彼氏や夫から精神的DVを受け続けているのに別れられない女性がいます。
悪口や無視、金銭的な制約を課すなど人格を否定されるような扱いを受けているにも関わらずそこに留まるのです。
結婚している場合に経済的な独立に不安があるため離婚できないという明確な理由があるなら理解できます。
しかしただ付き合っているだけなのに精神的DVをするパートナーから離れることが出来ないというケースもあるのです。
精神的DVを受けているうちに受容レベルは高まる
彼氏からの精神的DVからなぜ逃れることができないのかというと一緒にいるうちにあなたの許容のレベルが高まるからです。
「こんな人とは付き合いたくないなあ」という基準を持っていたとしても付き合った彼氏がそういうタイプだとその基準を再構成してしまうということです。
精神的DVについてのものではありませんが攻撃的なパートナーと付き合うことで自分自身の思考も変化するという研究もあります。
アメリカ・パデュー大学の研究者が恋人関係にある学生に対して行った調査です。
それによると現在、攻撃的な相手と付き合っている人の場合、そういった行動に対し寛容であることが分かっています。
攻撃的な恋人と付き合うと侮辱されたり、別れを匂わせて脅したりされてもそれを受け入れるようになってしまうのです。これらは精神的DVの典型です。
問題が起こったときに話し合うことを拒否されることもあります。
もはや何のために付き合っているのか分からないような状態でもそれを許しているのです。
精神的DVの後遺症
上記の実験については元から精神的DVを受け入れるタイプの人だったのではないか?という疑問を持つかもしれません。
相関があるからといってそれが因果とは限らないということです。
しかしこの実験は数週間に渡って行われたものです。
実験の初期に恋人からの攻撃を認識していなかった人も8週間以上経過したときに攻撃を受けるようになった人もいたのです。
(精神的DVをする恋人が本性を現したということです)
そして攻撃を受けるようになった人の中で別れたくないという思いが強い人は受容レベルが高まりました。
また献身的な人は他の人が同様の攻撃をされることは許せないがそれが自分に向けられているものであれば許容できると考える傾向があることも分かりました。
この研究では恋人に対する許容のレベルは現在の関係に依存し、過去の恋愛は影響しないことも分かりました。
しかしこれは完全に個人的な見解ですが、精神的DVは後遺症のように次回の恋愛にも影響をすると思います。
どれだけの期間一緒にいたのかも関係しますが日常的に精神的DVを受けていると次回の恋人選びにも悪影響を及ぼします。
また同じようなダメ人間と付き合ってしまうことが多いのです。
参考文献:Arriaga Ximena B, et al. (2016). Personal standards for judging aggression by a relationship partner: How much aggression is too much?