トラウマを思い出すと涙が止まらなくなることもあるさ

トラウマを思い出すと涙が止まらなくなることもあるさ

過去の悲しいことや辛いことを思い出すとポロポロと涙が流れ落ちてくることがあります。
癒されることのない心の傷として深く残っているのです。

しかしトラウマ反応を調べてみると「涙が止まらなくなる」と説明しているケースは少ないものです。
それどころか心が凍り付いてしまうので悲しむことさえ出来なくなると言われることもあります。

では涙が止まらない人にトラウマはないのか?といったらそんなことはありません。

涙が止まらなくなる理由としてトラウマ、それが回復に向かっている、他の理由のどの可能性も考えられます。

トラウマとは心の傷のことだが…

トラウマは広い意味では「心の傷」全般を意味します。
失敗したり恥をかいた体験を指して「あの出来事がトラウマになってるんだ」などと冗談ぽく言ったりします。

しかし精神医学やカウンセリングの世界ではもう少し狭い意味で用います。
笑って話せるような出来事ではなく「当時の強度のまま心に残り続ける傷」のことを指すのです。
思い出すことさえ避けたくなるようなものです。

トラウマによって様々な心理的・身体的な反応が起こります。
その中の一つとして有名なのがPTSD(心的外傷後ストレス障害)です。
他にもうつ病や不安障害につながることもあります。

トラウマの原因となる出来事として自然災害、死別、大病、暴力、犯罪などがあります。
もちろん信用していた人に裏切られるなどの人間関係のトラブルが原因となることもあります。

トラウマ反応の種類

PTSDを含む主なトラウマ反応には以下のものがあります。

  • 再体験(急に記憶が思い出される、似たような事件を聞くと辛くなる)
  • フラッシュバック(頭の中で当時の出来事が再現される)
  • 回避(事故・事件を想起させるものを避ける・近づけない)
  • 過覚醒(自律神経が過敏になる)
  • 解離(現実感がない、悲しめない)
  • 否定的な思考・肯定感の低下
  • 過呼吸・めまい・不眠症

事件や事故からしばらく時間が経った後に反応が出る人もいます。

なぜ涙が止まらなくなるのか?

さきほど説明したトラウマ反応の中の解離という症状は現実を受け入れることが出来ない状態です。
心が凍り付いてしまっているともいえます。

そのため悲しいはずのに泣くことが出来ないといった状態になることもあります。
トラウマの説明ではよく出される内容のため涙が流れているということは大丈夫のかと思う人もいるでしょう。

しかし事件や事故を思い出すと急に泣き出したり、怒り出したりするのもトラウマ反応としてあり得ます。
また今まで全く感情が消えてしまっていたのが回復の途中で戻り涙として流れ出てくることもあります。

トラウマというほどではないにしても自分のコンプレックスや潜在意識にある不安を刺激する出来事を思い出す度に涙が止まらなくなってしまうというケースがあります。

過去の出来事を思い出す度に涙が止まらなくなるのにはいくつもの可能性があるのです。

初期の対応が大切

辛いことや悲しいことは時間が経つにつれて記憶と感情が薄れていくものです。
しかしどれだけ時間が経っても頻繁に思い出してしまい、感情の強度が変化しない場合はそれがトラウマになっている可能性があります。

日常生活に支障をきたしたり、そうでなくとも異常なほどに感情が揺さぶられるなら専門機関に相談することをおすすめします。

初期対応を誤ると悪化させてしまいます。
震災時にセラピーの一環として絵を描かせた人たちがいましたが専門家から注意喚起がなされました。
アプローチの方法を間違えると人によっては余計に心の傷が深くなるのです。

ですから相談先はきちんと選びましょう。
カウンセリングルームではなく医師に相談したほうが良いと思います。

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