恋愛依存症の人は恋人と別れた後も執着し続けます。
そして復縁するために様々な手段を講じます。
恋人が戻ってこないことが分かると禁断症状が生じます。
寂しさや不安はやがて怒りや復讐心に変化することもあります。
別れたことを認めようとしない
全員ではありませんが、恋愛依存症の人は恋人から振られたときや自然消滅のようになったパターンでは最初の段階で別れを認めないことがあります。
なぜなら「私たちは運命のカップルなので別れることなどあり得ない」といった類の思い込みを持っているからです。無意識にそうなっていることもあります。
なのでハッキリと「別れよう」と告げられても本心ではないと考えます。
カウンセリングに来る恋愛依存症の中にも「彼氏が『別れよう』と言っているのですがどういう意味なのでしょうか?」と質問する人もいます。
既読無視されたり返信がなくても「相手は忙しいから」とか「駆け引きをしているから」と思い込もうとするのです。
それからしばらくして恋人と完全に音信不通になったり、繰り返し別れの意思を告げられることでようやく関係が終わったことに気づきます。
復縁するためにあらゆる手を尽くす
恋愛依存症は別れた後も執着し続けます。そして復縁するためにあらゆる手を尽くすのです。
何度も電話をしたりLINEを送ったりします。それだけではなく元彼のSNSを見ながら行動を逐一チェックしたりもします。
いつ元彼からのアクションがあるか分からないので職場や学校でも常にスマホが気になってしまいソワソワした状態になります。
夜も眠れずにネットや本で復縁のためのノウハウを探し続け生活スタイルがボロボロになってしまうことも多いです。
この時点では元彼はまだ自分に気持ちが残っているという感覚を持っています。
なのでインスタの投稿に自分がプレゼントしたものが少し映り込んでいただけでも復縁したいアピールなどと勘違いしてしまいます。
もちろん相手が回避依存症であればそのような形でアピールすることもありますが、たいていの場合はただの偶然で深い意味はありません。
別れた後の禁断症状
元彼に新しい恋人ができたり、態度から完全に気持ちがなくなったのだということを理解すると恋愛依存症の人はパニックになります。
そして感情のコントロールを失います。
アルコール依存症やギャンブル依存症と同じように恋愛依存症も依存先を失うことで次のような禁断症状が出てくるのです。
恐怖や不安が芽生える
恋愛依存症は恋人との間に一種の共依存の関係を結んでいることが多いです。
たとえダメ男や世話の焼ける恋人であっても求められているという快感を与えてくれる相手といることで存在価値を感じることができていたのです。
これは自分と恋人の境界がなくなっている状態ともえます。そのため恋人を失うことで自分の精神や身体の一部まで削がれた気になります。
また子供時代に親から大事にされなかった恋愛依存症者の場合にはそのときのトラウマが甦り恐怖や不安を感じてしまうこともあります。
そして恋人を取り戻す以外にこの恐ろしい環境から抜け出す方法はないという妄想を抱き始めます。
怒りや復讐心に変化する
恋人を取り戻したいという強い衝動が叶えられないと愛情は怒りや憎しみといったネガティブな感情へと変化します。
恋人にかつて自分を見捨てた親を重ねることもあります。それによって憎悪は余計に強まります。
そして復讐してやるという気持ちが芽生えることもあります。
強すぎる独占欲があると「誰かに取られるくらいなら嫌われてでもメチャクチャにしてやる」と考えてしまうこともあります。
暴走してしまう
恋愛依存症の禁断症状が限界を突破すると行動に移してしまうこともあります。
元彼の自宅に突撃したり職場の近くで待ち伏せしたりします。そしてヨリを戻したいと泣きながら懇願したり暴言を浴びせたりするのです。
元彼だけではなくその友人や新しい恋人もこれらのターゲットとなり得ます。
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貢ぐ相手がいなくなったことで爆買いのような行動に出ることもあります。エスカレートすると警察を巻き込む大きなトラブルに発展することもあります。
恋愛依存症が暴走したときはその後に自分がどれだけ不利な立場になるかということまでは考えられないのです。理性と感情のバランスを失っているのです。
別れた後の問題行動
恋愛依存症の別れた後の禁断症状や激しい衝動はいつまでも続くわけではなくどこかで落ち着くことのほうが多いです。
そのときは強烈な孤独感に苛まれます。世界で自分だけが一人ぼっちで不幸になったような気持になるのです。
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そしてその寂しさを埋めるために新たな依存先を求めます。新たな問題行動のはじまりです。
最近は婚活サイトやマッチングアプリでの出会いも盛んですからそれらに登録して新しい相手を探すことも多いです。
そしてすぐに食事や飲みの誘いに応じます。最初のデートでホテルに行くことも少なくありません。
別れた後の虚無感をどうでも良い相手とのセックスで埋めようとするのです。
新しく出会う恋人のタイプによって感情が異なる
恋愛依存症が別れた後に新たなパートナーと出会ったときの感情は相手のタイプによって異なります。
完全に元彼を忘れらることもあれば未練が残り続けることもあります。
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モラハラや暴力を振るう相手と出会ったとき
別れた後に出会った相手がモラハラや暴力を振るうタイプだったときには元彼のことは忘れられることが多いです。
なぜならこのような問題のある相手にこそ恋愛依存症はハマってしまうからです。
そして「今度こそ運命の人」と勘違いをして泥沼に陥るという負のループが始まるのです。
出会った瞬間のファーストコンタクトでビビッと感じたときは大抵このパターンです。
まともな相手と出会ったとき
恋愛依存症が別れた後にまともな相手と出会ったときはどうなるでしょうか?
さきほどとは逆で刺激が全く得られないので元彼のことを引きずったままです。寂しさを紛らわせることはできても完全に埋めることはできません。
また相手が一人では満足できずに浮気を繰り返し常に複数のそれほど好きではない相手をキープしている状態になることもあります。
何人もの異性と関係を持っても寂しさを埋めることができないと「やっぱりあの人じゃないとダメなんだ」という思いは強まります。
別れた後の情緒不安定な状態から抜け出すには
恋愛依存症の人が別れた後の情緒不安定な状態から脱するにはどうすれば良いのでしょうか?
友達と遊んだり趣味や資格の勉強にエネルギーを傾けると良いなどとアドバイスされることがあります。
このような前向きな行動は恋愛依存症の改善に効果的なことが多いです。
乗り気になれなくても取りあえずはやってみることで作業興奮が生じて集中できることもあります。私もおすすめの方法といえます。
恋愛以外へのモチベーションが沸かないとき
しかし別れた元彼と関係のないことに全くモチベーションが沸かないという恋愛依存症の人もいます。
仕事中もプライベートで誰かと会っているときでも元彼が気になってしまうのが恋愛依存症なのですから仕方のないことです。
このような状態の人は無理に元彼から意識を逸らそうとする必要はありません。元彼のことを考えまくっても良いのです。
しかしそのときに「こんなにも元彼に執着しているのだ」と自分を客観的に見る視点を持ってください。
このような視点をメタ認知といいます。
自分を知るチャンスと捉える
メタ認知を持つことで多少は冷静になれます。
そして冷静になっている状態のときに自分の思考を点検するのです。
なぜこんなにも執着してしまうのか?なぜいつも問題のある恋愛ばかりしてしまうのか?
そういったことを点検することで自分に対して持っている間違った認識に気づけることがあります。恋愛依存症から抜け出すうえで大切なステップです。
中毒のように別れた元彼のことばかり考えてしまうのであれば自分を知るチャンスと捉えてそれを活かしましょう。