恋愛依存症者は回避依存症者を好きになることが多いです。
回避依存症者とは他人との親密な関係を避けようとする人のことです。全ての人間関係において親密な関係を避けようとする人もいれば異性との恋愛においてのみ距離を置こうとする人もいます。
参考記事:回避依存症の愛情表現
回避依存症者は他人から支配されることと、他人との関係において感情が乱されることを恐れているのです。
なぜなら捨てられたときのショックが大きくなるからです。表面上は関係を避けていますがその根底には見捨てられることへの不安があると言えます。
しかし心の底から人間が嫌いなわけではないので自分がコントロール出来そうな相手には近づいてきます。
その相手となりやすいのが恋愛依存症者です。自分の支配下におけると判断できるからです。
回避依存症者の支配
回避依存症者が恋人を支配する手段は様々ですが最も多いのは「距離を置く」というものです。これは物理的なものと精神的なものの二つがあります。
付き合い始めはマメに連絡をくれたり愛情表現をしてくれることもあります。しかしやがて会ってくれなくなったり好意を示してくれなくなります。
仕事や友達との付き合いを言い訳にして会わなくなるパターンが多いでしょう。
一緒にいるときもずっとスマホに触っていたりテレビを見ていたりして構ってくれなくなります。
それでも恋愛依存症者が自分のことを好きでいてくれることによって支配できているという実感を得ているのです。回避依存症者にとってはこの状態が心地良いのです。
ほかにも暴力を振るったり浮気をしたりお金を要求するタイプもいます。自分が愛情を与えなかったり酷いことをしているのに相手は愛情を与えてくれる状態を作ろうとするのです。
なぜ好きになるのか?なぜ離れられないのか?
回避依存症者が恋人に取る態度は酷いものがあります。ほとんどの人はそんなことをされたらさっさと別れることでしょう。
しかし恋愛依存症者は中々離れることができません。なぜなら回避依存症者の愛情を自分に向けさせることが子供時代の自分を癒す唯一の方法だと思い込んでいるからです。
(関連記事:回避依存症の彼氏の別れた後の心理とは)
回避依存症者が恋愛依存症者に取っている態度というのは、恋愛依存症者が子供時代に親から取られていた態度と同じなのです。「愛情を与えない」という態度です。
回避依存症者に惹かれるタイプの恋愛依存症者は愛情を欲しています。しかし簡単に手に入る愛情ではダメなのです。
自分を放置している人間を振り向かせることで得られる愛情でなければダメなのです。
恋愛依存症者は回避依存症者の関心を自分に向けさせるための行動を通して記憶の中にいる愛してくれなかった親に働きかけているのです。
恋愛依存症者は回避依存症者と会ってすぐに好きになったり付き合う予感を感じる人が多いです。
それは愛してくれなかった親とどこかしら似た雰囲気を感じ取っているからです。それは見た目の雰囲気かもしれませんし表情やちょっとした仕草かもしれません。相手から発せられる世間に対しての無関心さなのかもしれません。
恋愛依存症者は回避依存症者を通して心の中にいる親に働きかけることで自分が癒されるという期待を無意識に持っているのです。
別れても同じことを繰り返す
回避依存症者は人から支配されることを恐れます。
なので最初は支配できるはずの相手と思って付き合った恋愛依存症者が二人の関係を仕切ろうとしたり過剰な愛を求めてくると逃げようとします。
逃げられると恋愛依存症者はさらに追いかけようとするのでどこかで限界が来ます。このとき回避依存症者は感情を爆発させたり暴力を振るうこともあれば急に音信不通になることもあります。
それによって恋人が自分の元を去った場合の反応は置かれている状況によって異なります。
しばらくして新しい相手が見つかっていればその相手と同じような恋愛パターンを繰り返します。
相手が見つからない場合は元の相手に戻ろうとします。回避依存症者は親密さには耐えられませんが孤独にも耐えられないのです。
二人がヨリを戻した場合、恋愛依存症者は前回の反省があるので今度は負担にならないようにと考えます。それを見た回避依存症者は相手が変わったと思います。今度こそ支配できると期待します。
しかし時間が経つにつれて恋愛依存症者は愛情の不足に耐えられなくなり再び回避依存症者に近づきすぎるのです。
こうしてまた最初から同じパターンが繰り返されお互いに苦しいままの状態から永遠に抜け出すことが出来なくなります。