寝ているときも脳に復習させるためにどうすれば良いのでしょう?
それは勉強しているときに報酬を得れば良いのです。そして良い気持ちになって寝るのです。
そうすると寝ているときにその勉強したことを脳が勝手に反芻してくれるので記憶に定着します。
勝ったときの脳を測定
ジュネーヴ大学が面白い実験を行っています。
参加者に2つのゲームをしてもらいます。
1つはフェイスゲームという文章で顔のヒントが出されどの人物のことを言っているのか当てるゲームです。もう1つは迷路です。立体的な映像の迷路をやりました。
この2つのゲームをやってもらうのですが、どの参加者もどちらか1つのゲームしか勝利できないように裏設定されています。なので参加者は全員が一勝一敗になります。
これらのゲームをプレイするときに特殊な機械で脳の働きも観察しました。つまりゲームに勝ったときの脳の働きと、負けたときの脳の働きのデータが取れたということです。
睡眠中に記憶
ゲームが終了してから参加者には眠ってもらい、このときも脳の働きを計測しました。
すると最初は勝ったゲームをプレイしたときと負けたゲームをプレイしたときの両方と同じ脳の活動パターンを見せました。
しかし時間が経つと、勝ったゲームをプレイしていたときと同じ脳の活動パターンしか見せなくなったのです。
勝ったゲームについての情報しか反芻しなくなったということです。つまり睡眠中の脳が勝ったゲームの情報をよりよく記憶しようとしているということです。
本当に記憶に定着していた
実際に脳は勝ったゲームのことをよく覚えていました。
この実験では後で参加者にゲームの内容をどれくらい覚えているかというテストもしています。
その結果、自分が勝ったゲームの内容のほうをよく記憶していたのです。
なぜ勝つと記憶するのか?
なぜ勝ったゲームのことをよく記憶するのでしょうか?
それはゲームに勝ったことで脳が快感という報酬を得たからです。
そのため、その快感を繰り返したい脳が眠ってるときも反芻したのでより記憶に定着したということです。
楽しい気持ちで勉強する
つまり勉強した内容を脳に記憶させたければ脳に報酬を与えれば良いということです。
報酬は何でも良いのです。一番、簡単なのは楽しい気持ちで勉強するということです。
難しすぎる内容だけをやるのではなく、自分で理解しやすい内容も一緒にやると良いです、
勉強は時給数万円のバイト
他の方法もあります。よく「受験勉強は時給に換算すると数万円の価値がある」と言われます。
良い学歴や資格を取ることで生涯収入に数千万から億の違いが出るので、その金額を勉強した時間で割ると数万円になるということです。
なのでそういう意識を持ってやるのも効果的です。
「身銭を切ったほうが身につく」はウソ
自己啓発のセミナーや個人のコンサルティングをやっている人が客から金を巻き上げるために「身銭を切ったほうが身につく」などと言って無駄なセミナーに通わせようとしたりします。これはウソということです。
確かに「払ったお金を無駄にしたくない」という心理が働くので、最後まで継続しようという気持ちにはなりやすいのは確かです。
しかし脳への定着のしやすさという意味ではお金を払うより、貰いながら学んだほうが効率は良いということです。
金を貰いながら学んだことは忘れない
私がまだペーペーだった頃に知り合いの社長が「仕事の中で色々なことを勉強しなさい。金を貰いながら学んだことは忘れないから」とアドバイスしてくれたことがあります。
「何かで起業しようと思っているならアルバイトでも良いからその業界で働いたほうが良い」という話もしてくれました。
この社長は、研究論文なんか読まなくても報酬を得ながら学んだことは身につきやすいということを経験から知っていたのだと思います。
お金という報酬はかなり強いです。お金という報酬を得ることで脳がまたその快感を感じたくなり寝ているときも学習します。
何か学びたいときは脳を気持ちよくしてあげながら勉強しましょう。
参考文献:Virginie Sterpenich, et al. (2021). Reward biases spontaneous neural reactivation during sleep.