毒親育ちの中には「友達が1人もいないんです」と言う人もいます。
このような場合、幼少期の体験に大きな影響を受けている可能性が高いです。
それを大人になった後の人間関係にも引きずっているのです。
子供時代に身に着けた間違ったコミュニケーションの型を大人になった後も使っているということです。
積極的になれないと友達ができない
幼稚園では生まれつきカリスマ性のある子を除いては積極的な子の方が友達ができやすいです。
つまり自分から「遊ぼう」「混ぜて」と言える子です。
小さな子供の場合「あの子が1人ぼっちでかわいそうだから混ぜてあげよう」と配慮できる子は少ないです。目の前の楽しいことに夢中なのです。
ですから自分の希望を表明するのが苦手な子は孤独になりやすいのです。友達から話しかけられた時に反応が薄い子も同様です。
幼少期に友達ができない理由は積極的になれないことなのです。
毒親は積極性を奪う
積極的になれない原因は生まれ持った気質もありますが、毒親が原因となることも多いです。
素直に意思表示することで毒親から怒鳴られたり殴られたりすると、自分の欲求を積極的に表明することは悪いことだという認識を持ってしまうのです。
すると幼稚園や保育園においても自分の希望を出せなくなります。すると友達も作れなくなるのです。
理想を押し付け自然に生まれてくる感情にまで口出ししてしまう親がいる場合も遠慮するようになります。
出しゃばる毒親も子供の自立を阻害する
ときどき毒親が子供の友達に対してやたらと話しかけているシーンに出くわすことがあります。
「うちの子と仲良くしてあげてね、〇〇して遊んだら?」と子供の交友関係に出しゃばってきます。
毒親は外ヅラは良かったりしますから一見すると悪いことのように見えないかもしれません。
しかし、このように親が交友関係に干渉することで友達が出来難くなることもあります。
毒親が出しゃばりすぎることによって子供の自立を妨げてしまうのです。
すると子供は一人で友達の輪に入っていく方法が分からなくなってしまいます。
幼少期に作られた型を使い続けるから友達がいない
幼少期に作られた他者とのコミュニケーションの型をそのまま使い続けてしまうと、小学校、中学校とどんどん上がっていっても友達の作り方が分からないままになります。
仮に友達と呼べる相手が出来ても心のどこかで「本当に友達と思ってくれているのだろうか?」と不安を持ち続けることもあります。
そして「自分は友達ができないタイプの人間」と勘違いしたまま大人になってしまうのです。
これが毒親育ちの人に友達がいない理由です。
昔の友達と続いている確率は1%もない
ただし、いま友達がいないからといって毒親育ちの苦しみから解放されないということはありません。
確かに安全基地となるような相手がいたほうが有利なのは事実です。
しかし友達というのは無理に作ろうと思ってつくるものではありません。そういうスタンスでいると自分を利用しようとする人間ばかり寄ってきます。
今は友達がいないとしてもそれは毒親育ちのせいなのだと考えて、無理に友達を作る必要はありません。
「学生時代からの友達が一人もいないんです」と気にしている人もいますが、毒親育ちでなくとも小中学時代の友達とは切れている人は多いのです。
フロリダ・アトランティク大学のエイミー・ハートル博士らの研究によれば、中学1年のときの友達と大人になった後も続いている確率は1%もないことが分かっています。
そもそも大人になったら親友とも会うのは年に数回という人がほとんどです。そしてそのことを気にする人もいません。
あなたがいま友達がいないことを気にすること自体が毒親育ちの悪影響なのかもしれません。
参考文献:Amy C. Hartl, et al. (2015). A Survival Analysis of Adolescent Friendships: The Downside of Dissimilarity.