「フーバリング」という言葉をご存じでしょうか?
これはアメリカ国内で使われる言葉で「掃除機をかける」という意味です。
hooverという老舗掃除機メーカーがあるのでそれを動詞っぽくしてhooveringです。検索することを「ググる」というのと同じです。
このフーバリングですがもうひとつの意味があります。それは「ナルシストで利己的な元彼が別れた後に再び悪循環に引き込む」という意味です。自分のエネルギーを掃除機のように吸い取られてしまうという意味でもあります。
日本の恋愛の場では使われることのない言葉ではありますがよくあるパターンです。多くの恋愛依存症者が経験していることでもあります。
フーバリングはナルシストで自己中心的な彼氏と別れた後に再び悪循環に戻ってしまうまでの一連の流れを表わす表現として非常に的確な言葉です。
ナルシストな元カレからの連絡パターン
フーバリングの最初のステップは元カレからの連絡(接触)です。
ナルシストな元カレが別れた彼女に再び近づいてくる手段はパターン化されています。
「復縁しよう」と言ってくることは稀で恋愛とは無関係な用事を装って連絡してくることが多いです。
昔行った店の名前が思い出せないから教えてくれとか自分の荷物がまだ置いてないかといった事務的な用事があるように装うことが多いです。元恋人が頻繁に出かける場所に偶然を装ってやってくることもあります。
最近ではSNSを使ってアピールするナルシストタイプも増えています。
過去に恋人からもらったプレゼントをアップしてみたり恋人が好きなものについてつぶやいたりします。
また間違ったフリをして電話をしてきたりメッセージを送ってくることもあります。明らかに相手が出ないであろう時間に着信を残すということもあります。
インターネットサービスの多様化により驚くほど細かいアピールを繰り返すことで元恋人に意識させようとするナルシストタイプが増えています。
フーバリングはなぜ起こるのか?
別れた元カレから連絡がくると「まだ自分のことが好きなのだろうか?」と思うかもしれません。元カレに未練があればうれしくなってしまうこともあるでしょう。
しかしナルシストタイプの元カレが連絡をしてくるのは好きな気持ちが残っているからではありません。
オークランド大学心理学部のジャスティン・K・モギルスキー博士が行った調査によるとナルシストタイプが別れた恋人と関係を継続させようとするのは搾取するためであることが多いということが分かっています。
恋愛依存症の人も頭ではそのことを分かっているのではないでしょうか。
ナルシストな元カレは崇拝されることを必要とします。元恋人が自分のことで傷つくというのはナルシストにとってのエネルギーとなります。それだけ自分の影響力が大きいのだという感覚を得ることができるからです。
ナルシストは自分が無価値であるという状態に耐えることは出来ませんから常に誰かから感情を向けられている必要があります。
そしてそれは自分が好きな相手である必要はないのです。自分のことで感情を大きく乱される相手であれば良いのです。
そういった意味では恋愛依存症の元恋人は最適な相手といえます。
フーバリングに巻き込まれないために
フーバリングは別れた直後に起こることもあれば数ヶ月して感情が落ち着きはじめたときに起こることもあります。ナルシストな元カレが連絡してくるタイミング次第ですから数年後ということもあります。
恋愛依存症の人は元カレから連絡がくると「彼は変わった」「今度はうまくいく」と勘違いしがちです。
なぜならナルシストは久しぶりの連絡をしたときにどう振舞えばそう思わせることが出来るのか心得ているからです。
ときには謝罪することもあるでしょう。本当に悪いなどとは思っていませんが……
このような態度に惑わされてはいけません。
元カレがあなたとの関係を復活させたいのは好きだからではなくエネルギーを吸い取りたいからです。
あなたが元カレのことがまだ好きだと思うのは感情が震えているのを恋愛感情と勘違いしているからです。心理学でいうと帰属のエラーが起きている状態です。
元カレから連絡が来たら「フーバリングが始まったぞ、ありきたりなパターンのつまらない男だ」と考えましょう。感情のエネルギーをナルシストの掃除機で吸い取られてはいけません。
フーバリングはナルシストによる虐待の手段なのです。