無意識の行動によって他人を不快にしてしまう人は存在します。
口を開けば常に悪口を言う人や、行動の一つ一つがガサツでやかましい人、自分を客観視できない人はそうでしょう。
しかし、AC（アダルトチルドレン）が誰かに嫌われている気がするときは思い込みであることが多いです。
それにも関わらず悶々と悩んでしまうことがあります。
「嫌われる」ということが「生きていけなくなる」と同義になっているので恐れ過ぎているのです。
ACは拒絶感受性が強い
他人の批判的な態度に過度に敏感になったり、嫌われることを恐れる傾向を心理学では「拒絶感受性」といいます。
拒絶感受性が強い人は他人の些細な言動を深く受け止め、「嫌われているに違いない」という思い込みを持ちやすいです。
相手が何とも思っていなかったとしても、ネガティブに受け取ってしまうのです。
好意的な態度よりも否定的な態度にばかり注目してしまうという特徴もあります。
というより判断のつかない曖昧な態度は全て「嫌われている証拠」と考えがちなのです。
そしてこの拒絶感受性は、ACを始めとした愛着の問題を抱えた人ほど、強い傾向にあることが分かっています。
「みんなから嫌われている」という思い込み
実際に当カウンセリングルームでも、「周囲の人から嫌われている気がする」と相談に来るACの方は多いです。
拒絶感受性が強く、人から嫌われることを過剰に恐れているため、ちょっとした出来事でも心配になってしまうのです。
しかし本当に嫌われているということは少ないです。
ACの場合は単に距離が縮まらないだけなのです。
なぜなら自分が心を開いていないからです。
人には「自己開示の返報性」というものがあります。
つまり自分が心を開いたのと同じくらいの深さで相手も開くということです。
これを繰り返しお互いのことを少しずつ知りながら絆は深まっていくものです。
ACは皆に良いを顔しますし、いつもニコニコしているという人もいます。なので周囲の人からもそう認識されています。
しかし、時にそれが他人と距離を置きたいがための表面的な態度と受け止められてしまうことがあるのです。
慇懃無礼とまではいきませんが壁を作っているように思われてしまいます。
それによって相手が「これ以上は踏み込んだら迷惑になる」と遠慮してしまうのです。
まともな人ほどこのバランス感覚が良いです。ACがそれを嫌われたと勘違いしているだけなのです。
なぜ嫌われることが怖いのか？
ACは「みんなから嫌われている」と思うのと同時に、嫌われることを過剰に恐れてもいます。
なぜなら嫌われると見捨てられ一人になってしまうからです。子供時代の記憶を未だに引きずっているのです。
「嫌われたら生きていけない」という勘違いをしているのです。
なぜなら「大人になったのだから一人でも生きていける」ということにまだ気が付いていないからです。
なぜ気が付かないのでしょうか？
それは周りに「嫌いになるぞ」という脅しによってコントロールしようとする人間が多いからです。
それは恋人かもしれませんし、友達や家族の可能性もあります。ACの周りにはこういうタイプの人たちが多いのです。
そのため自分の生きる力をなかなか認識できないのです。気づかせてもらえないという方が正確かもしれません。
あなたが自分の生きる力に気づいてしまったら、あなたを利用できなくなってしまうので、周りの悪い人たちはあなたを否定し、自信を失わせるのです。
そして、自分自身を否定的に見ながら、まともな人達とも接しているので「嫌われている」と勘違いするのです。
⇒周りがみんな敵に見えるのは母親の影響か？（敵対的帰属バイアス）
全員に好かれようとすると不幸になる
嫌われている気がするのは勘違いだから大丈夫です、といっても不安は解消されないものです。
そうであれば、全員から好かれようとすることだけでもやめましょう。
誰でも嫌われるよりは好かれる方がいいと思います。
しかし、全員に好かれようとする人よりも、価値観の合う人とだけうまくいけばいいやと考えている人の方が本当に信頼できる人と深い絆を作ることができるのです。
皆から好かれようとすると、一部の人からも好かれなくなってしまいます。
