人付き合いは苦手だけれど断ったり関係を切るのも苦手というのはHSPあるあるかもしれません。
大して仲良くない相手でも誘われると断ることができずに無理して食事や遊びに行ったりしてしまうのです。
相手にどう思われるか心配したり罪悪感を抱いてしまい断れません。
一人や仲の良い数人とだけいるほうが楽なのに広く浅くの人間関係を継続してしまっているHSPも多いです。
しかしこのような人間関係は一度リセットしたほうが良いです。
なぜならHSPに限らず広く浅くの人付き合いを継続しているとメンタルヘルスに悪影響を及ぼすからです。
狭く深い付き合いがあれば心は満たされる
広く浅くの人間関係を持っていてもそこから自分が癒しを得ることは出来ません。
悲しみに打ちひしがれているときに回復の手助けとはならないのです。それどころか心を病みます。
このことはアイルランドのダブリン大学が行った調査でも分かっています。
18歳から70歳までの約1800人に孤独とメンタルヘルスについてのアンケートを行ったものです。
「社会的孤独」と「感情的孤独」
この調査では特別に開発した質問票を使って孤独の種類を分類しています。
繋がりの数が少ない「社会的孤独」タイプと関係の深さがない「感情的孤独」タイプです。広く浅くの人間関係は後者に該当します。
回答者のタイプは以下の4パターンに分けられます。
- 孤独ではない
- 社会的孤独(狭く深い人間関係を持っている)
- 感情的孤独(広く浅い人間関係を持っている)
- 両方で孤独
これらのタイプとメンタルヘルスの関係についてですが、まず「孤独ではない」人が最も健康であるということは分かると思います。
つながりも多く、深い関係を持っている人もいるのですから当然です。
同様に「両方で孤独」な人が最も病みやすいということも分かると思います。
注目すべきは残りの2つです。
広く浅い人間関係は意味がない
「社会的孤独」な人のメンタルヘルスのスコアは「孤独ではない」人とそれほど変わらなかったのです。
つまり友達が少なくても深いつながりがあれば心は病み難いということです。
反対に「感情的孤独」な人は不安やメンタルヘルス上のリスクが高かったのです。
つまり広く浅い人間関係を持っていてもそれにより満たされる可能性は低いということです。
友達が少ないことを恥ずかしいというHSP
人間関係は量よりも質のほうが大切ということはよく言われます。
しかし本当にそれを理解している人は少ないように見えます。
HSPの相談に来る人でも友達が少ないことを悪いことや恥ずべきことだと勘違いしている人もいます。
SNS上の友達の多さを求めたり、友達と一緒に食事をしているときさえスマホから投稿するのに一生懸命になっている人もいます。
幸せかどうかよりも、周囲に幸せと思われているかどうかにこだわっているのです。
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自分の人生に自信を持てないと質より量を求める
過去に児童虐待で逮捕された母親が「自分が幸せでないと思われることが耐えられない」といったような発言をしていました。
本当に大切なことに気づくことができなかったので間違った行動へとつながったのかもしれません。
質よりも量を求めるのは自分の人生に自信を持てないからです。
だからといって広く浅くイイネを集めても心が満たされることはありません。
一時的な肯定感を得ることは出来たとしてもその効果はすぐに失われます。
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お葬式に何人来てくれるかな?と心配しながら死んでいくの?
広く浅い人間関係をどれだけ増やしても本当の自分を認めてくれるたった1人の大切な人とのつながりには勝てないのです。
それどころか何人もの人と浅い関係を結ぶことは精神的な負担が増えるのでHSPにとっては非常に危険です。
余計な気をつかいすぎて心が病んでしまうこともあります。
死ぬ直前にさえ「お葬式に何人来てくれるかな?」と心配するような人生を送るべきではありません。
参考文献:Philip Hyland, et al. (2019). Quality not quantity: loneliness subtypes, psychological trauma, and mental health in the US adult population.