性格がうつるということを説明します。
性格の良い友達と一緒にいるとあなたの性格は良くなりますし、性格の悪い友達と一緒にいるとあなたの性格も悪くなるのです。
最後通牒ゲーム
今回はイリノイ大学の実験を紹介します。
最後通牒ゲームというのを知っていますか?
心理学や行動経済学ではよくつかわれる実験用のゲームです。
簡単に説明すると実験参加者を2人1組にしてお金を渡して「2人で分けてください」というゲームです。
配分に双方が納得しないと双方ともお金を貰えない
しかし少し特殊なルールがあります。
それは双方が配分割合に納得しなければお金を貰えないというものです。
仮にこの2人1組をAさん、Bさんとします。
実験の主催者はAさんにだけ10ドルを渡します。(10ドルでなくても良いんですけど…)
Aさんはこの10ドルをどういう割合で分けるかを決めます。
均等に5ドルずつでも良いですし、自分を6ドルにしてBさんを4ドルにしても良いのです。
しかしAさんはこの分け前を絶対に貰えるわけではありません。
この分け方の割合に対してBさんが「それでOKです」と言ってくれないと、2人ともお金がもらえないのです。
損をしてでも相手に仕返ししてやるという欲求が分かる
たとえばAさんが「自分は9ドルで、Bさんは1ドルです」といったら、Bさんからしたらかなり不公平です。
そこでBさんは「嫌です」といって、自分がもらえる予定の1ドルを捨ててでも、Aさんに9ドルを取らせないようにすることもできます。
Bさんの立場からするとたとえ自分の取り分が1ドルであったとしても、お金が貰えるのですからOKしたほうが得です。
しかし9:1や8:2の割合を提案されると「嫌です」という可能性が高いことか様々な実験で分かっています。
要するに人間というのは、自分が損をしてでも仕返しをしてやりたいという欲求を持っているという証明にもなるゲームです。
自分の行動だけではなく他人の行動からも学習してしまう
今回のイリノイ大学の実験でもこの最後通牒ゲームをやりました。
パソコンのモニター越しにやり取りをしてもらいAさんもBさんも対面しない状態でゲームをやってもらいました。
しかも片方のプレイヤーは実験の主催者側がコントロールしています。
もちろん実験の参加者にはそれを言いません。なので実験参加者は相手方が自分と同じように実験に参加している一般人だと思っています。
このゲームを立場を変えて複数回やってもらいます。最初に分ける比率を決める側をやったら、今度は分けてもらう側の立場をやるという形です。
このような形でやってもらったところ、参加者は分け方の比率を決めてそれが受け入れられなかったら、次回はもう少し公平な配分にしようとしました。
つまり、自分の過去の行動から学習したということです。
それだけではなく自分が分けてもらう側の立場のときに不公平な分け方を提案されると、それも学習して次回自分が分け方の比率を決めるときに不公平な提案をしました。
つまり、他人の行動からも学習したということです。
脳の反応:性格がうつる
また、この実験をやっているときの脳波の測定をしたところ自分の経験からのフィードバックによる行動変化と、他人の行動を見たときの同調による行動変化の指標となる反応がほとんど同じだったのです。
つまり自分の経験によって行動や考え方が変わるのと同じように、一緒にいる人の態度によっても行動や考え方が変わるということです。
つまり性格の良さも悪さもうつるということです。
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性格の悪さがうつってしまう
世の中の人間のおよそ半分はギブ・アンド・テイクで生きています。何かしてもらったらお返ししようと思う人です。
残りの半分はさらに半分に分けられて、片方はギブ・アンド・ギブの人です。与えることが多い人です。
そして、残り半分がテイク・アンド・テイクの人です。要するにズルい人です。与えてもらうのが当たり前と思っている人です。
こういう人と一緒にいると、自分にもその性格の悪さがうつってしまいますから注意しましょう。
脳ミソを大切にね
幸せになりたかったら良い人と出会うことが大切です。
しかしそれ以上に悪い人間との関係を切ること、そういう人間を近づけないことが大切です。
性格の悪さ、頭の悪さ、成功しない思考回路は一緒にいるとうつるということが科学的に証明されています。
さらにいうなら匿名のネットの批判からも性格や頭の悪さがうつるのです。
自分の脳ミソを大切に扱いましょう。