共依存についてわかりやすく解説します。
共依存とは一言で言うなら「相手から求められることを求めている状態」です。人間関係に対する嗜癖です。
自己評価が低いため他人から頼られることによって自分の存在価値を見出そうとしているのです。
自分を優先することに罪悪感を覚えてしまうこともあります。
⇒自己検証理論:自己評価が低い人は自分を否定する人を好きになる
共依存は夫婦、恋人、親子などあらゆる関係で起こる
例えば暴力やアルコールを止められない夫とそれを世話する妻という夫婦関係は共依存です。
夫が一方的に妻を必要としているように見えますが、妻も夫という世話の焼ける存在がいることで無意識の充実感を得ているのです。
同様に自立しない子供といつまでも面倒を見続ける親という親子関係も共依存です。
反対に成人した子供と毒親という形の共依存もあります。
共依存に陥りやすい人は毎回、問題を抱えたタイプを引き寄せてしまうことが多いです。
共依存の特徴
共依存にはいくつかの特徴がありますが根底にあるのは自己評価の低さや罪悪感です。
これを解消するために他人を利用せざるを得ない状態になってしまっているのです。
他人を優先して自分を犠牲にする
共依存の人は自分のことは後回しにして他人の世話をすることを優先します。
最初は断ることが出来ずに面倒事を引き受けただけのはずがやがてのめり込んでしまうのです。
行動だけではなく思考においても他人のことが占める割合が多くなります。
表面的には見返りを期待していないように見えますが潜在意識では「感謝」という報酬を期待しています。
存在価値やアイデンティティの欠如を埋めようとしているともいえます。
コントロールしたがる
困っている人を見ると「助ける」という形でコントロールしようとするのも共依存の特徴です。
自分の中で「あなたのためにはこうするべき」という信念が出来上がりそれを相手に強制したがります。
相手のために思いついたことをすぐに行動に移したくなり大人しくしていられないのです。
そして相手が自分に従わなかったり感謝がないと恨みへと変わり感情が爆発してしまうこともあります。
失敗をいつまでも認めない
共依存に陥っている人は自分なら相手を救うことが出来ると思っています。
そのため相手がどんなにダメな行動を取っても諦めることができません。
大きなトラブルが起こって自分が被害を受けてもそれを過少評価します。
自分に嘘をつこうとしているとも言えます。酷い出来事を記憶から消そうとすることもあります。
他人との境界が曖昧
心の境界が曖昧なため相手の問題を自分の問題と考えてしまうことがあります。自分に原因がなくても罪悪感を覚えることもあります。
感情の影響を受けやすく相手が落ち込んでいると自分まで落ち込んでしまうこともあります。
相手の回復を恐れる
何かに依存していたり、自分のことがちゃんと出来ない相手がサポートによって回復し始めると不安を感じることがあります。
世話をしてあげることが無くなるということは必要とされなくなるということだからです。
そして自分が用無しになって捨てられるという不安が大きくなるのです。
時には相手の回復を妨げるような行動を取ってしまうこともあります。
自分を失っている
他人の要望を敏感に察知することに神経を使っているため自分の感情が分からないというのも共依存になる人の特徴です。
仮に本心に気がついたとしても相手の反発や拒絶を恐れて主張することができません。
こういったことを繰り返すことでありのままの自分を受け入れることが出来なかったり、自分を大切にすることが出来なくなってしまうことがあります。
パートナーは原因というよりきっかけ
問題を抱えたパートナーが共依存の原因となることは少ないです。
元からそういった気質を持っている人がそれを発現させるような相手と出会うから共依存になるのです。
むしろそういった気質が問題のある相手を選んでいるとも考えられます。
問題を抱えた相手は原因というよりも「きっかけ」なのです。
共依存の原因の多くは子供時代にある
共依存に陥るのは子供時代に身につけた生き抜くための戦略の影響と言えます。
問題のある家庭(機能不全家族)で育ち自分の欲求を優先してはいけないという価値観が植えつけられてしまった人は他人を優先することに違和感を覚えなくなります。
いわゆるアダルトチルドレンの人は共依存に陥る可能性が高くなるのです。
他にも無意識に身につけてしまった誤った思考が人間関係への嗜癖を生み出し好ましくない相手から逃れられなくするのです。
誰でも恋人との間に情が沸いて別れられなくなるということはあります。
しかし生活に支障を来たすほどに相手との関係にのめり込んでいる場合は自分自身に根本的な原因があるのです。
それを克服しない限りはまた同じような相手と同じような関係を繰り返してしまいます。
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