ギャンブルやアルコールに依存するダメな夫とそれをかいがいしく世話する妻というのが共依存夫婦のよくあるパターンです。
一人で生きられない夫と必要とされることを必要とする妻という組み合わせです。
これは一部のみのレアケースではありません。一見まともに見える夫婦も共依存に陥る可能性を秘めています。
「たまには飲んだら?」は危険なサイン
アルコール依存症の人のそばには飲酒を可能にしてしまう協力者がいると言われています。この協力者になってしまう可能性は誰もが持っています。
共働きの夫婦がいました。
お互いに給料は高くないですが二人で生活するにはそれほど困りませんでした。
しかしある日、夫がこのままではいけないと考えもっと良い会社に転職するために資格の勉強を始めました。
それに伴い毎晩飲んでいたビールをやめることにしました。そして妻にも買ってこないようにとお願いしました。
毎晩真面目に勉強をしました。
それからしばらく経った週末の夜に妻はビールを買ってきて夫に「いつも頑張っているのだからたまには飲んだら?明日は休みだし」と言いました。
夫は一瞬躊躇しましたが「1日ぐらいならいいか」と思い飲んでしまいました。その日は当然勉強できませんでした。
やがて妻のビールを買ってくる頻度は高くなりました。週に1回だったのが3日に1回になり最終的には毎日になりました。
当然夫は資格を取ることはできませんでした。
共依存夫婦になる心理は意識できない
この話は作り話ではなくよくあることです。
夫が飲まなければ済む話と思うでしょう。
しかしほとんどの人は買ってこなければ我慢できますが冷蔵庫にあったら飲まずにはいられないものなのです。
誰もが転落する危険を持っているのです。
人間の脳は楽な方へ行きたい性質を持っているからです。
誰でも共依存でいう世話される側になる可能性はあります。
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妻は自分の存在価値がなくなった気になる
では妻はなぜ買ってきてしまうのでしょうか?
それは今まで夫が喜んでくれていたからです。
些細なことのように思えるかもしれませんがそれによって自分が必要とされているという実感を無意識に持っていたのです。
それがなくなってしまったことで自分の存在価値がなくなったような気がしてしまうのです。
このタイプの妻は買い物するスーパーを選ぶ基準がビールが高いか安いかになっていたりします。
他の食材を合わせたトータルでは高いかもしれないのにそこには気づけなくなっているのです。
幸せになる可能性よりも不幸になる可能性を重視
また夫のキャリアアップを恐れているということもあります。
今の二人のレベルは同じだと考えていた場合に夫のレベルが上がってしまうと自分を馬鹿にするのではないかという心配が生まれます。
また新たなステージに行くことにより他の女性と出会って自分のことを見捨ててしまうのではないかという不安も出てきます。
夫が頑張ることで夫婦ともに幸せになれる可能性は高くなります。
しかし変化することで不幸なことも起こるかもしれないという小さな可能性のほうを重視してしまうのです。
誰にでも共依存になる可能性はある
厄介なのは妻がこれらの自分の心理を意識できないことです。
これらは全て無意識の不安なのです。
しかし行動には現れます。それがお酒を買ってきて今のところに留まらせようとするということです。
自分の価値を他人からの評価に求めてしまっている場合は誰にでも共依存になる可能性はあるのです。