アダルトチルドレンの中には毒親を許せないと悩む人がいますが問題ありません。
自分を苦しめた人を許すことの素晴らしさを強調する人たちがいますがこのような「一見素晴らしそうに聞こえるけれど抽象的で薄い事」を言う人は大した人生経験を積んでいないことが多いです。
内容の浅い自己啓発本の受け売りなので気にする必要はありません。
「許さないといけないから毒親を許す」では意味がない
あなたがアダルトチルドレンになった責任は毒親にあります。その毒親を許すことで自分が開放され克服につながるというカウンセラーもいます。
しかしそれが必ずうまくいくとは限りません。そんな簡単にできれば最初からアダルトチルドレンとして苦しんではいないはずです。
アダルトチルドレンは人にとても気を使います。それはカウンセラーに対してもです。
なので回復した気がしていなくてもなかなか言い出せない人がたくさんいます。
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実感がなくても「親を許すことはできましたか」と聞かれると「はい」と答えてしまうこともあります。
無理やり自分の心を抑えつけて毒親を許したことにしようとする人もいます。そうしないとアダルトチルドレンから回復できないと思っているからです。
しかしこれは「毒親を許さなければいけないから許すことにした」だけなのです。自分を脅迫しているようなものです。
この状態でアダルトチルドレンを克服できたと思って放置しておくと後で反動がきます。心の底にわだかまりが残ったままですから再び怒りの感情が沸き上がってくるのです。
そしていつまでも怒り続けている自分は心が狭いのかと自己嫌悪に陥り余計に苦しむことになります。
謝罪も反省もない相手を許すほうが不自然である
「毒親を許すな」と言っているわけではありません。
自分の中から自然にそういった気持ちが湧いてくるならそれが一番理想的なパターンです。(この場合は「気にならなくなる」という心理になるほうが多いです)
しかし義務として毒親を許す必要は全くありません。
そもそもの前提として毒親の反省と謝罪が必要だと思います。しかしアダルトチルドレンの親は自分が悪かったと認めることは少ないです。
「あなたの為だった」などと言うのです。時には「あなたの記憶違い」とシラを切ることもあります。
このような毒親と対峙すると余計に怒りや失望が生じる可能性があります。
(関連記事:毒親と絶縁するとすっきりするが注意も必要)
確かにアダルトチルドレンの親本人も過酷な家庭環境で育っている可能性は高いです。そういった意味では可哀想な部分もあるかもしれません。
それを知ることで自分がアダルトチルドレンとなった原因を淡々と受け入れる助けにはなりますから相手の立場を知ることは必要なこともあります。
しかし親の育った環境は免罪符とはなりません。親の立場を知っても慮る必要はありません。
誰かにお金を盗まれたときに「犯人も生活に困っていたのだから仕方ない」と思う必要がないのと同じです。
毒親を許しても許さなくてもアダルトチルドレンを克服することは出来ます。
克服すると許す許さない以前に気にならなくなるのです。
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毒親への感情で苦しむ必要はありません。
「ムカつく」と思っているのならその感情を認めてあげたほうが良いです。無理に捨て去る必要もありません。
子供時代に出せなかった感情がようやく出せるようになっているのです。回復のための大切なステップなのです。
綺麗事に惑わされてはいけません。不幸な人生の末路となった親に「毒親ざまぁ」と思っても問題ないのです。