回避依存症の試し行為を、不安型の愛着を抱えた人の試し行動と勘違いしている人が多いので説明しておきます。
この二つは違うものですし、混同してしまうと大変なことになります。
具体例についても説明しますのできちんと理解しておいてください。
不安型の愛着を抱えた人の試し行動
子供は親や先生の愛情を確認するためにわざとイタズラをすることがあります。
悪いことをしても愛してくれるのか?どの程度まで受け入れてくれるのか?を確認しているのです。これを試し行動といいます。
愛着の問題を抱えていると大人になってもこの試し行動をすることがあります。さすがにイタズラはしませんが、無視や暴言、浮気を匂わせたりするのです。
これは不安型の愛着スタイルを持つ人に多い傾向です。なので恋愛依存症の人はよくこのようなことをしてしまいます。
回避型の愛着スタイルを持つ人も試し行動をすることはあります。しかし回避依存症が愛情の確認のためにするということは少ないです。
回避依存症はどれくらい利用できるか確かめている
もしあなたが恋愛依存症やアダルトチルドレンだとしたら、自分で勉強して試し行動についても知っていたかもしれません。
そして回避依存症の彼氏がそういった行動をすると「愛情を確かめようとしているんだ」と思うでしょう。しかしそれは間違いです。
回避依存症が暴言や暴力、無視、浮気をするのは愛情を確かめるためではありません。あなたをどれくらい利用できるか確かめるためです。
つまり回避依存症の中でも搾取者と呼ばれるタイプが行う行動です。
回避依存症の試し行為の具体例
回避依存症が恋人に対してする暴言や暴力、浮気、搾取を「試し行為」と呼ぶことにしましょう。
この記事の冒頭でも既に「試し行為」という言葉を使いましたが、学術上は存在しない言葉です。
しかしアダルトチルドレンのカウンセリングに来る人がときどき「試し行動」のつもりで「試し行為」と言うことがありますし、使い分けに丁度良いので使うことにします。
具体的な回避依存症の試し行為にはつぎのようなものがあります。
- 暴言を吐く
- 暴力を振るう
- お金を貢がせる
- 貢がせる前段階として借金や公共料金の一時立て替えを頼む
- 他の女性と遊んだ話をする
- 他の女性と体の関係を持った話をする
恋愛依存症は試し行為に気づけない
上記の試し行為をすることで恋人がどこまで利用できるのかを確かめるのです。
利用できないと分かれば関係を切るか、利用できるように調教するのです。
利用価値を計るために「試し行為」をされても、恋愛依存症の女性は「愛情を確かめてる試し行動」と勘違いするので簡単に騙されてしまいます。
そして暴力や浮気を受け入れ、お金や高価なプレゼントまで渡してしまうことがあります。
さらに厄介なことに回避依存症の通常の恋愛行動と試し行為には同じような特徴があるため判断しにくいのです。
現象に名前をつける意味
既に説明した通り、「試し行為」は学術用語ではありません。(そもそも回避依存症も恋愛依存症も学術用語ではありませんが…)
しかし、現象に名前を付けることで存在が明確になります。するとそれで悩んでいる人の心が軽くなることもあります。
スーザン・フォワード博士が「毒親(toxic parents)」という言葉を作ったおかげで、解放されたというアダルトチルドレンも大勢いました。
搾取型の回避依存症者の非道な振る舞いは利用価値を確かめるための「試し行為」です。
愛情を確かめるための行為と勘違いせず、回避依存症がよくする行為と認識し、客観的に判断してください。
余談ですが「試し行動」は英語で「Limit Testing Behavior」なので「試し行為」と訳しても間違いではないんですよね…。専門書では「試し行動」としか出てきませんが。