好きな人を忘れるのは難しいことです。
ZARDの歌ではありませんが「忘れようとすればする程好きになる」からです。
このことはダニエル・ウェグナーの「シロクマのことを考えるな」と言われると余計に考えてしまうという心理学実験でも証明されています。
(このような脳の働きを皮肉過程理論と言います)
好きな人を忘れるには時間が経過するのを待つというのが最も確実で効果的な方法かもしれません。
しかしそれを少しでも早める方法はあるのです。
空想の記憶喪失効果
あなたは「空想の記憶喪失効果」という言葉をご存知でしょうか?
きっと知らないと思います。
さっき私が勝手に翻訳した言葉ですから。グーグルで完全一致検索をしても出て来ませんでした。
記憶について外国のウェブサイトをネットサーフィンをしていたら出てきたのです。
どういう意味かというと「時間や場所が離れた事柄を空想するほどにいま目の前にあることを思い出し難くなる」ということです。
よく好きな人を忘れるための方法として「他のことを考えろ」と言われることがあります。
しかし「他のこと」というのは何でも良いわけではなくその内容も大事ということです。
本当に忘れやすくなったという実験結果
アメリカ・ノースカロライナ大学の心理学者ピーター・F・デラニーらの研究チームは空想が記憶に与える影響を実験で調べました。
まず被験者にモニターに映し出された単語を記憶させます。
その後に数時間前までいた家のことを考えてもらいます。(たいていは自宅です)
また別のグループには数週間行っていない実家について考えてもらいます。
その後で2つ目の単語のリストが表示されました。
最後に1つ目と2つ目のリストからできるだけ多くの単語を思い出してもらいました。
その結果、数時間前にいた家のことを考えるよう言われた被験者のほうが1つ目のリストにある単語をよく覚えていたのです。
数週間行っていない実家のことを考えるよう言われた被験者のほうが忘れている度合いが高かったのです。
これと同じことが場所に関する記憶にもあてはまります。
同様の実験で国内での休暇について考えた人は海外での休暇について考えた人よりも単語をよく思い出したのです。
海外旅行のことや未来の楽しいことを考える
空想の記憶喪失効果について理解してもらえたと思います。
好きな人を忘れるためには時間的にも距離的にも離れている事柄について考えれば良いのです。
近い事柄だと好きな人に関連した記憶のフックと呼ばれる情報が多く出てしまうため忘れ難くなります。
昔の海外旅行のことや未来の楽しい予定について考えると効果的かもしれません。
最悪なのは占いに依存したり、しょうもない情報商材に手を出してしまうことです。
それらの行動が失恋の傷を癒す可能性はほとんどないでしょう。
好きな人を忘れられないのは自然なことと考えたうえで少しでも早めるテクニックを有効に使うべきなのです。