回避依存症者の恋愛および友人関係の特徴の一つに急に音信不通になるということがあります。
なぜ音信不通にするのか?そしてそのときにどんなことを考えているのか?ということは回避依存症者のタイプによって異なります。
不安や息苦しさを感じていることもあれば、恋人を利用するためにあえてそのような行動を取っている場合もあります。
束縛による息苦しさ
回避依存症の人は子供時代に親から束縛され自由を奪われていた人も少なくありません。
そのため恋人から「もっと会いたい」「マメに連絡して欲しい」という要望を言われることによって束縛されているような気持ちになることがあります。
先の予定を確認しただけでも自分のことを管理しようとしているのではないかと警戒してしまうこともあります。
恋人がこのような態度を取ることによって息苦しかった子供時代の記憶が甦り自分が喪失してしまうような感覚になり逃げ出したくなってしまうのです。
自分自身で原因となる出来事を認識している場合もありますがそうでない場合もあります。
つまり恋人といると理由も分からずに息苦しい気持ちが芽生えてしまい逃げ出したくなるのです。
一緒にいることによって将来大変なことが起こるのではないかという大きな不安を抱えてしまうのです。
拒絶されることへの恐怖が大きくなり過ぎた
回避依存症者は付き合い始めは恋人に対して「この人となら大丈夫だろう」「今回は上手く付き合っていけるだろう」と思っていることが多いです。
特に前回の恋愛が上手くいかなかった人はこのような心理にならなければ新たな恋愛を始めようとは思いません。
しかしこれらの期待がちょっとしたきっかけで不安に変わってしまうことがあります。きっかけがなくても周期的に不安な気持ちが芽生えてしまうタイプもいます。
回避依存症者はこのときに「本当の自分を知られたら嫌われてしまうのではないか?」という不安を覚えています。
潜在的に見捨てられ不安を持っていることも多いのです。
また自分自身の言動に対して後悔や羞恥心を覚えることによって急に音信不通にしてしまうことがあります。
たとえ恋人が何とも思っていない内容や忘れているようなことでも回避依存症者は重大な失態を犯してしまったと深刻に考えているのです。
「自分のことを最低な人間と思ったに違いない」という強い思い込みが生まれます。
そしてそのような気持ちを抱いている恋人と会うくらいなら音信不通にしてしまったほうが良いと考えてしまうのです。
拒絶されることへの恐怖が大きくなりすぎている状態と言えます。
コントロールの手段
先ほどまで説明したのは回避依存症者である本人が辛さや不安を覚えて音信普通にしてしまうケースです。これらは距離を置くタイプの回避依存症に多い傾向があります。
同じ回避依存症でも搾取するタイプや支配するタイプは恋人をコントロールするための手段として音信不通にすることがあります。
例えば恋人から搾取するタイプは自分の要求が通らなかったときに「言うことを聞かないなら去っていく」というポーズを取るために音信不通にします。
恋人からの連絡を何度か無視したあとに「そこまで言うなら話くらいは聞いてあげても良い」という状態に持ち込むのです。
このタイプの回避依存症者は音信不通にする期間は短いので恋人がずっと連絡をしなければ相手から何らかの理由をつけて連絡してきます。
もしくは早々に次のターゲットを探しにいきます。
主導権を握っているという安心感を得るため
音信不通にしても恋人が自分に連絡をし続けることで二人の関係をコントロールしているのは自分であるという安心感を得るために音信不通にする回避依存症者も存在します。
回避依存症者の多くは主導権を握られることを恐れています。相手のペースで関係が進むと自分の心が疲弊してしまうからです。感情が大きく揺さぶられることが苦手なのです。
なので常に主導権を握っているのは自分であるということを認識して安心していたいのです。
自分が不安を覚えたり二人の関係が悪くなったときに音信不通にすることで安心感を得ようとしているのです。
音信不通にしても自分を見捨てない人がいるということに安心感を覚えていることもあります。
音信不通になったときの対処法
回避依存症者と音信不通になった場合にどのように対処するのが良いのでしょうか?
一番良いのはそのまま関係を終わらせることです。なぜなら回避依存症者が戻ってくる確率は非常に低いからです。
仮に戻ってきたとしてもこれから先も同じことを繰り返す可能性が高いからです。(ただし単に回避傾向があるだけの彼氏の場合もあるので慎重にしましょう)
そしてその都度あなたの精神は疲弊していきます。
それでも相手と一生添い遂げたいと思っているのであれば覚悟を決めなければなりません。
たとえ何年かかっても自分が相手の回避依存症を克服させて見せるという覚悟が必要なのです。(※当然ですが恋人の助けだけでは回避依存症は克服できません)
回復までの過程においてあなたは何度も傷つき辛い思いをすることになりますが、それでもかまわないと思えないのであれば相手の回避依存症を悪化させるだけなので身を引いたほうが良いでしょう。
回避依存症者と付き合っている人の中には「私が何とか助ける。こんなにも好きになれる人はもう現れない」と思う人も少なくないのですがたいていは勘違いであるケースが多いです。
その人自身が共依存タイプの恋愛依存症なのです。そのため回避依存症者のように問題を抱えてる相手に惹かれやすい心理状態なのです。
恋愛依存症ではなかったとしても音信不通にする回避依存症者に惹かれやすい人というのは存在します。
距離を置かれたことで簡単には近づけない価値のある人と錯覚したり、相手が自分を隠しているだけにも関わらずミステリアスな人などと都合よく解釈してしまうのです。
このようなタイプは冷静に考えると勘違いであることが多く何年か経ったあとに無駄な時間を過ごしたと後悔することが少なくありません。
回避依存症者のことを本当に愛しているのか?それとも音信不通になったことで生まれた不安を恋愛感情と錯誤しているのかをしっかりと判断する必要があります。
【注意】
回避依存症ではなく単にキレやすく面倒なことが起こると逃げ出すタイプや浮気っぽいだけの人も急に音信不通となることがあります。それを回避依存症と勘違いしないように注意してください。