アダルトチルドレンとは問題のある家庭環境で育ったことで生きづらさを抱えている人を意味する言葉です。
自分に自信が持てずに生活がうまくいかなかったり人間関係に問題を抱えてしまうことがあります。
表面上は成熟した振る舞いができても心の中には癒されないままの心が残っているのです。
アダルトチルドレンの特徴
多くのアダルトチルドレンに共通する特徴は自己肯定感が低いということです。
自己肯定感とは簡単に定義することのできる言葉ではありませんが、ありのままの自分を受け入れることの出来る感覚と思ってもらえば良いです。
自分を尊重できる感覚ともいえます。
自己肯定感が低いと対等な人間関係が結べない
ありのままの自分を受け入れることが出来ないと対等な人間関係を築くことができません。
自分の方が劣っているからその分を何かで埋め合わせなければと考えてしまうのです。
そのためズルい人間から搾取されてもそれを受け入れてしまいます。
問題を抱えた相手と共依存の関係になったり、恋愛依存症に陥ることもあります。
見捨てられることへの不安が強いともいえます。
仕事や勉強に自信が持てない
自己肯定感の低さは人間関係以外のことにも影響を与えます。
アダルトチルドレンは仕事や勉強、家事などの能力が劣っていると勘違いしていることが多いです。
人間は「出来ない、どうせ失敗する」と考えていると頭の中でダメなパターンの予行演習をしているようなものですから本当にその通りになります。
そしてさらに自信を失うというサイクルを繰り返すのです。
悪い情報にばかり敏感になる
アダルトチルドレンは悪い情報に敏感であるという特徴も持っています。些細な情報を大きく評価して悪いほうへ決め付けてしまうのです。
「全か無か思考」になっているのです。
アダルトチルドレンの中には仕事で成功を収めている人も少なくありませんがそれでも自分に自信の持てない人がいます。
自信のあることとないことの差が激しくどれだけの結果を得ても不安や恐怖がつきまとうのです。
心身に影響が出ることもある
ここで紹介した特徴は数ある中の一部にすぎません。
アダルトチルドレンの中には何でもないのに一人でいる時に寂しさを感じたり反対に感覚が麻痺して何も感じないこともあります。
心の病になったり身体反応が生じることもあるのです。
アダルトチルドレンの原因は家庭環境
アダルトチルドレンとはもともとはアルコール依存症の親元で育った人を指す言葉でした。
1983年にジャネット・G. ウォイティッツが出版した『アダルト・チルドレン・オブ・アルコホリックス』という本によって一般に浸透しました。
しかし現在は問題のある家庭(機能不全家族)で育ったことで生きづらさを抱えた人の総称として使用されています。
アダルトチルドレンのカウンセリングに来る人を見ても親がアルコール依存症以外の問題を抱えていたというケースの方が多いです。
親からの身体的・精神的虐待、両親の激しい喧嘩、浮気などが原因となっているのです。
親の愛情不足により自己愛が育たない
親から適切な愛情を受けないと「自分は大切にされるべき存在である」という自己愛が育ちません。
すると自己肯定感が低いだけでなく罪悪感を覚えやすくもなります。
親から酷いことをされたり両親が喧嘩しているのを見た時に自分の責任だと思ってしまうのです。
そして大人になった後もその感覚を引きずってしまい不健全な人間関係作ってしまうことがあります。
アダルトチルドレンの原因は養育者にあるのですが罪悪感を覚えやすい人はそのことに気づかないこともあるのです。
子供が家庭内で演じる役割
アダルトチルドレンは子供時代に過酷な家庭環境を生き残るために役割を担います。
(詳細⇒アダルトチルドレン(AC)のタイプと役割)
勉強やスポーツで結果を出すことによって家族を安心させようとしたり、家族内が険悪な雰囲気になったときに面白いことを言って場を和ませようとしたりします。
その他にも親に代わって弟や妹の面倒を見たり家事全般を行うこともあります。
場合によっては親の愚痴を聞いて慰め役に回ることもあります。
家族をギリギリの状態で保つために本来であれば父親や母親がやらなければならないことを引き受けているのです。
アダルトチルドレンとは子供時代に大人の果たすべき役割を肩代わりさせられたことで子供としてやるべきことをやり残してしまった人、受け取るべきものを受け取れなかった人とも言えます。
アダルトチルドレンの克服にかかる時間は人によって異なりますが、今の生きづらさが永遠に続くわけではありません。まずは変われると信じることが大切です。
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