辛い時でも彼氏が頼ってくれない…
それどころか何があったかさえ話してくれない…
このようなとき、信頼されていないのかと心配になるかもしれません。
しかし、男性の中にはたとえ恋人であっても嫌な出来事を共有しない人もいます。
回避傾向のある男性は特にそうです。
男性は辛いときに頼ろうと思う人が少ない
結婚の素晴らしさについて「嬉しいことは2倍に、悲しいことは半分に」と言われることがあります。
これに共感するのは女性の方が多いのではないでしょうか?
「嬉しいことは2倍」については男女ともに共感できます。
しかし、「悲しいことは半分」については共感できない男性も少なくないのです。
女性は悲しいことや辛いことがあったとき、誰かに話すことで精神的な負担が減るという人が多いです。
当方に相談に来る方も「話を聞いてもらっただけで気持ちが楽になりました」と言うのは圧倒的に女性です。
一方で男性は嫌な出来事を報告すると、その行為によって再びそのときの感情が湧き出て、余計にネガティブになってしまう人が多いです。
弱味を見せるのが格好悪いと思っている人もいます。
なので困った時でも具体的なアドバイスが期待できる時にしか恋人に頼らないのです。
例えば法的なトラブルに巻き込まれたとき、彼女が弁護士であれば相談する可能性は高いです。しかしそうでないなら共感してもらうために話を聞いてもらおうとは思わないのです。
彼氏に悩みを話したら、何をすべきか具体的なアドバイスをされ、「話を聞いてほしかっただけなのに」と憤慨したことがある女性もいるでしょう。
これなども、男女の認識の違いによって生じるすれ違いなのです。
回避型は特別な相手にこそネガティブな出来事を伝えない
辛いときでも頼らない傾向は回避型の愛着スタイルを持つ人に多いです。
シラキュース大学のエリナ・サンらが愛着スタイルと個人的な出来事の共有について行った調査があります。
この調査では参加者が最近あったポジティブな出来事とネガティブな出来事を思い出し、それを周りの人間と共有したかどうかに回答しました。
回答を分析したところ、回避傾向のある人は個人的な出来事を共有しない傾向にあることが分かりました。
さらに、恋人や家族といった特別な関係の相手に対しては、ネガティブな出来事は隠し、ポジティブな出来事を伝えるといった選択的な態度を見せることも分かりました。
そしてあなたは不安型の愛着スタイルを持っている
あなたの彼氏が全くといって良いほど頼ってくることがなく、さらには何も話すことさえしてくれないなら、回避型の愛着スタイルを持っているのかもしれません。
回避型であっても社会との接点を持ちたいという欲求は持っています。しかし同時にコントロールされることは避けたいとも思っています。
そこで仕事が上手くいったなどのポジティブな出来事を報告し強い一面を見せつつ、ネガティブな出来事は隠すことで、利益とリスクのバランスを取っているのです。
このようなタイプの彼氏に対し、もっと頼ってほしいと伝えると、自分の弱味を握ろうとしていると勘違いされる可能性がありますから注意が必要です。
彼氏の持つ「親密になると相手に絡め取られる」という根本的な勘違いを直さない限りは頼ってくることはないと思います。
また、あなたが出来事を共有し、頼り合いたいと強く思っているなら、あなた自身が不安型の愛着スタイルを持っているかもしれません。
今回の調査では不安型ほど、出来事を共有する可能性が高いことも判明しているのです。
不安型は見捨てられ不安を持っていますから、絆を強固にするために、お互いの内面を開示して共有したいという思いが強くなるのです。
このような心理は依存への第一歩ですから気をつけましょう。
参考文献:Elina R. Sun, Brett K. Jakubiak. (2024). Attachment avoidance predicts limited and selective sharing of personal events in close relationships.