愛着障害の試し行動は大人になっても続く

愛着障害の試し行動は大人になっても続く

「試し行動」とは愛情を確認するために相手を困らせるような行為をすることです。
それでも拒絶されないことによって自分は愛されるべき存在なのだと確認したいという欲求が隠れています。

子供の行為として保育の現場で使われることの多い言葉です。
しかし愛着障害のように自己の存在に自信が持てないまま成長すると大人になった後も試し行動をすることがあります。

具体例は後述しますが大人になった後のほうが内容はエスカレートしがちです。

愛されていることを確認したい

親が忙しくて構ってあげる時間が減っているときや怒られたとき、下の兄弟姉妹が生まれたときなどに子供は「自分は愛されていないのでは」と不安になることがあります。

そして親を困らせるような振る舞いをします。

モノを投げたり食べ物や食器をわざと落としたりします。
絵本を破いたり、ぶったりすることもあるでしょう。

これが保育や発達心理学の世界で元から使われている試し行動です。
2歳前後から出てくると言われています。

愛情を確認するために行っているのです。
本人も悪いことだと分かっていますが注意を惹く方法が分からないのです。

親に対してだけではなく幼稚園・保育園の先生に対して試し行動をすることもあります。
何度か繰り返しますが安心感を得ることで自然とやらなくなります。

試し行動は親の愛情不足に関係なく行われますが、愛着障害があるとより強く出ると言われています。

施設の職員や里親に対して自分をどれくらい受け入れてくれるのかを確認するためにする場合もあります。

大人の試し行動の具体例

試し行動は大人になればしなくなるのかと言ったらそんなことはありません。
子供時代の愛着障害を引きずっている人は大人になった後もします。

よくある具体例として以下の行為があります。

  • わがままを言う
  • 無視する
  • 悪口を言う
  • 暴力を振るう
  • 浮気を匂わす
  • 別れ話を切り出す
  • 自分を傷つける

最後の自分を傷つけるというのは意外かもしれませんがよくある大人の試し行動の一つです。
壁に頭を打ち付けたり、刃物で自分を傷つけたりします。

自傷行為をする理由は様々ですが試し行動として行う場合は相手がどれくらい心配してくれるのかを確認しようとしていることが多いです。

また広い意味で考えれば何も出来なくなるというのも試し行動といえます。

一人のときは自分でやっていたことを恋人が出来た途端に相手にやって欲しいという思いが強くなるのです。
女性に多いのですがちょっとした家具の移動や家電製品の設定などをやってもらうことで愛情を感じたいと思うのです。

大人の試し行動の原因は愛着障害であることが多い

大人が試し行動をする原因は子供と同様に自分が愛されていることを確認したいというものです。

先程も説明しましたが愛着障害を抱えている人がよく行います。

子供時代の延長と捉えることもできますが親が怖過ぎて試し行動さえ出来なかった人が大人になってからし出すこともあります。
一時的に治まっていたとしても本当に好きな人が出来たときに再発することもあります。

愛着障害を原因とする大人の試し行動は最も愛されたいと思っている人に向けられます。
それは恋人のこともあれば親のこともあります。

カウンセリングにおいて相談相手に特別な感情を抱いてしまうことを「陽性転移」と言いますがこれが起こったときにカウンセラーに対して試し行動をすることもあります。

試し行動をされた側が対応を誤ると愛着障害の人は「信用出来ない」「愛されていない」と思って心を閉ざしてしまいます。
だからといって甘やかし過ぎても同じことを繰り返すだけになります。

大人の試し行動への対応は子供に対するそれと同じです。
行為と人格を分けて受け止めてあげることです。

つまりあなたのことは好きだけれどそういう行動をされると悲しくなると伝えることです。
「そんなことされると嫌いになる」「一緒にいられない」とは言わないようにします。

愛着障害の人は試し行動を何度か繰り返す中で自分の存在そのものが愛されているのだと思えれば治まることもあります。
パートナーが安全基地として機能したということです。

もちろんパートナーの力だけではどうにもならないパターンもあります。

愛着障害は本人の誤った認知が改善されなければ安心感を得ることは出来ないのです。

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