「自称HSP=うざいサイコパス」ということが研究で判明

聞かれてもいないのに自分から「私はHSPなんです」と周囲に喧伝する人がいます。

このような人が本当に繊細で共感性が高いということはないでしょう。

自称HSPはサイコパスやナルシストの可能性が高いことが研究で判明しています。

しかも感受性の高さを主張する理由は非常にうざいものです。

本物のHSPは自分から言えない

HSPという言葉が社会に広まったおかげで、それまで理由も分からずに生きづらさを感じていた人が自分なりの対処法を見つけやすくなりました。

それと同時に「私はHSPだから敏感なんです」と一方的に主張する人も増えました。

しかし職場や学校で聞かれてもいないのに自分からHSPだと言う人が本当にそうである可能性は低いでしょう。

本物のHSPは相手にどう思われるか考えすぎて言えない

HSPの大きな特徴の一つとして相手のことを考えすぎてしまうということがあります。

なので言いたいことがあっても「こんなことを言ったら相手の負担になるんじゃないか?嫌われるんじゃないか?」と考えて遠慮してしまうことがあります。

実際にカウンセリングをしていても周囲にどう思われるか心配で自分から「配慮してほしい」とは言えないという人は多いです。

つまり聞かれてもいないのに病気でさえないHSPを自称できる時点でHSPでない可能性が高いということです。

敏感を自称するが相手の反応には鈍感

HSPを自称する人はそれをサラッと伝えるだけではなく、いかに自分が敏感かということを長々と説明しがちです。

本来HSPは外部からの刺激に敏感ですから、相手の雰囲気から感情を察知します。

そして自分の話に興味を持たれていないと判断すれば会話を辞めるか話題を変えるものなのです。

しかし自称HSPはこちらの雰囲気などおかまいなしに自分がいかに敏感であるか一方的に話し続けるのです。

自称HSPは自分は「敏感です」と言っておきながら、相手がうざいと感じていることには敏感でないのです。

自称HSPはサイコパスやナルシスト

では自称HSPの正体は何なのでしょうか?

それはサイコパスやナルシストです。

サイコパスとは罪悪感を持ちにくい、他人を思いやらない、自分の利益を最優先するといった特徴を持つ人です。

ナルシストとは自己陶酔的であるだけではなく、優位な立場や周囲からの賞賛を求める特徴を持つ人です。

サイコパスやナルシストは自分の立場を有利にするためにHSPを自称するのです。このことは研究からも分かっています。

邪悪な性格傾向を持つ人間ほど感受性をアピールする

シレジア大学のマルティナ・カジクらの研究を紹介します。

この研究では18歳から67歳までの200人以上を対象に、感覚処理感受性と性格傾向を調査しました。

また自分が感受性が高いということを周囲にアピールするかどうかも調べました。

その結果、サイコパスやナルシストといった邪悪な性格を持つ人間ほど、感受性の高さを周囲に伝える傾向が高いことが判明しました。

参考文献:Martyna Kajdzik and Marcin Moroń. (2023). Signaling High Sensitivity to Influence Others: Initial Evidence for the Roles of Reinforcement Sensitivity, Sensory Processing Sensitivity, and the Dark Triad.

なぜ感受性の高さアピールをするのか?

サイコパスやナルシストはなぜ感受性の高さをアピールするのでしょうか?

それは報酬を獲得したり、望ましい扱いを受けるためです。

「私は感受性が高くて敏感なの」と断定的に主張することによって、周囲に配慮させたり、多少のワガママも通そうとするということです。

生まれ持った特性なのだからどうしようもないと言われてしまうと他の人はそれ以上は何も追求できなくなってしまいますから、有利な立場を得るためにHSPを自称することは有効な戦略といえます。

サイコパスやナルシストは常に自分が有利になるような行動を目指しますからこのようなアピールをするのです。

「HSPを公表する」というセリフの違和感

個人的な意見ですが自称HSPがナルシストだというのは今回の研究結果を知る前から何となく感じていました。

というのも自称HSPの多くが「HSPを公表する」というセリフをよく発していたからです。

このセリフを一般人がHSPの文脈で使うことにずっと違和感を覚えていました。

「公表」というのは有名人のように注目されている人が病気やプライベートで隠していた事実を発表するときに使うものというのが社会通念です。

このような認識のある社会で何者でもない一般人が病気でもないHSPを「公表」と言うのは自分が特別な人間であるというナルシシズムの表れなのです。

そもそも全人口の2割前後はいるとされる特性を「公表」と言うのは「血液型がB型であることを公表」と言うくらい違和感があります。ナルシストでもなければ言えないのです。

「HSPを公表する」と言っている人は単に神経質なだけのナルシストである可能性が高いと思います。

本当にHSPだったとしても言うべきではないのか?

あなたが本当にHSPだった場合に「周囲に言ってはいけないの?」と思ったかもしれません。

もちろんそんなことはありません。例えばカウンセリングのような場であれば自分から積極的に言うべきでしょう。そのほうがカウンセラー側も適切な対応がしやすくなります。

では職場などではどうでしょうか?

これはあなたの置かれている環境によって変わると思います。

それを伝えることで配慮してくれる職場等であれば言っても良いでしょう。

しかしその場合であっても「HSP」という言葉を使うのは注意したほうが良いです。

世間に知られるようになった言葉ではありますがその認識は人によって異なります。

中には「霊感があるんです」と言っているのと同じように受け止めてしまう人もいます。

周囲の人に伝える際には「急に大きな音が鳴るととても驚いてしまう」といったように具体的に苦手な事柄を挙げて伝えるほうが良いと思います。