他人に心を開けない原因は親から否定されて育ったこと

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知人程度の相手だけではなく、恋人や親友のような親密な相手に対しても他人に対して心を開けないという人がいます。

そのせいで誰かと付き合っても親密な絆を形成できずに終わってしまうということもあります。そもそも誰かと親密になることを恐れているとさえいえます。

このように心を開くことができない原因の一つは親から否定されて育ったことです。

心を開くことの重要性

人間関係において心を開くことが重要なのは単に自分を理解してもらいやすくなったり、親密な関係を築きやすくなるからだけではありません。自分自身の精神的な安定にもつながります。

心を開くことの精神的なメリット

他者に心を開き、親密な関係を築くことで様々なメリットが生じるということが分かっています。

例えば、幸福感の増加やストレスに関連する症状の減少といった効果は複数の研究によってその効果が証明されています。

また夫婦関係の研究でお馴染みのジョン・ゴットマンの調査ではお互いに心を開き合っているという認識を持つ夫婦は関係満足度が高いことも分かっています。

他にもポジティブな自尊心、自殺のリスクの低下など自己開示によって親密な関係を形成することのメリットは計り知れません。

心を開けないことの危険性

反対に親密になることを恐れ、心を開くことができないと絆が強くならないだけではなく、自分自身の心にもダメージが生じます。

親密な関係を避けることは、ストレスに関連する症状の増加や自尊心の低下、うつ病、不安症のリスクと関連していることが分かっているのです。

心を開けない人でも心のどこかでは親密さを求めてはいることが多いです。しかし拒絶されることへの恐怖が親密な関係を築いたり維持したりすることを阻んでしまうのです。

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対人関係の受容と否定(拒絶)の理論:IPAR Theory

他人に心を開き強い絆を形成することには大きなメリットがあり、人間が社会的な動物であることを考えると、私たちは基本的には他者と親密になりたいという欲求を持っていると考えられます。

しかし中には他人と心の距離が近くなることに恐れを抱く人もいます。親密になった後に本当の自分を曝け出すことで嫌われるのではないかという不安を持つ人もいます。これらの要因の一つに親からの否定があります。

ACの概念を補完する理論

親との間に安定的な愛着が形成されなかったことで、成人後の人間関係や恋愛に悪影響が出ることが多くのアダルトチルドレン(AC)の文脈で語られてきました。

しかしアダルトチルドレンはアメリカのケースワーカーの共通認識から始まったような部分があり、高いレベルのエビデンスは存在しません。

とはいえ、親との関係がその後の人生の何年にも渡り影響を与え続けることが発達心理学等の複数の研究から分かっています。

確立された理論としてコネチカット大学教授のロナルド・P・ローナー博士の「Interpersonal Acceptance-Rejection Theory (IPAR)」があります。

日本語になっていないのですが「対人関係の受容-否定(拒絶)理論」とでもいったところです。

IPAR理論:親の受容と否定が与える影響

この理論は主に親からの受容や否定(拒絶)の知覚とそれが子供の健全な成長に及ぼす影響に焦点を当てています。

受容は、言葉がけ(褒める、慰めるなど)と身体的な接触(抱擁、キス、なでる、慰めるなど)の2つの主要な表現から構成され、親が子供に対して示す温かさ、愛情、感受性、ケア、思いやりを指します。

受容は個人が安心感を持ち、自己の尊重や自己効力感を健全に発展させ、ポジティブな視点から世界を見ることを促進します。

これにより、親密な関係において心理的・身体的な要求に応える能力が向上し、さらには親密な関係で起こる失望や不満足、拒絶のリスクを恐れることなく、対処することができます。

一方、親からの否定は親が子供に対して愛情を欠き、虐待や無視をすることです。

子供時代の親からの否定の思い出は、後の人生での認知のゆがみと関連しており、これらのゆがみは親密な関係における現実的または想像上の拒絶の兆候に対して極度に敏感になる可能性があるとしています。

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親から否定されて育つと心を開けず親密になれない

さきほどのロナルド・P・ローナー博士らが13ヵ国の3,483人の若者を対象に、親からの否定と成人後の対人関係のスタイルについて調べた研究があります。

それによると、性別や国に関係なく、親から否定されて育った人間は大人になった後も他者と親密になることを恐れる傾向があることが分かっています。

特に母親からの否定は親密さへの恐怖感を強く予測しました。

またトルコ・TED大学のアイセギュル・アラチュ・イヤディンらの調査では、子供時代に親からの否定を経験した人は、パートナーからの拒絶を経験した場合、心理的な不調和状態になりやすい傾向があることも分かりました。

これらの研究からも分かる通り、他人に心を開くことができず、親密になれないのは性格の問題というよりは、親から拒否されたことを心が勝手に覚えており、恋人や親友との関係においてもその悪影響を受けているからという可能性があります。

対人関係の見方に歪みが生じているのです。歪みは修正できるものですから、このまま永遠に誰にも心を開くことが出来ないと不安がる必要はありません。

参考文献
・Psychological Maladjustment Mediates the Relation Between Remembrances of Parental Rejection in Childhood and Adults’ Fear of Intimacy: A Multicultural Study.
・All you fear is love: The roles of rejection by intimate others.

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