回避型が思わせぶりな態度を見せるとき、本気のこともあれば、遊びのこともあります。
本気のときは心の距離が近くなりすぎると、相手に飲み込まれるような苦しさを感じて、急に消極的になったりします。
遊びの時は、恋人関係にならなくても、体の関係だけ結べるタイプかを探るために、軽めのアプローチで様子を見ます。
本気でも遊びでも、回避型の思わせぶりな態度として多いとされるのが「礼儀的フラーティング」というものです。
フラーティングとはなにか? 5つの型
日本ではあまり使われませんが、海外の恋愛の文脈においては「フラーティング(flirting)」という言葉がよくつかわれます。
これは「気を引く」、「恋愛的にちょっかいを出す」、「好意をにおわせる」といった意味に訳されますが、口説くというほど直接的なものではありません。
簡単に言うと、恋愛的・性的な関心があることを言葉や態度でほのめかしたり、相手の関心を探るためのコミュニケーションです。
要するに、思わせぶりな態度ということです。
カンザス大学コミュニケーション学部のジェフリー・ホール教授の研究によると、フラーティングには、以下の5つのスタイルがあることが示されています。
1. 伝統的
恋愛は、男性が最初に声をかけ、女性はそれに応じるものという価値観に則した行動をとるタイプです。
- 男性側が声をかける、誘う、連絡先を聞く
- 女性側は直接誘うより、視線・笑顔・会話の反応で受け入れ姿勢を示す
- 関係を進めるタイミングも、男性がリードすることを期待する
2. 身体的
好意・性的な関心を身体表現や雰囲気ではっきり伝えるタイプです。
- アイコンタクトを長めに取る
- 相手との体の距離を少し近づける
- 相手の魅力を直接的に褒める
- 会話に少し色気や親密さを含ませる
3. 誠実的
最終的に感情的な絆が作れるかを重視し、「この人と本当に合うか」を確認するようなアプローチと取るタイプです。
- 相手の趣味、価値観、考え方を丁寧に聞く
- 表面的な褒め言葉より、相手の人柄や努力を褒める
- 自分のことも少しずつ開示する
- 「もっと話したい」「あなたのことを知りたい」という姿勢を見せる
4. 遊戯的
フラーティングを必ずしも恋愛関係に結びつけず、楽しみや自己肯定感のために行うスタイル。
- 冗談を言ったり、ちょっかいを掛ける
- ちょっとした駆け引きを楽しむ
- 褒め言葉が軽い
- 本気度を曖昧にしたまま距離を縮める
5. 礼儀的
好意を持っても、相手を不快にさせないことを重視し、控えめで慎重なアプローチをとるタイプです。
- 丁寧な言葉遣いで誘う
- 相手の個人的な領域に踏み込みすぎない
- 「無理なら全然大丈夫です」のように断りやすい誘い方をする
- 軽いボディタッチでも、相手の反応を慎重に見る
回避型は礼儀的フラーティングを使いやすい
どのフラーティング・スタイルを使用するかは、その人の特性によって変わります。
シドニー工科大学のチームが、18歳から74歳まで(平均年齢32歳)の1,239人を対象に、愛着スタイルとフラーティング・スタイルの関係を調べた研究があります。
この研究によると、回避型の人は礼儀的フラーティングを使いやすいことが分かっています。
「好意は示したいけれど、親密になりすぎたくはない」という心理があるからです。
これに対し、不安型の人は伝統的フラーティングを使いやすいことが分かっています。
拒絶される不安が強く、自分から率直に好意を伝えるのが怖いからです。
回避型の思わせぶりな態度はもっと積極的では?
この結果を見て、「私の好きな人は回避型だけど、もっと露骨に思わせぶりな態度を見せてくるよ」と違和感を覚えた人もいるかもしれません。
実際に、相談に来ている人の話を聞いていても、積極的に褒めたり、誘ったり、性的な関心を示したりする回避型が多いです。
この研究結果が示すのは、あくまで統計的な有意差です。つまり、5つのスタイルの中で、回避型が最も使っているのが、礼儀的フラーティングということです。
同じ回避型でも、どのスタイルを使うかは異なるのです。
とはいえ、多くの回避型は、最初から使わなくても、どこかのタイミングで礼儀的フラーティングを使うことが多いです。
たとえば、出会ったばかりの頃は、身体的フラーティングで積極的にアプローチしてきた回避型が、別れた後に復縁の可能性を探るために、礼儀的フラーティングで軽めの接触をして、様子を探るようなことがあるのです。
数カ月ぶりに回避型の元カレから連絡が来たけど、目的が分からないという場合には、このパターンかもしれません。
ちなみに、あなたが不安型の場合、回避型からのこうした消極的な姿勢を、脈ナシと判断しがちなことも分かっていますから、気をつけてください。
本当に好きだから思わせぶりな態度を取るのか?
回避型から思わせぶりな態度を取られると、本当に好きなのか遊びなのか判断しかねるかと思います。
これについては、どちらもあり得ます。そして、本気であっても、急に態度が消極的になりますから、「やっぱり遊びだった」と思ってしまうかもしれません。
特にあなたが、不安型の場合には、こういった事態が起こりやすいといえます。
なぜなら、お互いの領域が早期に浸食し合ってしまうからです。
回避型でも自分の領域に侵入されない限りは、好きな相手にアプローチを続けることは可能です。
そして、相手が安定型の場合は、親密さと安心感をバランスよく獲得できることもありますから、恋人関係まで至りやすいこともあります。
しかし、相手が不安型の場合は、礼儀的フラーティングであっても、強い反応が返ってくることがあるため、安心感が芽生える前に、距離を詰められたと感じて、逃げやすくなるのです。
それどころか、相手の反応が良すぎると、親密さや依存を連想し、性的関心が弱まってしまうことが、ライマン大学のグリット・バーンバウム教授らの研究からも分かっています。
思わせぶりな態度は浮気相手を探すため
回避型であっても、潜在意識には見捨てられることの不安を持っていることが多いです。
その苦しみを味わうくらいなら、最初から近づかないでおこう、というのが距離を置く理由でもあります。
付き合った後も、こうした不安は消えません。そして、それを解消するための一つの手段として、代替相手を確保しておくというものがあります。
要するに彼女から別れを切り出されたとき、寂しくならないように次を確保しておくということです。
彼女がいる男性が思わせぶりな態度を見せてきた場合、このパターンの可能性があります。
回避型は、恋人がいるときでも、将来の代替候補に対して好意的に反応することが、オークランド大学のニコラ・オーバーオール教授らの研究からも分かっています。
自分自身の愛着スタイルを見つめなおす
回避型の思わせぶりな態度から、本気か遊びかを見分けるのは難しいです。
特に、あなたが不安型で恋愛に依存しやすいタイプであれば尚更です。依存中は脳の冷静な判断力が低下するからです。
思わせぶりな態度の意味をあれこれと悩む前に、自分自身の不安定な愛着を見つめなおすことが先決です。
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