回避依存症の人は急に別れを切り出したり連絡を途絶えさせたりすることが多いです。
最後に話し合いたいと思ったらLINEからSNSまで全てブロックされてしまい途方に暮れて相談に来る方もいます。
そんなときによく聞かれるのが「回避依存症の人が戻ってくる確率はどれくらいでしょうか?」ということです。
ここで50%くらいという答えを得られれば期待を持てますし、ひとまず安心しますから具体的な数字を知りたくなるのは仕方のないことです。
しかし残念ながら、相手が本物の回避依存症だとしたら戻ってくる可能性は非常に低いです。
回避依存症が戻ってくる確率は3%くらい
回避依存症という言葉自体が医学用語でもその他の学術的な専門用語でもありませんから、統計学的に正しい手順を踏んで得られたデータはどこにも存在しないと思います。
そのためあくまで私がカウンセリングをしている中で得ている感覚的な数字になってしまうのですが…。
恋人に別れを告げたり急に音信不通になった回避依存症が戻ってくる確率は3%くらいではないかと思います。
本当に感覚的なものなので明日同じ質問をされたら1%と答えているかもしれませんし、5%と答えているかもしれません。
しかし50%ということは絶対にありません。回避依存症が戻ってくる確率は数%と思ってください。
これは正式な恋人関係だった場合でも、付き合いそうな雰囲気の関係だった場合でも同じです。
なぜ回避依存症は戻ってくるのか?
そもそも回避依存症の人はパートナーの元を去った後になぜ戻ってくるのでしょうか?
その理由は人によって異なりますが大まかに2つのパターンに分類できます。
1.本当に好きだから
まず一つ目の理由としては恋人のことが本気で好きだからです。
回避依存症だからといって本気で人を好きにならないということはありません。ほとんど心を開かないだけです。
矛盾するような心理ですが回避依存症には珍しいことではありません。カウンセリングをしていれば分かります。
そしてどんなに好きな相手であっても息苦しさや個人的な事情によって逃げ出してしまうことはあります。
しかしその後に落ち着いたとき本気で好きな相手に会いたいという気持ちが芽生えれば戻ってくることはあります。
恋人からしたら一番うれしい形かもしれませんが、このパターンは少ないです。
2.利用したいから
二つ目の理由は利用したいからです。私の感覚ですがこちらのパターンのほうが多いです。
回避依存症は心の距離を置きたがるものですが、その置き方は逃走するだけではありません。
暴力やモラハラ、金銭の要求といった行為によって心の距離を置くという方法もあります。一緒にいるときにこのような搾取をされていた場合には戻ってくるとしたらこちらの可能性が高いです。
こちらのパターンでは新しいターゲットを見つけられなければ割と早い段階で戻ってきます。
またコントロールの手段として去るのではなく一時的に音信不通にすることもあります。
またセックスしたい欲求が抑えられなくなって戻ってくるということもあります。
【例外】回避依存症を克服した
滅多にない例外中の例外ですが回避依存症を克服して戻ってくるケースもゼロではありません。
自分自身でこのままではマズいと思ってカウンセリングに通うなどして克服する人もいます。
そして健全な人間関係のスタイルを手に入れたときに、きちんと向き合おうと思って戻ってくることもあります。
ただし回避依存症を克服するのは恋愛依存症を克服するよりも難しいですからこの理由はほとんどないと思ってください。
私もこのケースに遭遇することは滅多にありませんし、そもそも本当に回避依存症といえるほどだったのかさえ怪しいケースがいくつかあります。
基本的には戻ってこない
上記で説明したのは恋人の元へ戻ってきた数%の回避依存症が戻ってくる理由に過ぎません。ほとんどの回避依存症は戻ってこないのです。
なぜ戻ってこないのでしょうか?
一度でもダメだと思った相手には戻らない
一番の理由は「この人とはダメだ」と一度でも思ってしまったらその思考が変わることはほとんどないからです。
回避依存症は他人と親密になることを異常なほどに恐れています。そのため自分の心に入り込んでくるような態度を見せられると窒息しそうな苦しさを感じます。
たとえ恋人であっても自分をコントロールしたり束縛したりしようとしていると感じたら「早く逃げなくては」となってしまうのです。
そして一度でもこの思い込みを持ってしまったらそれが変わることはほとんどないのです。そのため回避依存症が戻ってくる確率は非常に低いのです。
逃げたという重圧に耐えられないので戻らない
もう一つの理由は重圧に耐えられないということです。
本気で好きな相手なので戻りたいと思っても一度逃げたという事実は重くのしかかります。
恋人は気にしていなかったとしても、回避依存症の人は「逃げたことを根に持っているに違いない、いつか責められる」という思い込みを持ちます。
その重圧に耐えることができないのです。
本気で好きだったとしても、会いたい気持ちとその重圧がせめぎ合い葛藤するのです。
そしてその苦しみを味わい続けるくらいなら会わずにいようという判断になることが多いです。
ただの回避型なら50%くらいの確率で戻ってくる
ここまでの説明を読んで「私の彼氏は回避依存症だけど戻ってきました」とか「くっついたり離れたりを何度も繰り返してます」という人もいるかもしれません。
しかしこのような場合は回避依存症ではなく単に回避型に寄った愛着スタイルを持っているだけという可能性が圧倒的に高いです。
他の記事でも説明していますが回避依存症と回避型愛着スタイルは違うものです。
彼氏が回避依存症で悩んでいると相談にいらっしゃる女性は多いのですが、詳しく話を聞くとそのほとんどがただの回避型です。
回避型であれば程度によっては急に音信不通にしたり戻ったりを繰り返すこともあります。
戻ってくる確率も50%くらいはあるといえるでしょう。これも私の感覚に過ぎませんが回避依存症よりは何十倍も高い確率で戻ってきます。
ただ遊ばれているだけ
もっと言ってしまうと戻ってきた相手は回避型でさえないパターンもあります。
彼氏や好きな人が急に冷たくなったり距離を置くと何らかの理由を求めたくなるのが人間の心理です。
そんなときに「回避依存症」や「回避型」という言葉を知れば、彼氏もそうだろうと勘違いしてしまうのは自然なことです。
しかし回避型でさえなく、本気で好きだったわけではなく他に相手もいないので何となく一緒にいただけというパターンも少なくないのです。
といよりも男性が曖昧な態度を取り続ける場合はほとんどがこのパターンと思っていたほうが良いくらいです。
とはいえ単に遊ばれていただけということを認めるのは精神的に辛いですから、回避依存症や回避型の特徴の当てはまる部分だけに注目してそういうことにしてしまうのです。
しかし残念なことに相手は単に誠実さに欠ける性格だっただけなのです。こういった性格の人間はただヤリたいとか暇というだけの理由で戻ってくることが頻繁にあります。
どのパターンにせよ「回避っぽさ」のある相手が戻ってきてもその後に幸せな恋愛が待っていることは少ないですから、泥沼にハマらないようにしましょう。