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愛着障害とは

愛着障害とは

愛着障害とは母親をはじめとする養育者との間に安定した絆が形成されないことで子どもの精神や対人関係の結び方に問題が生じる状態のことです。

原因としては虐待や親との死別、長期間の離別などが挙げられます。

適切なケアを受けないまま成長すると大人になってからも対人関係などで苦労することになります。

また自分の子どもに対して可愛いと思えなかったり世話をしたいと思えない「ボンディング障害」の原因になることもあります。

愛着(アタッチメント)とは

愛着とは乳幼児期に形成される養育者との情愛の絆のことです。

心理学や保育の世界ではアタッチメントと言われることもあります。

フランスの心理学者ピエール・ジャネが生み出した概念です。

内的作業モデル

親が子どもをどのように扱ったか?

それがその子どもが自分や他人を判断するときの基準となります。

大切にされれば「自分には価値がある」と思うと同時に「他人は信頼できる」と判断します。

これは愛着が内在化され無意識に判断基準として機能しているからです。

これを内的作業モデル(インターナル・ワーキングモデル)と言います。

生後半年から5歳頃までに形成されると考えられます。

アタッチメント理論(愛着理論)

愛着の形成過程は次の4段階に分けて説明されます。

精神分析家であるジョン・ボウルビィの観察と研究によるものです。

第1段階(~生後3ヶ月)

人の区別がついていないため愛着は形成されません。

誰に対しても泣いたり笑ったりします。

第2段階(3ヶ月~6ヶ月)

人の区別がつきはじめます。

最も近しい人(主に母親)への愛着の形成が始まります。

第3段階(6ヶ月~2,3歳)

明確な愛着が生まれます。母親の姿が見えなくなると泣いたりします。

母親を安全な基地とみなし探索行動をするようになります。

他の家族に対する愛着も形成され始めます。

第4段階:目標修正的協調関係(2,3歳~)

母親の意図や感情に気づくことができるようになります。

行動の推測ができるようになり短時間であれば母親の姿が見えなくても絶えられるようになります。

特定の養育者との間に生まれる愛着の重要性は「アタッチメント理論(愛着理論)」として提唱されています。

乳幼児の生得的欲求を積極的に満たしてあげることが重要とされています。

食事や排泄の世話だけでなくスキンシップや温かい感情のやり取りが必要なのです。

愛着行動

言葉が話せない乳児は行動によって養育者の注意を引き寄せ欲求を満たそうとしたり守ってもらおうとします。

このような行動を「愛着行動」と呼び以下のようなものが挙げられます。

愛着行動に対して養育者がしっかりと答えることで愛着が形成されます。

発信行動

養育者の注意を引きつけるための行動です。

泣く、笑う、声を出す、ジェスチャーをするなどがあります。

接近行動

自分から近づいていく行動です。

母親が離れていくときに後追いしたりします。

定位行動

養育者の居場所を確認するために行います。

たとえば目で追うなどの行動です。

愛着の型

子どもはどのように育てられているかによって親と一時的に分離されてから再会したときの反応が変わることがあります。

この反応の仕方を「愛着の型」と言い以下の4つに分類されます。

安定型

分離時に多少の混乱を示し、再会時には積極的な接触を求めます。

初めての場所でも落ち着いて遊ぶことができます。

回避型

分離時に不安を感じますが情動的な反応は示しません。再会時にも無関心を装います。

抵抗型(両価型)

分離時に強い抵抗を示し、再会時に強い身体的な接触を求めますが同時に拒絶したり怒りを表すこともあります。

無秩序型(混乱型)

分離時に抵抗や回避が混ざり、再会時にも混乱する様子を見せます。

虐待を受けていたり精神的に不安定な子どもに表れやすい反応です。

上記のように養育者の分離と再会によって反応を見る研究手法をストレンジ・シチュエーション法(StrangeSituationProcedure:SSP)と言います。

心理学者のメアリー・エインスワースが考案した手法です。

必ずしも養育環境が愛着の型にそのまま反映されるわけではありませんが安定型以外は愛着が不安定な状態で養育されている可能性が考えられます。

愛着の型は大人になった後もその影響を受けやすく愛着スタイルとして表れると考えられます。

反応性愛着障害と脱抑制型対人交流障害

愛着障害は精神疾患の基準では次の2つに分類されています。

どちらも5歳までに発症するとされています。

これらの特徴を克服しないまま成人すると対人関係や情緒に影響を及ぼします。

反応性愛着障害

甘えたり頼ることが出来ないという特徴があります。相手が実の親であっても同様です。

他者を強く警戒しており、近づくと視線を逸らしたり、抱っこをしても全く違う方向を見てしまいます。

優しく接する相手に対しても怒ったり泣いたりします。

脱抑制型対人交流障害

相手を選ばずに初対面の相手であっても甘えたりくっついたりします。

大人の注意を引くために問題行動を起こすこともあります。

脳の働きをMRIで測定すると愛着障害の子どもは脳の線条体の働きが悪いことが分かっています。

ここは報酬回路と言われる部位であり、愛着障害だとドーパミンの分泌に問題が生る可能性が指摘されています。

成人の愛着スタイル(アダルトアタッチメントスタイル)

愛着障害を克服せずにそのまま大人になるとその影響が残ることが多いです。

自分に対する自信と他人に対する信頼の部分で困難を抱えることになります。

成人の愛着スタイルは何に問題を抱えているかによって以下の4つに分類されます。

安定型/自律型

親密な人間関係を構築することが可能であり、それによって自律性を失うこともありません。

他者と心を通じ合わせることに困難を感じることはなく、人を助けることが出来ます。

自分が困ったときに助けを求めることにも抵抗はありません。孤独や拒絶への不安を感じることもありません。

とらわれ型/不安型

親密な関係にのめり込んでしまい自分を失うことがあります。

他人から受け入れられることによって自己の幸福を感じるタイプのため見放されそうになるとしがみつきます。

誰かと気持ちを通じ合わせたいと思っていますが他人はそうは思っていないのではないかという不安を抱えています。

対人関係についての思考に一貫性がありません。

拒絶・回避型/愛着軽視型

親密な関係を築くことに価値を見出していません。

独立性や自立性を重視するため人に頼らずに生きていると感じることで満足を得ます。

他者を信頼していないため頼ることも頼られることも好きではありません。

恐れ・回避型

他者と親しくなりたいという願望は持っていますが自分への自信の無さと他者への信頼感の無さから関係を回避しがちです。

親密になりすぎることで傷つくのではないかという不安も抱えています。人を頼ることも苦手です。

アメリカで行われた調査によると大人も子どもも愛着スタイルの出現率はほぼ同じという結果があります。

これを持って成長が愛着スタイルの変化に寄与しないとは言い切れません。

しかし子ども時代に身につけた型の影響が大人になった後も色濃く残っているケースは多いといえます。

愛着障害を抱えたまま大人になりそれが重症化するとうつ病や不安障害、パーソナリティ障害の原因となることもあります。

発達障害との違い

愛着障害にも発達の遅れが見られることがあるため発達障害と間違われることがありますがこの2つは別のものです。

発達障害は生まれつきの先天性のものですが愛着障害は養育者に起因する後天性のものです。

反応性愛着障害の場合は人と目を合わせなかったり無表情な場合があるため自閉症スペクトラムと似た様子が見られることがあります。

また脱抑制型対人交流障害の場合は大人の注意を引く為に動き回ったりすることがありADHD(注意欠如・多動性障害)との区別が難しいことがあります。

愛着障害と発達障害は治療法が異なりますから間違った診断を下されてしまうと一向に改善しません。

克服のための安全基地をつくる

愛着障害の克服方法は子どもも大人も大きくは変わりません。

愛着を形成し直すことが大切です。

子どもの克服

子どもにとって安心できる場所となる養育者のことを「安全基地」と言います。

安全基地があるから子どもは好奇心に任せて世界を探索するのです。

そこで怖い思いをしても戻る場所があるという安心感が挑戦する意欲を生み出します。

親をはじめとする養育者がこの役割を果たさなかったことが原因で愛着障害になるのです。

健全に形成されなかった愛着を作り直さなければなりません。

子どもが愛着障害と診断されたときに必要なことは絶対的に信頼できる人間が安全基地となり愛情を注いであげることなのです。

大人の克服

大人が愛着障害を克服するためにも安全基地は必要です。

親がその役割を果たしてくれるパターンは少ないです。

しかし恋人や配偶者などが愛情を注いでくれることで克服できることもあります。

もちろんカウンセリングによって克服することも可能ですがその場合はカウンセラーとの相性が非常に重要です。

どのような心理療法を採用するにしても相性が悪いと余計に悪化してしまうこともあるからです。

自分に合った方法でじっくりと取り組むことが大切なのです。

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