恋愛依存症の人から浮気をやめたいのに繰り返してしまうという相談を受けることがあります。
人間が浮気をするのは本能的な欲求と言われることもあります。
しかし恋愛依存症の場合は潜在意識にある見捨てられ不安に原因があることも多いです。
浮気は人間の本能?
人間が浮気をする理由について進化心理学的に見ると多くの子孫を残すためという考え方があります。
多くの人は興奮や快感を得られるからやめられないのだと思っていますが潜在意識レベルでは自分でも気づいていない「多くの優秀な子孫を残したい」という欲求があるということです。
それが快の刺激という形に変わって認識されると浮気をやめられなくなるのです。
だからといって恋愛依存症の人が「私が浮気をやめられないのは子孫を残したいという本能が強いから仕方ないんだ」と決め付けるのは危険です。
私のカウンセリングの経験から言うと過去のトラウマが原因となっている人も少なくはないからです。
浮気を繰り返す恋愛依存症者は少ない
ここからは恋愛依存症の浮気について説明したいと思います。
「恋愛依存症」という言葉の響きから常に複数の異性と同時進行で付き合う人というイメージを持つ人もいます。
しかし恋愛依存症で悩む人の多くはたった一人のパートナーに深く依存してしまう人の方が多いです。
なので彼氏や夫がいるのに浮気がやめられないという人や常にキープがいないと安心できないという人は恋愛依存症と考えられることは少ないです。
実際に私が今までに読んだ文献やネット上にある玉石混淆の情報でも浮気がやめられない人を恋愛依存症とするケースは少ないです。
「浮気ばかりするのは恋愛依存症です」などと言ってしまうと言葉のイメージから勘違いしている無知な人と思われる可能性の方が高いです。
恋愛依存症者の浮気の心理
しかしカウンセリングを受けにくる人の話を聞いていると浮気がやめられないタイプの恋愛依存症者もそれなりの割合で存在することが分かります。
恋愛依存症者が浮気をする理由はいくつか考えられますが最も多いのは「今のパートナーに捨てられたときに一人になるのが怖い」というものです。
この心理を自分でしっかりと認識できている人もいますが全く気づいていない人もいます。単に強い刺激が欲しいからだと思っている人もいます。
子供時代の見捨てられ体験が影響している
恋愛依存症者が一人のパートナーに依存してしまい捨てられることを恐れるのは子供時代の精神的な見捨てられ体験が強く影響していることが多いです。
子供時代に味わった辛い思いをもう一度するくらいなら酷いパートナーであったとしても一緒にいることを選ぶのです。
しかしこの辛い思いをしたくないという心理が一人への依存ではなく浮気という行動に繋がる恋愛依存症者もいます。
複数のパートナーをキープしておくことで捨てられても一人にならずに済むという安心感を得ようとしているのです。
最初は一人のパートナーに依存していたのかもしれません。しかしその相手と上手くいかなかったときにたまたま相談した友達と男女の仲になってしまいそれが妙な安心感に繋がると浮気がクセになってしまうのです。
恋愛依存症者の場合、複数の異性をキープしておけば辛い思いをしなくて済むという思考が出来上がると浮気がやめられなくなります。
潜在的な原因を見直す必要がある
複数の異性から求められことによって傷ついた自尊感情を満たそうとしている可能性も考えられます。
特に男性は女性とセックスできそうなシチュエーションでは好きではない相手にも優しくしますから一時的とはいえ自分の価値が高まったような気分を味わうことができます。
これはセックス依存症の女性にもときどき見られる心理です。
ここで説明した以外にも恋愛依存症者が浮気を繰り返す理由はいくつか考えられます。自傷行為としてセックスをすることもあるのです。
浮気をやめられないという人は潜在意識にある原因を探る必要があるかもしれません。