療者の特徴を調べたところ、以下の要因が抽出されました。
- 硬直的:一つの見方や方針に固執し、相談者の反応や状態に応じて柔軟に対応できない
- 批判的:相談者の語りや行動に対して、評価的・非難的な態度をとる
- 距離を置く:よそよそしく、相談者に関心がないように見える
- 緊張:落ち着きがなく、硬さや不安を感じさせてしまう
- 自己中心的:自分の考え、感情、解釈を優先してしまう
- 注意散漫:相談者の話に注意を向けていない、退屈しているように見える
- 防衛的:相談者からの不満、違和感、否定的感情を受け止めず、自分を守ろうとする
- 尊重や温かさを欠く:敬意、受容、支持的な姿勢がない
- 責める・軽んじる:相談者の苦しみを理解しようとせず、行動や反応を否定的に扱う
こうした特徴を持つカウンセラーに対し、相談者は不信感を持ちやすくなります。
頭の良い人と相性の悪いカウンセラー
ここまでが、よくあるカウンセラーを信用できない状況に陥る要因です。
頭の良い人の場合、これらに加えて次のようなタイプも信用できなかったり、話をしているとイライラしてしまうことがあります。
1. 傾聴するだけ
カウンセラーは相談者の言葉を否定せず肯定的に聴く姿勢が求められます。いわゆる傾聴というものです。これは相談者が安心して感情を吐き出せる場を作るために大切なことです。
仮に間違えていても「そう感じているのですね」と言って否定はしません。これは相談者にとって優しい言葉ですが、カウンセラーにとっても優しい魔法の言葉です。
なぜなら何を言われてもこの言葉で返せば誤魔化せるからです。
この言葉で返すテクニックに限ったことではありませんが、否定せずに話を聴くのは難しいことではありません。誰でもできることです。
そのため、頭の良い人は気づいてしまうのです。「具体的なアドバイスができないから傾聴で誤魔化している」と。
残念ながらその予測は当たっています。
確かに相談者にひたすら話をさせることで、本人が気づきを得られることはあります。それによって改善がなされることもあります。人間の心には回復に向かう機能があるとされているからです。
来談者中心療法といわれる手法は、相談者に話をさせ、カウンセラーはひたすら傾聴するというものです。
しかし、これは全員に効果があるわけではありません。
「カウンセリングを受けても意味ない人。研究で分かった効果の出ないパターン」でも書きましたが、3割くらいの人にしか効果が出ないこともあります。
そして、聴き手の実力によっても効果が変わります。相槌のタイミングや呼吸、視線などの影響があるからです。さらにいえば聴き手が醸し出す雰囲気も関係します。
聴き手がどれだけ客観的な実績を持っているかも影響します。それがない人は聴き手として安定感がなく、話し手も本当の意味での自己開示ができません。
ここでいう実績というのはカウンセラーとしてのものではなく、どちらかといえばその他の仕事でのものです。
X(旧Twitter)で「経営者の壁打ち相手になります」というコンサルタントが増えましたが、このような人たちが胡散臭いのも、本人に実績がないからです。
エリック・シュミット(Google元CEO)らシリコンバレーの有名起業家たちのコーチングをしていたことで知られるウィリアム・キャンベルは、自分自身も経営者でした。だから壁打ち相手としての役割をこなせたのです。
頭の良い人はそこに気づいてしまうので、傾聴しかしないカウンセラーを信用できないのです。
2. 抽象的な話しかしない
仮にカウンセラー側が何か話したとしても、抽象的な内容だと頭の良い人はイライラしてしまいます。
たとえば自分に自信が持てないという相談者に、カウンセラーが「『私はできる』と思えば良いのです」と言ったとします。
そして相談者からどうすればそう思えるのか聞かれて「自己肯定感を高めれば良いのです」と答えるようなカウンセラーもいます。
頭の良い人は「言葉を言い換えているだけで何の解決にもなっていない」と気づいてイライラしてしまうのです。
ここまでひどくないにしても、抽象的なことをグルグルと繰り返しているだけのカウンセラーは多いです。
カウンセラーのブログを読んでイライラするのもこういうことです。抽象的で浅い話をグダグダと書いているので「さっさと結論を言え」と思ってしまうのです。
3. 頭が悪い
頭の良い人がカウンセラーを信用できない原因として、そもそもカウンセラーの頭が悪いということもあります。
よくいるのが、カウンセラー本人が過去に同じ悩みを持っていたので、それを克服した経験を活かしてカウンセリングするという人です。
悩みすぎているときは「同じ悩みを分かってくれる」と思ってしまいますが、頭の良い人はしばらくすると気づいてしまいます。
「n=1のサンプルでどうにかしようってバカなのか」と。
そもそも「自分も過去に悩んでいました」というアピールはカウンセリングではあまり良いこととはされていません。相談者が「この人で大丈夫?」と不安になることもあるからです。
それと、いまだに多いのがポップ心理学の知識しかないカウンセラーです。
「吊り橋効果(※1)」や「単純接触効果(※2)」などをドヤ顔で語ってしまう人たちです。
書店に行く機会が多い人からすると「入口付近に平積みされてる『相手を操る秘密の心理学』みたいな本に書いてある信憑性の低いものだろう」と気づいてしまいます。
※1 吊り橋効果:吊り橋を渡るときの興奮を恋愛の興奮と勘違いする錯誤帰属の現象。ただし美人でないと発生しない可能性が高い効果。
※2 単純接触効果:何度も会うと好きになるという効果。ただし嫌いな人だと会うたび嫌いになる可能性もある。
東大卒の人が気持ち悪さを覚える文章
「カネコさんはカウンセラーなのに、こんなこと書いちゃって大丈夫なんですか?」という声が聞こえてきそうですが…
え、そんな心配してくれるなんて、うれしくて泣いちゃいます(涙)
でも大丈夫です!
私はカウンセラーという仕事にプライドを持ってやっていますから、正しいことは正しい、間違えていることは間違えているとハッキリと言わせていただきます!
という文章を読んで気持ち悪いと思う人は、頭の良い人だと思います。
当カウンセリングルームには、東大や京大を出ている、いわゆる頭の良い人がけっこう来ます。他のカウンセリングルームについては分かりませんが、たぶん多い方ではないかと思います。(※3)
これは私の頭が良いということではありません。私がこのような気持ち悪い文章を書かないからです。これは自称ではなく相談に来る人によく言われることです。
実際にこれらの大学を出ている人は、カウンセラーが書きがちなこの手の文章が「気持ち悪くて読んでいられない」と言うことが多いです。
凡人が自分で自分のポジションを高い位置に設定し、それに陶酔している痛々しさと、それに気づけないメタ認知能力の低さが文章からにじみ出ていて共感性羞恥を覚えるからです。
こちらから聞いたわけではなく、自発的にこの話をする人がけっこういるのですから、言わないだけで同じことを思っている人は多いと思います。
※3 学歴を聞いているわけではなく、話の流れでたまたま知っただけです。それだけでもけっこうな人数ですから、知らない人も含めると高学歴者はもっといると思います。私は経営コンサルティングの仕事もしていますが、そちらで出会う東大出身者よりも、カウンセリングの仕事で出会う東大出身者の方が多いです。中小企業専門だからかもしれませんが。
なぜ、ゆるふわカウンセラーが多いのか
そもそも、なぜこの手のゆるふわカウンセラーが多いのかというと、それでも成り立つからです。というより、その方が儲かるのです。
頭の良い人たちはカウンセリング中に、めちゃくちゃ突っ込んできます。「それってあなたの感想ですよね」のようなことを普通に言ってきます。
しかも、教養がないと見透かされます。(私は教養はありませんが、ありそうに見られやすいので助かっています。経営コンサルティングの仕事のおかげで、一通りの業界に関する見識があるからです。これがなければ私も「ゆるふわ」な売り方をしていたかもしれません)
なので、そこをターゲットにするのは大変です。
これに対し、抽象的で中身のないブログ記事を読んで共感してくれるような人を相手にするのは楽です。簡単に騙せて、依存させられるからです。
「辛かったですね、わかりますよ、もう大丈夫ですよ」が悪いわけではない
ゆるふわなカウンセラーが悪いということではありません。
人によっては「辛かったですね、わかりますよ、もう大丈夫ですよ」と言ってもらいたい人もいると思います。
スピリチュアルや占い、引き寄せなどが好きな人は、それで良いと思います。
しかし、頭の良い人はそういう声掛けにイライラしてしまうことが多いです。
逆にあなたが頭の良いタイプなのに、こういうものを求めているというのなら、かなり病んでいると思ったほうが良いです。カウンセリングではなく先に病院に行ったほうが良いかもしれません。
「占いを信じる人の特徴:IQが低くナルシストと判明」で説明した通り、病んでいるときは胡散臭いものを信じやすいので気をつけましょう。
- Ackerman, S. J., & Hilsenroth, M. J. (2001).A review of therapist characteristics and techniques negatively impacting the therapeutic alliance.


