失恋が辛すぎる原因はマルトリートメントか?

辛すぎる失恋をした女性 アダルトチルドレン
カウンセリング予約
アダルトチルドレン、恋愛依存症、回避依存症、共依存、愛着障害の相談・カウンセリングを行っております。
対面・オンライン・電話で対応いたしております。

失恋してから時間が経つのに辛すぎる状態から抜け出せないですか?

もしかすると子供時代のマルトリートメントに理由があるかもしれません。

マルトリートメントとは

マルトリートメントは日本語で「不適切な養育」などと訳されます

マル(mal)は「悪い」でトリートメント(treatment)は「扱い」を意味します。

一般的には保護や養育が必要な子供に対する不適切な扱いを指すことが多いです。チャイルド・マルトリートメントなどと言われたりもします。

マルトリートメントの具体的な内容としては身体的・精神的・性的な虐待、ネグレクトなどが挙げられます。

親に悪気がなかった場合でも子供の心身の健全な成長に悪影響を与える扱いはマルトリートメントとされています。

ですから虐待よりも広い意味を持つと考えることができます。

過度なマルトリートメントを受けた子供は脳の前頭前野にある感情の制御に関わる部分が小さくなっていることが分かっています。

子供時代に受けたマルトリートメントの影響は大人になった後も残り対人関係にも影響を与えます。

そして失恋をしたときの辛さにも関係するのです。

ACEスコア(逆境的小児期体験)の説明と質問紙

失恋の辛さとマルトリートメントの調査

子供時代に受けたマルトリートメントが失恋の辛さにどう影響するのかを調べた研究があります。

タブリーズ大学のラスール・ヘシュマティ博士らが2021年に発表したものです。

この研究では最近失恋したばかりの男女239人が協力者として集められました。

そして失恋の辛さや子供時代のマルトリートメント経験、愛着スタイル、感情を抑圧する程度などを特別な質問票を使って調べました。

これらの回答を分析したところ子供時代にマルトリートメントを受けていた人ほど失恋の辛さが大きいことが分かりました。

彼氏の元カノが気になるのは不安型の特徴

愛着の不安と失恋の辛さ

なぜこのような結果になるのでしょうか?

一つには愛着の問題が考えられます。子供は親からの健全な養育によって安定した愛着を持つことができます。

それによって成人後の対人関係や恋愛関係においても適切な関係を築くことができるので過度な不安を感じずに済みます。

しかしマルトリートメントを受けることによって不安定な愛着が形成されてしまうと親密な人と離れることに苦痛を感じやすくなります。

不安定な愛着を持つ人は恋人に依存していることも多くそれが失われるととても苦しくなってしまうのです。

失恋が辛すぎるのは感情を抑制するから

愛着の問題を抱えた人が失恋したときの反応は様々です。暴れたり自分を傷つけたりする人もいます。

これらとは反対に自分の感情に蓋をしたり無理に抑えつけようとする人もいます。

そうなってしまう原因は様々です。

子供時代に虐待されその辛さから逃れるための手段として自分の心を抑える術を身に着けた人もいるでしょう。

また苦しそうな顔をすると親からの扱いがさらに酷くなるような経験をすると感情の表出を控え抑圧するようにもなります。

感情を制御する能力というのは適度に取り入れればストレスの対処に有効なこともあります。

しかしどんなに辛いときでもそのような方法で自分の感情を出させないようにしていると溜まり続けていつまでも苦しみを引きずることになるのです。

ストレスを抱えてもお酒に逃げるな、特に女性は危険

紙に書くと心が軽くなる

別れて何ヵ月も経過しているのにいまだに失恋が辛すぎるという人は無理に感情を抑えつけている可能性があります。

紙に書くなどして辛い思いを出し切ると少しは心が軽くなるのではないでしょうか?

辛い思いを紙に書くことで楽になることは複数の研究で分かっています。

また指を使って書くという行為はスマホのフリック入力をするときとは異なる脳の部位が活性化しますから何らかの気づきを得ることができることもあります。

もちろん愛着の問題を解決することが根本的な解決策ではあります。

辛いことばかり思い出す理由は気分一致効果

Rasoul Heshmati, Mehdi Zemestani, Anka Vujanovic. (2021). Associations of Childhood Maltreatment and Attachment Styles with Romantic Breakup Grief Severity: The Role of Emotional Suppression.

タイトルとURLをコピーしました