好きかわからないけど居心地がいいのは「コンパッショネイト・ラブ」の両想い

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一緒にいると居心地がいいと感じるけれど、恋愛感情として好きなのかはわからない…

そんな風に思う相手とは、「コンパッショネイト・ラブ」の両想い状態になっているのです。

そこで今回は「コンパッショネイト・ラブ」とは何なのか?

「恋愛感情」との違いをどう見極めれば良いのか?について解説します。

「コンパッショネイト・ラブ」の両想い

「コンパッショネイト・ラブ(compassionate love)」とは、相手の幸せや健康を心から願い、無償で援助を行おうとする愛情のことです。

日本語にするなら「思いやりのある愛、慈悲深い愛」といったところです。

「共感」と似ている部分もありますが、イリノイ州立大学のスーザン・シュプレッヒャー教授らの研究によると、共感とは異なる感情であることが分かっています。

共感は相手の感情を理解し、同じように感じることですが、コンパッショネイト・ラブはそれに加えて、相手を助けたいという積極的な行動意欲が伴うものです。

つまり、単に「相手の気持ちを理解する」だけでなく、「その人のために何かをしたい」と感じる心の動きなのです。

また、一時的な感情ではなく、状況に左右されにくい持続的な態度でもあります。

ちょっと良い雰囲気になったから、助けてあげたい気持ちが芽生えたというのではなく、その人である限りいつでも助けてあげたい、幸せになってほしいと思う感覚です。

コンパッショネイト・ラブは家族や友人などの親しい相手だけでなく、見知らぬ人や人類全体に対して向けられることもあります。

なぜ居心地がいいと感じるのか?

双方が、このコンパッショネイト・ラブを持っている両想い状態だと、居心地がいいと感じることができます。

自然と心が落ち着き、安心感を覚えるのです。それは、この愛が、無償の優しさを含んでいるからです。

評価や見返りを求めず、ただ相手の幸せを願う態度が、双方の心の緊張を解きほぐし、リラックスした状態を生み出すのです。

もう少し、具体的に見ていきましょう。

1. 無条件の受け入れ

人は誰しも、他者からどう見られているかを気にしています。無意識のうちに「良く思われたい」「高く評価されたい」と考えているのです。

それと同時に、「失敗したらどうしよう」「嫌われたら怖い」といった不安も抱いています。こうした不安は人間関係において、緊張やストレスを生む原因となります。

コンパッショネイト・ラブでは、相手を評価の対象として見ません。相手がどんな性格であろうと、過去にどんな失敗をしていようと、あるがままを受け入れるのです。

こうした態度で接せられた相手は、「自分を取り繕わなくてもいい」「弱さを見せても大丈夫」と感じることができます。

このような関係性は、ストレスの多い現代社会においては、オアシスのような居心地の良さにつながります。

2. 相手の立場を考えた気遣い

コンパッショネイト・ラブがあると、相手の気持ちに敏感になります。

ただ「大丈夫?」と声をかけるだけでなく、本当に求めているものを察し、適切なサポートを提供できるのです。

また、何か具体的な行動をせずとも、「何か言わなきゃ」と焦ることもありません。ただ静かにそばにいて寄り添い、優しさを与えることもできます。

こうした細やかな気遣いは、相手に「理解されている」「気にかけてもらっている」と感じさせ、安心感をもたらします。 

そして、「この人といると心が落ち着く」と思えて、居心地がいいのです。

3. 安心感と心理的安全性

「心理的安全性」という言葉をご存じでしょうか。

これは「自分が拒絶されたり、批判されたりすることなく、安心して意見や感情を表現できる状態」を意味します。

職場環境などでも注目されている概念ですが、人間関係においても非常に重要な要素です。

コンパッショネイト・ラブには、他者にこの心理的安全性を感じさせる力もあります。

なぜなら、相手を否定せず、どんな意見や感情でも受け入れる柔軟さがあるからです。

それによって「この人の前なら弱音を吐いてもいい」「失敗しても見放されない」と感じることができ、自然と心が開きます。

また、恋愛感情のような強い期待や緊張感がないため、感情の起伏が少なく、穏やかな関係性を築きやすいのも特徴です。

恋愛では「相手に好かれたい」「関係を進めたい」といった期待や不安が伴います。しかし、コンパッショネイト・ラブでは、そのようなプレッシャーがありません。

そのため、「自分らしくいられる」「気負わなくていい」という感覚が得られ、居心地の良さを感じるのです。

「恋愛感情」と「コンパッショネイト・ラブ」の違い

ここまでの説明から、好きかわからないけど居心地いいと感じる相手とは「コンパッショネイト・ラブ」の両想いが起こっていることが分かったと思います。

とはいえ、「恋愛感情の気もするけど…」という人もいるでしょう。

そこで、この2つの違いを見極めるためには、以下のポイントを確認してみると良いと思います。

【恋愛感情の特徴】

  • ときめきやドキドキ感
  • 独占欲や期待
  • 相手に対する強い関心

【コンパッショネイト・ラブの特徴】

  • 相手の幸せを純粋に願う気持ち
  • 無償のサポートや優しさ
  • 安心感や信頼感

このように、恋愛感情とコンパッショネイト・ラブは性質が異なるものなのです。

恋愛感情には、情熱的な感情や親密さ、独占欲などが含まれます。

しかし、コンパッショネイト・ラブは相手への深い共感や、支援欲求に基づくもので、必ずしも情熱的な感情を伴わないのです。

この関係は「恋愛」に発展するのか?

「居心地の良い相手」との関係が恋愛に発展するかどうかは、あなたが何を求めているかによります。

もし、「安心感」を恋愛関係にも求めるなら、自然と恋愛に発展する可能性はあります。

一方で、「ときめき」や「刺激」を重視する場合、この関係は恋愛には発展しにくいでしょう。

心理学的では、恋愛の発展には「情熱的な愛」と「思いやりのある愛」の両方が必要とされています。

もし、居心地の良さに加えて、情熱的な感情が芽生えたとしたら、その関係はより深いものに進化するかもしれません。

参考文献
  • Sprecher, S., & Fehr, B. (2005).Compassionate love for close others and humanity.