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トラウマ(心的外傷)

トラウマ(心的外傷)

トラウマという言葉は災害や凶悪事件と関連付けて使われることが多いです。

そのため大きな出来事があったときにしか生じないものと思われがちです。

しかし日常生活の体験もトラウマとなります。

自分でも気がつかないうちに影響を受けている可能性もあるのです。

トラウマの意味

トラウマとは自然災害や事故、虐待などによってつくられる心の傷です。

私たちは辛いことがあると落ち込んだり悲しんだりしますが時間の経過とともに回復します。

それに対してトラウマはいつまでも心の中に残り感情や行動に影響を与え続けます。

最もよく知られているトラウマの影響にはPTSD(心的外傷後ストレス障害)があります。

辛い出来事を何度も思い出してパニックになったり動けなくなったりする症状です。

しかしそれ以外にも人間関係や自己肯定感の問題を引き起こすことがあるのです。

原因となるもの

トラウマの原因となるものはあらゆるところに存在します。

一度の体験だけではなく継続性、反復性のある体験も原因となります。

自然災害・事故・戦争

地震や津波などの自然災害、事故、戦争などで負った心の傷に何年も悩まされている人がいます。

アメリカでは1970年代のベトナム戦争が日本では1995年の阪神・淡路大震災がトラウマという言葉が広く知られるきっかけになったと言われています。

被災地にいなくても震災の映像をテレビで見たことで影響を受ける場合もあります。

虐待・いじめ

子供時代に親から虐待されて育った人の多くが成人後もその傷に悩まされます。

虐待には暴力だけではなく性的虐待や育児放棄、無視なども含まれます。

また学校での友達や教師からの虐めも原因となります。

このような継続性のある外傷体験は複雑性PTSDへとつながることも多いです。

※子供のトラウマ反応はまとまりのない行動や興奮によって表れることもあります。

犯罪被害

犯罪の被害者になるとそのときのショックだけではなくその後の報道などによっても傷つけられます。

また性犯罪の被害者は羞恥心や自分にも落ち度があったのではないかという罪悪感を抱いてしまい誰にも相談できないというケースもあります。

犯罪に巻き込まれて社会に対する安心感が崩壊すると他人を避けたり外出自体をしなくなります。

自分が被害者にならなくても事件を目撃したり聞いたことがトラウマになることもあります。

暴力・裏切り行為

暴力・裏切り行為もトラウマとなり得ます。

恋人や配偶者からそのような行為を受けることでその後の恋愛関係に影響を与えてしまいます。

「また裏切られるのではないか?」「殴られるのではないか?」という思いが先行し恋愛を出来なくなってしまうのです。

重症の場合は異性に近づくことすら出来なくなってしまう人もいます。

身近な人との死別

親や子供、配偶者など身近な人の死を体験するとそれをなかなか受け入れることが出来ません。

嘆き続けたり、思い出の中で生きようとします。そして気力が失われ何もする気が起きなくなります。

トラウマ反応

トラウマによる主な反応として以下のものが挙げられます。

価値観や思考の変化

命の危機を感じる出来事に遭遇すると「世の中は危険」という認識が強くなります。

「きっと悪いことが起こるだろう」という思考が自己肯定感の低下にもつながります。

物事をマイナスに考えるクセが出来てしまうと何もやる気が起こらなくなってしまいます。

人間関係への影響

誰かに傷つけられると他の人も同じように自分を傷つけるだろうと考えます。

すると友人や恋人を作ることに恐れを抱くようになります。

また自分が犯罪や事故に巻き込まれて苦しんでいるときに周囲の人間に理解してもらえないと孤独を感じます。

そして他人は信用できないという認識を強めると積極的に人と交わろうという活力も失われます。

解離

壮絶な体験をすると人間の心は麻痺してしまうことがあります。

悲しいとか寂しいという感情が出てこないのです。

すると周囲の人間からは苦しみが見えませんから大丈夫だろうと判断されてしまいます。

このような解離が起こってもしばらく時間が経ってから急に感情が出てくることもあります。

罪悪感・羞恥心

大きな事故に巻き込まれた人が「自分だけ生き残ってしまった」という思いを強く持つと罪悪感に苛まれます。

また大切な人が突然亡くなったときは「もっとこうしてあげれば良かった」という後悔が生じやすいです。

性犯罪の被害者となった人が恥ずかしいことだと考えて一人で思い悩んでしまうケースも少なくありません。

PTSD(心的外傷後ストレス障害)

重度なトラウマ反応の1つとしてPTSD(心的外傷後ストレス障害)があります。

トラウマとなる出来事を体験してから1ヶ月以上症状が継続しているときに診断されます。

中核症状としては以下のものが挙げられます。

再体験(侵入的想起)

思い出そうとしなくても頭の中に辛い記憶が何度も甦ったり夢に出てきたりします。

体験に関連した情報に触れると気分が悪くなることもあります。

頭の中で事件が再現され本当にその場にいるような感覚になる状態をフラッシュバックと言います。

フラッシュバックが起こると突発的な行動に出ることもあります。現実感が失われてしまうのです。

強いフラッシュバックではそのときの音や臭い、痛みを実際に感じます。

事故に巻き込まれた子供がオモチャなどでその状況を再現するのも再体験の症状です。

回避

トラウマ体験を思い出して辛い思いをしないようにと関係する場所に近づけなくなる状態を回避と言います。

事件現場に近づくことが出来なくなったり交通事故に遭った人が運転を出来なくなったりします。

性犯罪の被害者が異性に近づけなくなるというのも回避の一種です。

行動できる範囲が狭まったり何事にも興味や関心が持ちにくくなるという弊害も発生します。

認知と気分の陰性への変化

トラウマ体験は物事の捉え方や気分を否定的な方向へと持っていきます。

また他人は分かってくれないという思いが強くなり孤立や孤独を覚えます。

体験の一部を思い出せないこともあります。

過覚醒

トラウマ体験によって自律神経が乱れると常に緊張した状態になります。

するとちょっとした音や刺激にも敏感に反応するようになり心が休まる時間がなくなってしまいます。

このような過覚醒が集中力の低下やイライラ、睡眠障害につながることもあります。

動機やめまいなどの身体的症状が出現する人もいます。

ASD(急性ストレス障害)

PTSDは症状が1ヶ月以上継続した場合に診断されますが、1ヶ月未満の場合はASD(急性ストレス障害)と診断されます。

外傷体験の直後からトラウマ反応がある場合に診断されます。

PTSDの中核症状と同じ症状が見られますがASDの場合は自分が自分でないような感覚になる解離症状が生じます。

時間の経過とともに治る場合もありますが1ヶ月以上に渡り症状が継続している場合はPTSDと診断されます。

思い出せないトラウマの記憶

人は危険な状況に晒されると再び同じ状況になったときすぐに対応できるようにその記憶は強化されることが多いです。

見通しの悪い交差点で事故に遭いそうになればそのことはよく覚えていて次回から注意するようになります。

しかしトラウマになるほど強烈な出来事に関しては忘れることがあるのです。

これは記憶の解離といって耐え難い苦しみから心を守るための防衛メカニズムのひとつと考えられています。

全体を思い出せないこともあれば一部のみ思い出せないこともあります。

トラウマとなる出来事を忘れていても恐怖は残り行動に影響を与えます。

一例として電車の中で犯罪に遭った人がその内容を忘れていたとしても電車に乗れなかったり、乗ると極度の緊張状態に陥ってしまうことなどが挙げられます。

忘れている出来事を日常生活の中やカウンセリングの中で思い出すことがあります。

意図的に記憶を思い出させるときは投薬や催眠療法などが用いられます。

トラウマの克服と治療

トラウマの影響は軽度のものであれば時間の経過とともに自然に克服できることもあります。

しかし生活に支障が出るほどの反応が出ている場合は治療が必要です。

特にPTSDやASDは精神科や心療内科の受診が望まれます。

トラウマの克服と治療にはいくつかの方法が考えられます。組み合わせて行われることもあります。

投薬治療

SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)などの向精神薬を用いることで再体験や過覚醒、気分の偏重などの症状を抑えることができます。

薬を飲んでもすぐに変化が表れるわけではなく2週間ほど経過してから効果が表れることが多いです。

投薬のみでPTSDが完治することは少なく認知行動療法などと併用されることが多いです。

認知行動療法(CBT)

認知行動療法とは物事の捉え方と行動を変えるためのトレーニングです。

外傷体験によって変化した思考と行動の癖を修正するために行います。

トラウマの克服には主に2つのアプローチ方法を用いることが多いです。

暴露療法(持続エクスポージャー療法)

辛い体験を自分から思い出して言葉にしたり、実際に避けているモノや場所に近づくことで慣れさせて恐怖を克服する方法です。

本人にとって難易度の低いものから段階的に慣れさせていきます。

ただし重度の精神疾患が併発している人や希死念慮のある人には向いていない方法です。

認知の歪みを治す

トラウマ体験をするとネガティブな考え方や罪悪感を強く持ってしまいます。

本人は最初からそういう性格だったと思い込みをしていることもあります。

このようにマイナス方向に変化した思考回路をバランスの取れたものへと戻すためには認知の歪みを治さなければなりません。

自分の考え方のパターンを点検し別の考え方が出来ないか検討します。

EMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)

EMDRは眼球運動と対話によってトラウマを克服する治療法です。

具体的には治療者の指の動きを目で追いながら記憶を思い出し語ります。

EMDRがなぜ効果を発揮するのかは解明されていませんがいくつかの中核症状が緩和されることは分かっています。

日本国内ではこれを行える医師やカウンセラーが少ないのが現状です。

上記以外にも治療者との対話の中で克服していく方法など様々な方法が存在します。

バーンアウトと二次受傷

トラウマは本人だけではなく周囲の人にも影響を及ぼします。

手助けする家族や友達が頑張りすぎてしまい精神的に追い詰められたり、一向に回復の兆しが見えないことに自信を失ってしまいます。

そして気持ちが切れてしまうのです。このような状態をバーンアウト(燃え尽き)と言います。

またトラウマ体験を聞いているうちに自分も同じような体験をした感覚になる場合があります。

これを二次受傷と言います。

二次受傷は医師やカウンセラーなどの治療者が負ってしまうこともるのです。

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