回避性パーソナリティ障害と回避依存症は似たような名前ですが異なるものです。
回避性パーソナリティ障害は精神疾患ですが回避依存症は違います。
恋愛の場面で似たような特徴を見せることもありますが対処の仕方は異なりますので注意が必要です。
回避性パーソナリティ障害とは
回避性パーソナリティ障害とはICD10(疾病及び関連保健問題の国際統計分類)やDSM5(精神疾患の分類と診断の手引)といった診断マニュアルにも載っている精神疾患の一種です。
「不安性パーソナリティ障害」と言われることもあります。
批判されたり笑われたりすることを恐れて他人との距離を置くという特徴があります。
傷つくくらいであれば最初から孤独でいることを選ぶのです。
自己主張をせずに周囲から目立たないように振る舞います。
自分の能力を過小評価しており仕事においても「失敗するのではないか」という不安が先立ち萎縮してしまうことがあります。
ちょっとした注意や叱責で落ち込み何日も引きずってしまうこともあります。
自分に対するネガティブな情報に敏感なのです。
顔やスタイルが劣っているというコンプレックスを抱えていることもあります。
回避性パーソナリティ障害の原因ははっきりしていませんが生まれ持った気質や環境の影響が考えられます。
特に子供時代に親から否定的な言葉を投げかけられ褒められた経験がない人が多い傾向にあります。
いじめや大勢の前で恥をかいた体験が関係していることもあります。
これに対して回避依存症の場合は親からの甘やかされすぎが原因となるケースも多いです。
恋愛における特徴
回避性パーソナリティ障害は恋愛においても奥手です。
好きな人ができても自分には価値がないと思っているのでアプローチしませんし傷つくことを恐れています。
感情が揺れ動くような事柄に面倒くささを感じることもあります。
付き合った場合も自分からはアクションを起こさなかったり反応が鈍かったりするため恋人からは素っ気無いと思われがちです。
恋人であっても信用するまでに時間がかかります。
これらの特徴の一部は回避依存症に見られることもあります。
しかし回避性パーソナリティ障害は回避依存症のように相手を利用しようとしたり暴力を振るったり金銭的に搾取することはありません。
回避依存症は愛情表現をされることで「逃げなければ」と思うことがありますが回避性パーソナリティ障害はこのようには思いません。
近づくと相手に飲み込まれてしまうという感覚を持っていないからです。
行動と言葉で愛情を示し批判されないという確信を持たせてあげれば深く付き合うことができます。
しかし同じことを回避依存症者にすると逃げられてしまうことがありますから注意しなければなりません。