両親が不仲で喧嘩ばかりしている家庭で育つと恋愛に悪影響が出る

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両親の不仲が子供の成長に悪い影響を及ぼすことはよく知られています。

直接的な攻撃を受けなくとも目の前でDVが行われているのを目撃すると脳にダメージを受けるのです。

また両親が喧嘩ばかりしている家庭で育ったことで大人になった後の恋愛関係がうまくいかなくなることもあります。

あなたが彼氏に求めすぎたり、あるいは尽くしすぎたりしてしまうのはここにに原因があるのかもしれません。

両親の不仲が子供の将来の恋愛にどんな影響を与えるのか説明します。

両親の喧嘩を見て育った人が結びがちな恋愛関係

ライヒマン大学のラミ・トルメッチ博士らが18歳から32歳までの280人を対象に、子供時代の両親の不仲に対する認知と恋愛スタイルの関係について調査しました。

その中で喧嘩ばかりしている両親を見て育った人は成人後の恋愛において次のような悪影響が出ていることが分かりました。

求めすぎる・心配すぎる(歪んだ権利意識)

恋愛において適度な権利や義務は必要なものです。浮気しないことを求めたり、相手の悩みを聞いてあげることは健全な関係構築に有効です。

しかし喧嘩ばかりしている両親を見て育った人はこれらの意識が過剰になる傾向があります。

自分が何も言わなくても恋人は理解してくれるだろうという期待を持ったり、反対に自分は恋人と付き合う価値のある人間だろうか?という心配をしがちになります。

つまり相手に対して求めすぎたり、心配しすぎたりしてしまうのです。この両方の特徴が出ることもあります。

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尽くしすぎる(病的な心遣い)

喧嘩ばかりしている両親を見て育った人は恋人に尽くしすぎることもあります。

その程度は病的なほどで自分のことを犠牲にしてでも相手のために世話を焼いたりするのです。

そのせいで仕事や勉強に支障を来すこともあります。

これは恋愛依存症の人にもよく見られる特徴です。

恋人を信じられない(低い信頼性)

恋人に対して心から信頼ができないという特徴もあります。

自分はすぐに嫌われるだろうというマイナス思考を持っているともいえます。

そのため本当の自分を曝け出すことが出来なかったり、意見を言うことを躊躇します。

また恋人の本音を知ることを恐れるという特徴もあります。

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親の不仲による愛着の不安定さが原因となる

なぜ喧嘩ばかりしている親を見て育つと恋愛に悪影響が出るのでしょうか?

実は今回の研究では恋愛スタイルだけではなくアタッチメントスタイル(愛着の型)も調べていました。

その結果を分析すると不安定な愛着が両親の不仲と不適切な恋愛関係を媒介していることが分かりました。

つまり親の不仲を認知していることが原因なのではなく、それによって愛着が不安定になることが原因ということです。

不安定な愛着には不安型回避型がありますが、そのどちらであっても影響を受けることが分かりました。

父親と母親からは愛されていたけれど…

病的なほどに恋愛にのめり込んでいる人のカウンセリングをしていても「父親と母親からは愛されていたので家庭環境は関係ないと思う」という人は意外と多いです。

しかしよくよく聞いてみると親同士は不仲だったということも少なくありません。

配偶者と仲が悪く揉めていると子供に向き合う余裕が失われます。

また両親が喧嘩をしているのを見た子供は自分の責任ではないかと感じてしまうこともあります。

こういった家庭環境で育つと安定した愛着は形成されず、自己肯定感も育ちにくいものです。

すると大人になった後に他者との関係をうまく結べなくなってしまうのです。

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自分たちもやがて両親のように仲が悪くなる?

もちろん不健全な恋愛関係の全てを愛着の問題で片づけることはできません。

しかし気づかないうちに「自分たちもやがて両親のように仲が悪くなるに違いない」という思い込みを持ってしまっていないでしょうか?

その不安が病的な恋愛スタイルにつながっているのかもしれません。

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参考文献:Rami Tolmacz, Rachel Bachner-Melman, et al. (2022). Interparental conflict and relational attitudes within romantic relationships: The mediating role of attachment orientations.