ダメ男と別れた後も、寂しさや後悔の念に襲われ、すぐに復縁してしまうのも恋愛依存症によくある特徴です。
一緒にいても不幸になるだけと分かり一度は別れても、一人になると「自分の選択は正しかったのかな?」と不安になります。
そして自分から元カレに連絡したり、相手からの連絡に応じてしまうのです。そしてヨリを戻してまた不幸な関係を繰り返します。
どうすればこの負のループから抜け出すことが出来るのでしょうか?
なぜ元カレを引きずるのか?
恋愛依存症の人が別れた恋人のことをいつまでも引きずり、くっついたり離れたりを繰り返してしまうのはなぜでしょうか?
一つの原因は付き合っていたときに味わった高揚感です。それを失うことで生じる離脱症状が復縁しなければという気持ちにさせます。
しかし、別れと復縁のループを繰り返す原因はそれだけではありません。
恋愛依存症の人が意思決定の問題を抱えているということも大きな原因なのです。
「意思決定レジリエンス」が低いと別れと復縁を繰り返す
自分の価値観と自信を活用することで、プレッシャーの中で困難な決断を下し、それを守ることができる能力を「Decision Making Resilience」といいます。
日本語になっていない言葉なので「意思決定レジリエンス」と呼ぶことにしましょう。
レジリエンスは簡単にいうと「上手く適応できる能力」という意味です。
この意思決定レジリエンスが低い人は別れと復縁を繰り返しがちということが研究で分かっています。
恋愛依存症の人が別れの決断に自信を持てないのも、意思決定レジリエンスが低いからです。
意思決定レジリエンスの低さと共依存
カンザス州立大学のミシェル・ウォッシュバーン-バスク博士たちが、別れと復縁を繰り返す人たちの意思決定レジリエンスについて調べた研究があります。
それによると、アイデンティティ(自我同一性)の未発達、関係性におけるパワーバランスの不均衡、二人の関係への期待などが意思決定レジリエンスの低下につながり、別れと復縁を繰り返すことが分かりました。
これらは恋愛依存症の人が持つ特徴と重なります。
さらにこの調査に協力した複数の被験者が、別れと復縁を繰り返す理由を説明するときに「共依存」という単語を使っていたことも分かりました。
自分の意思決定の正しさに気づく方法
恋愛依存症に限らず、一緒にいても幸せになれない相手とくっついたり離れたりを繰り返してしまう人は意思決定レジリエンスを高める必要があります。
とはいえ高めようと思って簡単に高められるものではありません。
まずは自分の意思決定が間違っていないということに気づくことから始めましょう。
その方法は簡単です。
意思決定レジリエンスの高い人の判断を見れば良いのです。こういう人たちはダメ男と判明したら別れるという選択をします。
つまり、あなたが心の中でどんなことを思いながら別れたとしても、その判断自体は正しいということです。
偶然の再開は回避依存症の元カレが仕組んだ罠
今回、紹介した研究でもう一つ分かったことがあります。
それは別れた後に偶然に再開してしまうと、ヨリを戻してしまう可能性が高まるということです。
恋愛依存症の相手となりやすい回避依存症やサイコパスは別れた後に偶然を装って元恋人に会いにきたり、間違い電話のフリをして連絡することが多いことも他の研究で判明しています。
このようなヨリを戻すためのセコい手口を英語圏ではフーバリングと呼びます。
くれぐれもフーバリングの罠に引っかからないようにしましょう。
また元カレの家に忘れ物があると、それを返してもらうという口実をつけて自分から戻ろうとしてしまうこともあります。
別れると決めたら自分のモノはきちんと回収し、忘れてきてしまったモノは諦めましょう。それがあるといつまでも心のどこかに期待を持ってしまうのです。
参考文献:Michelle Washburn-Busk, Amber Vennum, Paige McAllister, and Paul Busk. NAVIGATING “BREAKUP REMORSE”: IMPLICATIONS FOR DISRUPTING THE ON-AGAIN/OFF-AGAIN CYCLES IN YOUNG ADULT DATING RELATIONSHIPS. Journal of Marital and Family Therapy, Volume46, Issue3, July 2020.