彼氏の言動を見ていると、彼女である自分に対してあまり興味を持っていないように見えるということはないでしょうか?
もちろん、付き合いが長くなるにつれて、マンネリしたり、あらかた知り尽くして、今さら何かを知りたいと思わなくなっているということもあります。
しかし、当初から彼氏があなたに興味を持っていないように見えるのなら、おそらく彼氏は「回避型」の愛着スタイルを持っているのです。
そして、ストレスが掛かるとこの傾向はさらに悪化します。
そして、そのことをあなたが異常に気にしていたり「自分はもっと知りたいのに」と思っているようなら、あなたは「不安型」の愛着スタイルを持っているのです。
さらに、このときにあなたがどのような態度を取るかが彼氏の反応にも影響しますから注意してください。場合によっては別れにつながることもあります。
回避型は他人に興味がないように見える
このサイトで何度も説明していますが、人間は他者とのコミュニケーションの「型」を持っています。これを愛着スタイルといいます。
見捨てられることを恐れて他者に依存する人は「不安型」の愛着スタイルを持っているといえます。
逆に親密になることを恐れて距離を置こうとする人は「回避型」の愛着スタイルを持っているといえます。
回避型の人が親密になることを恐れるのは自己防衛のためです。
距離が近づくということは自分のことを開示するということでもあります。それによって束縛されたり、攻撃されるのではないかということを恐れているのです。
二人が離れられないほど親密になった後に、本当の自分を知られたときに嫌われて捨てられるのではないかという不安を抱えていることもあります。
回避型の深層心理にも見捨てられる不安があるのです。
そしてそのようなことを予防するため、自分の情報を与えないのです。そして相手の情報も得たいと思わないのです。
それによって心理的な独立性を保とうとするのです。
特に、二人の親密度を高めてしまうような、感情的な情報に対しては興味を持たない傾向にあります。
実験
カップルを対象に行われた、テキサスA&M大学のスティーブン・ロールズ博士らの実験があります。
この実験ではカップルの双方に愛着スタイルや考え方などを測定するための、性格テストのようなものを受けさせました。
その後に、テスト結果がコンピューターで集計し終わったと伝えられました。
そして、テスト結果の中から、パートナーに関することで以下の情報をどれくらい知りたいと思うかを聞きました。
- パートナーの親密な考えや感情に関する情報
- パートナーの関係の将来についての計画や目標に関する情報
- パートナーの日常的な関心事(音楽、エンターテインメントなど)に関する情報
回避型はパートナーのセンシティブな情報に関心がない
その結果、回避型の愛着スタイルを持つ人は、パートナーの親密な考えや感情に関する結果に関心が低いことが分かりました。
それ以外のパートナーに関する情報に関しても知りたいと思う気持ちが弱いことも分かりました。
これに対して、不安型の愛着スタイルを持つ人は、パートナーの情報を知りたがる傾向が強いことが分かっています。
彼女に興味を持つことを重要と思っていない
実験からも、回避型が恋人の情報に対する興味が薄いことが分かりました。
そういった情報を知ることを重要とは考えていないことも分かっています。これは親密になることを避けるうちに、そのような思考が生まれてしまったものと思われます。
つまり、本音では知りたいけれど、それを知って精神的な独立性が失われるのは大変なので、恋人の情報は重要ではないのだ、という思考に変化したということです。
回避型の彼氏はストレスが掛かると逃げる
回避型の人は仕事や友人関係のような、恋人とは関係のない事柄でストレスが掛かったときでも、恋人への関心が低下することがあります。
何もなかったはずなのに急に音信不通になるのは、知らないところでストレスを受けてしまっているからということもあるのです。
音信普通にならないまでも、あなたに興味がなくなったように見えたり、距離ができたように見えることもあります。
こんな時、あなたとしては「彼氏が興味を持ってくれない」と不満に思うかもしれません。
その時に「もっと興味を持ってくれないと悲しい」といった内容を伝えてはいけません。あなたへの興味を余計に失います。
メッセージがどう影響するか?
実は今回の実験では、ストレスが掛かった状況で、パートナーからのメッセージがどう影響するか、ということも調べています。
ストレスを感じるような鉄製の扉がある部屋に入れて実験しているのです。
まず分かったこととして、回避型はストレスの掛かった状況では、恋人の情報に対する関心が低下します。
そして、パートナーからどんなメッセージを受け取るかによって、その傾向が変化します。
実験では参加者を2グループに分け、ストレスのかかる部屋に入る前に、パートナーから以下のどちらかのメッセージを受け取る条件に割り当てました。
- 「心配しなで。うまくやれるよ」というメッセージ
- 「その実験で恥をかかせないでね」というメッセージ
精神的な負担を軽減するために、親密な情報を避ける
その結果、「恥をかかせないでね」というメッセージを受け取った回避型の参加者は、親密さに関する情報への関心が低下することが分かりました。
代わりに自分自身に関するキャリアやその他の関係ない情報に焦点を当てることも分かりました。
これは親密さに関する情報を避け、関係のない情報に焦点を当てることで、精神的な負担を軽減しようとした心理の表れといえます。
自分に興味を持ってくれない彼氏に対し、「もっと興味を持ってくれないと悲しい」と言うのは、ストレス環境で「恥をかかせないでね」と言っているのと同じようなものです。相手を追い込んでいるのです。
こんなことを伝えてしまうと、余計にあなたに対する興味を失ってしまいますので気をつけましょう。
回避型はあなたが思っている以上にストレスに弱いということを忘れないでください。
参考文献:Rholes WS, Simpson JA, Tran S, Martin AM 3rd, Friedman M. (2007). Attachment and information seeking in romantic relationships.