「別れたいけど別れたくない」という恋愛依存症の女性たち

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DVやモラハラをしたり、二人の将来をきちんと考えない彼氏といつまでもダラダラと付き合い続けてしまう女性がいます。

恋愛依存症の女性に多いタイプです。

「頭では別れなければと分かっているのに、心が別れたくないと言っているんです」と相談に来ることもあります。

彼女たちが別れたいけど別れたくないという矛盾した心理に陥るのはなぜでしょうか?

「別れたいけど別れたくない」心理を生み出す過剰な一体感

別れたいけど別れたくないという心理状態になるのは彼との間に過剰な一体感が出来上がっているからです。(自分でも気づいていないことが多いのですが…)

頭ではダメな彼氏と分かっているのに、関係を切ることができないのです。

彼氏の問題を自分ごとにしてしまっているのです。彼氏と自分との境界が曖昧ともいえます。

あなたは自分自身の性格に対して嫌いな部分や直したい部分があると思います。でも簡単に直せるものではありません。

だからといって、自分の一部を捨てることはできません。ダメな彼氏と別れられないのもこれと同じです。

自分の一部を捨てることができないのと同じように、一体化している彼氏を捨てることができないのです。

そのため「別れたいけど別れたくない」というコンフリクトが生じるのです。

実際に恋愛依存症の女性の中には彼氏と別れた後に、自分の一部が失われるような感覚を持つ人もいます。

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「彼が本当の自分を出せるのは私の前だけ」という勘違い

過剰な一体感を持っているかどうかは簡単に確認できます。

相手の欠点が見えたときに評価を下げることができるかどうかです。

トロント大学のサブリナ・タイ博士の調査によると、自分とパートナーを一心同体のように感じている人ほど、他の異性との比較で欠点が見えたときでもパートナーの評価を下げないことが分かっています。

分かりやすくいえば、友達の彼氏と比べて自分の彼氏は明らかにモラハラと分かっていても、それを認めようとしないということです。

仮に認めたとしても、評価は下げず、嫌いにもなりません。「彼は悪いことをしているけど、彼の立場では仕方ない」などと考えるのです。

それどころか「彼が本当の自分を出せるのは私の前だけ」などと都合よく解釈してしまうことさえあります。

これでは別れたほうが幸せになれると頭で理解できても、いざ別れようとなると心には引っかかるものが出てしまいます。

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「別れたいけど別れたくない」から抜け出す

健全な一体感を持つカップルがお互いの欠点を補完し合うのは良いことです。

「相手の出来ないことは自分がカバーすれば良い、相手も自分の苦手なことをやってくれている」という気持ちは大切です。

複数の心理学研究でも相補性は結婚生活を長く続ける上での大切な要素の1つと言われています。

しかし「別れたいけど別れたくない」という気持ちになっている人は注意しなければなりません。

気づかないうちにほぼ全ての彼氏の欠点に対して「私がしてあげなければ」という心理が働いてしまっています。

それどころか過剰な一体感によってそれが誰の欠点なのか分からなくなっている可能性さえあります。

このような状態から抜け出すには自分の心と彼氏の心の境界をきちんと意識する習慣(自己分化)を持つことが大切です。(参考:恋愛依存症の治し方!まずは自己分化度を高める

さきほど紹介したサブリナ・タイ博士の研究でも、恋人に一体感を覚えていない人は欠点が際立ったときに悪い評価を下せることが分かっているのです。

彼氏の欠点を正しく評価できるようになれば「別れたいけど別れたくない」という状態から抜け出すことができます。

参考文献:Sabrina Thai, Penelope Lockwood. (2015). Comparing You = Comparing Me: Social Comparisons of the Expanded Self.

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