回避依存症の心を開く方法がネットに書かれていることがあります。
それが本当にに効果があるのなら当カウンセリングルームに恋愛依存症の人は相談に来ないでしょう。
そのような記事は専門家ではない自称ライターが書いていることが多いです。
普段は「都内の美味しいラーメン屋10選」のような記事を書いている人たちです。
それさえも本人は食べたことがなかったりするのですが…。
カウンセリングをしているわけでもない人が適当な想像で間違った内容を書いてしまうのは問題です。
なぜなら幼少期の家庭問題などが原因で依存症となっている人はメディア依存の傾向も強いからです。
ひたすら情報を追い求めて信憑性のないネットの記事さえも疑わない人が多いです。
私は日本語だけではなく英語の論文も幅広く探していますが回避依存症の人の心を開くことが出来た汎用性のある手法を見つけたというエビデンス(科学的根拠)には出会えていません。
回避依存症といってもタイプはいくつかに分けられますから対応の方法も人それぞれです。
確実に心を開く方法などというものは存在しないと思います。
回避依存症がカウンセリングを受けるときのこと
私の所へ相談に来る人の割合でいうと回避依存症よりも恋愛依存症の人のほうが多いです。
どちらも同じくらいの人口比で存在するのかもしれませんがカウンセリングを受けようと思う人の数には差が出るのです。
「回避」と名前がつくくらいですから当然かもしれません。
それでも回避依存症の人は定期的に来ています。
自分の意思で私を選んでくれているので信用されやすい立場だと思います。
しかし最初から心を開いてくれることなどありません。
何度か通っているうちに少しずつ信用してもらえているのかなというくらいです。
しかし些細なこと(本人からしたら大きなこと)によって振り出しに戻ることもよくあります。
それならまだ良いほうでそのまま来なくなってしまうこともあります。
これは男性か女性かに関係なく起こることです。
自分で言うのはおこがましいのですが私はアダルトチルドレンなども含め愛着の問題によって引き起こされる心の問題についてはかなりの情報を持っていると思います。
何人ものカウンセリングをしてきましたからデータもあります。
それでも心を開いてもらうのは非常に難しいことです。
ネットの記事で簡単に説明できるような内容ではないのです。
小さな手がかりから意図を読み解く
回避依存症の彼氏と付き合っている恋愛依存症の女性がカウンセリングに来ることは多いです。
その中で「どうすれば彼は心を開いてくれるのでしょうか?」と相談されることも多いです。
それから相手の行動の意図を判断して欲しいという要望もあります。
なぜこのようなラインを送ってきたのか?どういうつもりでこういった言動をしたのか?ということを分析するということです。
一般的な恋愛であれば彼氏の細かい行動に意味などないことのほうが多いです。
ほとんどは彼女側の思い込みで大袈裟に捉えているだけです。
しかし回避依存症の場合はそこに大きなメッセージが隠れていることがあります。
小さな手がかりから相手の伝えたいことを読み解かなければならないのです。
まるで『科捜研の女』のような仕事です。(私は男ですが)
それが出来たからといって心を開いてくれるわけではありません。
急にいなくなる可能性が少し減るくらいのものです。
また多くの人が勘違いしていますが本命であることと心を開いてもらうことは違うということも忘れてはいけません。
回避依存症者はいつ心を開くのか?
回避依存症の人と付き合っていると「私のことを信じて欲しい」とか「ずっと待ってる」と言いたくなることがあります。
これは一見、相手のことを思ってのセリフに聞こえますが実は自分のためのものです。
自分の中でやれるだけのことはやったと安心したいという心理が込められています。
これらの言葉は相手にプレッシャーを与えてしまうことがあるので言わないほうが良いです。
唯一できることがあるとすれば相手に精神的負担を与えないようにすることなのです。
ではいつ心を開いてくれるのかといったらそれは相手が回避依存症を克服したときです。
その方法は人によって異なりますし必ず克服できるというものでもありません。
小手先のテクニックで数週間でできることではないのです。
仮にそれで心が開けたのだとしたら最初から回避依存症ではなかったということです。
おかしな情報に惑わされないようにしましょう。