自分に自信がない彼氏にどんな言葉をかければ良いでしょうか?
それは「今日はどうだった?」です。
褒めたり、無理に自信を持たせようとすると逆効果となる可能性があります。
肯定的な言葉をかけても自信のない彼氏は否定する
自信のない彼氏に対して、良い面を伝えたり、称賛することが効果的と考えているかもしれません。
そして、「あなたのおかげでとても幸せ」とか「仕事を頑張っているのがすごい」とか色々と言うでしょう。
しかし、このような肯定的な言葉をかけても自信のない彼氏はそれを否定するのです。
それどころか余計に落ち込んで自信を失うことさえあります。
褒められるとセルフイメージとの衝突が起こる
自信のない彼氏は自己に対するマイナスの評価を持っています。
そのため、褒められたりすると、セルフイメージとの衝突が起こり混乱するのです。
また、彼女から褒められると「そういう自分でいなければならない」とプレッシャーに感じることもあります。
時には「自分のことなど何も分かっていないくせに」と反発の気持ちが芽生えることもあります。
これらの心理状態となる根底には不安があります。
この不安には愛着障害に関するもの、仕事のストレスなどで一時的に感じているもの、元からの性格によるものなど様々なパターンがあります。
これらの多くに共通することは、不安による自信のなさが、彼女との関係に対する信頼性の低さにもつながりやすいということです。
その日の出来事を聞かれると幸福感が増す
不安による自信のなさを抱えた彼氏にどんな言葉をかければ良いのでしょうか?
それは「今日はどうだった?」です。
ウォータールー大学のカサンドラ・コルテス博士らの研究があります。
この研究では、恋人からその日の出来事について聞かれる頻度と、感情について調べました。
その結果、心の安全性が低く、恋人との関係に不安を抱えている人ほど、その日の出来事について聞かれることが、幸福感や満足感につながりやすいことが分かりました。
「どうだった?」と聞かれると気遣われていると感じる
さらにこの研究ではカップルを集めた実験も行っています。
まずカップルを別々の部屋に通し、クロスワードパズルなどを解かせます。
その後で、一方から相手に対してメッセージを送らせます。
とはいえ、このメッセージはスタッフが内容を準備したもので、「タスクはどうだった?楽しかった?」という一文が掲載されるパターンと掲載されないパターンの2つがありました。
どちらのメッセージを受け取るかはランダムに決められました。
その結果どうなったかというと、「タスクはどうだった?楽しかった?」という一文が掲載されメッセージを受け取った人はパートナーから気遣われていると感じやすいことが分かったのです。
ただし、これは心の安全性が低い人にのみ当てはまりました。
心の安全性が高い人はメッセージがあろうとなかろうと、気遣われていると感じる程度に差は出なかったのです。
「今日はどうだった?」が思いやりのシグナルになる
なぜ不安で自信のない人には「今日はどうだった?」という言葉が有効なのでしょうか?
それはその言葉が思いやりのシグナルとして働くからです。
例えば自信のない彼氏に「元気なさそうだね、大丈夫だよ、あなたはできる人だから」と言ったとしましょう。
このとき、彼氏が「何も分かっていないくせに」と思ってしまう可能性は高いです。表面的な言葉として受け取ってしまうのです。
そう思われないようにするには、その前段階を知ろうとする態度が必要です。
なぜ元気がないのか?といった原因を知ろうとする態度を見せることで、本当に気遣ってくれていると感じるのです。
そのために有効な言葉が「今日はどうだった?」なのです。
気遣うために興味を持ってくれていると感じ、大切にされているという感覚につながるのです。
それによって不安が消えることで、肯定的なフィードバックも素直に受け入れられるようになり、自信を持てるようになるということです。
もちろん「今日はどうだった?」という言葉をそのまま使う必要はありません。二人の関係性において自然なフレーズでその日の出来事を聞いてあげれば良いのです。
⇒自分を認められないのはインポスター症候群(詐欺師症候群)だから
参考文献:Kassandra Cortes, Joanne V. Wood, How was your day? Conveying care, but under the radar, for people lower in trust, Journal of Experimental Social Psychology, Volume 83, 2019,Pages 11-22.