お金で揉める夫婦は離婚リスクが3倍!喧嘩を減らすには?

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経済的な価値観は人それぞれですから、夫婦といえども意見が合わないこともあります。

それ自体は必ずしも悪いことではありません。話し合いで解決できれば夫婦の絆はむしろ深まることが分かっています。

しかし、頻繁にお金のことで揉めていると、離婚する可能性がかなり高まります。

特に危険なのが、お金を出してくれないという不満と、不要なものにお金を使っているという不満です。

この2つは、夫婦仲を悪化させる強い要因です。

どうすれば、これらの悪影響から夫婦の絆を守れるのでしょうか?

お金についての口論が離婚率を3倍に高める

お金のことで喧嘩ばかりしている、という夫婦は珍しくありません。

ウィスコンシン大学のローレン・パップ博士らが100組のカップルを追跡調査したところ、喧嘩の原因の約2割は金銭面に関することだった、という結果が出ています。

お金に関する対立は、一度生じるとその後は何度も発生します。最終的に、それが離婚の原因となることもあります。

お金について頻繁に口論している妻は、離婚する確率が約3倍になるというデータもあります。

また、夫婦間の経済的対立が、5~7年後の離婚を予測する重要な要因ということも分かっています。

そして、これらの悪影響は客観的な経済状況に関係なく発生します。

つまり、お金持ちだろうと、貧乏だろうと、お金のことで揉めると、夫婦関係を破綻させるリスクが跳ね上がるということです。

お金についての喧嘩って具体的にどんな内容?

お金のことで喧嘩するといっても、具体的にはどのような内容でしょうか?

そして、それらがどのような影響を及ぼすのでしょうか?

それを調べた、カールトン大学のジョアンナ・ピーツ博士らの研究があります。

この研究では結婚か事実婚をしている481人の男女を対象に、お金についての問題でどのようなことをパートナーと話しているかと、関係性について聞き取りをしました。

それらの回答をまとめると、お金に関する対立は主に以下の7個に集約されます。

  • 家計への貢献度(ex:相手の方が稼いでいるのにお金を出さない)
  • 仕事と収入(ex:収入が減ったのだからもっと稼ぐ方法を考えてほしい)
  • 価値観の違い(ex:自分は貯金したいのに相手は遊びに使いたい)
  • 臨時の出費(ex:大きな買物や突然の旅行、急病時の医療費にいくら出すか)
  • 日常の経費(ex:子供に掛かる費用、家や車の維持メンテナンス)
  • 資産運用(ex:一方は投資したいが一方は貯金したい)
  • 無責任さ(ex:相手が自分の欲しいものばかり無駄に買う)

最も多く報告されたのは「無責任さ」に対する揉め事です。贅沢品や嗜好品のための無駄遣いが許せない人が多いようです。

次いで、臨時の出費でした。病気などの予期せぬものの他、唐突に家や車を欲しがることで揉めるのです。

お金の揉め事の中で最も関係性を悪化させるもの

報告されたお金の揉め事の中で、最も関係性を悪化させるのは「家計への貢献度」と「無責任さ」でした。

これらについて話し合ったときに、極端な不一致があるといつまでも尾を引くのです。

もう少しお金を出してほしいとか、趣味に対する出費を減らしてほしいという話をするときは、配慮した伝え方をする必要があります。

意外なことに「日常の経費」についての話が多い夫婦は、前向きな関係でいられる傾向にありました。

これはおそらく、金銭上の些細な決定であってもコミュニケーションを取ることが、夫婦仲を良くしているからと考えられます。

夫婦間のお金の揉め事をなくす工夫

経済的なストレスは、個人のメンタルにも悪影響を及ぼします。そして、自分の結婚生活は上手くいっていないという認識を強めます。

それだけではなく、一方のストレスがもう一方の生活の質にも悪影響を及ぼすことも分かっています。

また、お金の心配ばかりしている親は子供と会話する機会が減るため、子供の言語能力が育ちにくいという研究もあります。

様々な悪影響がありますから、お金の揉め事を減らす工夫が必要です。

そのために、共有の財布を作ることは夫婦関係の質を向上させることが分かっています。

負担額が明確になりますから、どちらが得した損したという争いが生まれにくくなります。

共通の経済的な目標を持つことも有効です。

家の購入費や子供の教育費のために、いつまでにいくら貯めるという目標を共有することが、日々の出費の納得感につながります。

特に、貯金したい派と使いたい派の対立は大きくなるほど、関係が悪化しやすいことも分かっていますから、月に最低いくらは貯金するという最低ラインを決めておくと良いかもしれません。

夫婦喧嘩を減らす方法

共有の財布や、目的を明確にするといった実務的な対策を取るにも、そもそも夫婦喧嘩が激しすぎてそんなこと言ってられない、という人たちもいるでしょう。

特に、お金に関する揉め事は、対立の激化を生みやすいものです。ファイナンシャル・プランを計画する前に、夫婦間で冷静に話し合える状況を作ることが大切です。

そのためには、どうすれば良いのでしょうか?

実は、夫婦喧嘩の激しさは、そのときにどう振る舞うかだけではなく、日常のちょっとしたやり取りの質の影響が大きいことが分かっています。

つまり、日常のコミュニケーションを変えることで、夫婦喧嘩の激しさを改善できる可能性があるのです。

夫婦のコミュニケーションスタイルを観察した研究

男女関係の研究で著名な、心理学者ジョン・ゴットマン博士らの研究では、夫婦間の対立を冷静に解決するには、特別なイベントやサプライズよりも、日常の小さな瞬間が重要であることが分かっています。

この研究では、夫婦が日常的にどのようなコミュニケーションを取っているのか、また、それが対立時の感情表現にどのような影響を及ぼすのかを調査しました。

研究の対象は49組の夫婦で、彼らのコミュニケーションスタイルを異なる2つの場面で観察しました。

まず、夫婦は2人の間で対立が生じていることについて、15分間話し合うよう求められ、その様子を録画されました。

この際、研究者は「SPAFF(SpecificAffectCodingSystem)」と呼ばれる分析手法を用い、夫婦がどのような感情を表現しているかを細かく分類しました。

次に、同じ夫婦が24時間滞在できるスタジオタイプのアパートに招かれ、日常的なやり取りがどのように行われるのかを観察されました。

この実験では、特に夕食時のコミュニケーションに焦点を当て、夫婦がどのように会話を始め、どのように応じるかを記録しました。

このとき、夫婦の「遊び心」や「熱意のある応答」がどの程度現れるのかを測定し、これらの行動が対立時の感情表現とどのように関連するか分析しました。

「遊び心」と「熱意を持った対応」が夫婦喧嘩を冷静にさせる

この研究から得られた重要な発見は、夫婦の関係性は日々の小さなやり取りによって形作られるということです。

特に、夫の「遊び心のある働きかけ」が多い場合、夫婦が対立した際にユーモアを交えたやり取りを行う傾向が高いことがわかりました。

夫が普段から軽い冗談を言って場を和ませることができると、夫婦が対立したときにも笑いを交えた建設的な話し合いができる可能性が高まるのです。

また、妻が日常の些細な会話に対して「熱意を持って応じる」場合、対立時に夫が愛情を示すことが増えるという結果も得られました。

妻が日常的に夫の話に関心を示していると、夫も対立時にポジティブな態度を取りやすくなるのです。

日常の相互作用は夫婦の心理的な「土台」となる

なぜ、日常の小さなやり取りが夫婦間の対立を、冷静にさせるのでしょうか?

それは、日常の相互作用が夫婦の心理的な「土台」となり、対立時の感情や行動に影響を与えるからです。

例えば、夫が普段から遊び心を持って関わっていると、夫婦の間にリラックスした雰囲気が生まれ、対立が起こった際にもその影響が残るのです。

その結果、対立中でもユーモアを交えたやり取りがしやすくなります。ユーモアがあることで緊張が和らぎ、より建設的な話し合いができるということです。

また、妻が日常的に夫の話に熱意を持って応じることで、夫は自分が大切にされていると感じ、関係に対する安心感を得ることができます。

このような積み重ねによって、夫は対立時にも防御的になるのではなく、より愛情深い対応を取りやすくなるのです。

夫婦の関係は日々のやり取りの積み重ねによって形成されるため、ポジティブな日常の交流があるほど、対立の場面でもお互いを尊重し、温かい態度を示しやすくなると考えられます。

夫婦関係をより良くするために

ここまで説明したように、夫婦関係を改善するためには、喧嘩のときどう振る舞うかにフォーカスするだけではなく、日常的なコミュニケーションを大切にすることが重要です。

例えば、夫婦のどちらかが何気なく話しかけたときに、興味を持って応じるだけでも関係の質は向上します。

また、遊び心を持った会話を心がけることで、対立が生じたときにもお互いにポジティブな感情を持ちやすくなるでしょう。

日々の小さなやり取りこそが、長期的な関係の安定につながるのです。

夫婦関係を深めるためには、まずは今日からできることを始めてみるのがおすすめです。

日常の些細な瞬間に意識を向けることで、より良い夫婦関係を築くことができるはずです。

そうすれば、お金の揉め事が起こった際にも、二人で冷静に取り組むことができます。

参考文献
  • Papp LM, Cummings EM, Goeke-Morey MC. (2009).Money as a Topic of Marital Conflict in the Home.
  • Peetz J, Meloff Z, Royle C. (2023).When couples fight about money, what do they fight about?
  • Driver JL, Gottman JM. (2004).Daily marital interactions and positive affect during marital conflict among newlywed couples.