空腹で集中できないHSPのための科学的な対処法

一般に満腹時よりも空腹時のほうが集中できるといわれています。

しかしHSPの中には空腹のため集中できないという人もいます。

なぜこのようなことが起こるのでしょうか?そしてどう対処すれば良いのでしょう?

なぜ空腹だと集中できないのか?

空腹になると血中のグルコース値が減少します。(血糖値が低い状態)

グルコースが減少するとイライラします。

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さらにその状態だとアドレナリンやコルチゾールといったストレスホルモンが分泌されます。

それにより交感神経が優位になり「戦うか?逃げるか?どっちもいけるよ」という脅威に対処しやすい状態になります。

つまり一般的には集中力が高まるのです。

しかしHSPは神経の高ぶりやすさを持っているので必要以上に緊張してしまうことがあります。

HSPはこれらのイライラや過剰な緊張をコントロールすることに苦労するため本来集中すべきことに集中できなくなるのです。

空腹によるグルコースの減少が集中力を低下させミスを増やしたりすることもあります。

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HSPは空腹時の集中力の低下にどう対処するか?

HSPが空腹時の集中力の低下に対処するには感情を認知すること、思い込みを捨てること、血糖値の急激な乱れ(グルコーススパイク)を起こさないことの3つの方法が有効です。

1.感情を認知する

ノースカロライナ大学が空腹状態の参加者にイライラするようなシチュエーションを与える実験を行いました。

このとき一部の参加者には事前に自分の感情に焦点を当てるための文章を書かせました。

すると自分の感情に焦点を当てなかった参加者がストレスや憎しみを感じ他人に対し批判的な印象を持ったのに対し、感情に焦点を当てた参加者はそれらのネガティブな感情を発生させなかったのです。

つまり空腹時でも自分がそれによってイライラし始めているぞというメタ認知を持つことで感情のバランスを取ることができるのです。

2.仕事や勉強は空腹のときのほうが集中できる

一般的には仕事や勉強は空腹のときに行うほうがパフォーマンスが上がるといわれています。

空腹時にはグレリンというペプチドホルモンが分泌されます。

スウォンジー大学の実験ではマウスの脳細胞にグレリンを投与したところ脳細胞の分裂と増殖に関連する遺伝子がオンになりました。

グレリンは人間の脳でも細胞の成長を促進するといわれています。それによって学習能力や記憶力が高まるのです。

空腹だから集中できないという思い込みを持っていないでしょうか?

もしそうなら空腹になったときに「今は集中できるチャンスなんだ」と捉え直しをしてみましょう。

3.血糖値の急激な乱れ(グルコーススパイク)を起こさない

食事によって血中のグルコース値(血糖値)が乱高下することをグルコーススパイクといいます。

例えば糖分の多い食事を取ると急激に血糖値が上昇します。するとインスリンが増えすぎて血糖値を急低下させます。

するとまた甘いものを食べてしまうということを繰り返してしまい集中力の低下やイライラが起こりやすくなるのです。

こういったことを起こさないようにするためにはバランスの良い食事を摂ることが大切です。

自分の食生活が糖分や脂質の多すぎるものばかりでないか見直してみましょう。

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参考文献
・Feeling Hangry? When Hunger Is Conceptualized as Emotion.
・Short-term calorie restriction enhances adult hippocampal neurogenesis and remote fear memory in a Ghsr-dependent manner.