自分の価値を低く見積もると相手からも軽く扱われます。
そうならないように「自分を大切にしましょう」と言われてもできません。自分を大切にするというのは抽象的ですしそもそもそれができれば心の問題で悩むことはありません。
なのでまずはフリでも良いので行動を変えてみましょう。
自分の価値を高く見せる態度を取っていると相手が勝手に価値を見出して大切に扱ってくれます。
少し分かりにくいかもしれませんのでちょっと私の個人的な話をさせてください。(※延々と私の自分語りが始まりますので気をつけてください)
意図せずブランディングに成功していた話
私は心理カウンセラーの他に経営コンサルタントの仕事もしています。
報酬を得はじめた時期でいえばコンサルタントとしての経験のほうが先です。
今は心理カウンセラーの仕事がメインです。(これからも永遠にカウンセラーがメインです)
なぜコンサルタントの仕事を残しているかというとカウンセラーしかしていない人の話は説得力がないのではないかと思っているからです。
なので経営コンサルタントとしての仕事は無理に受けないようにしています。
忙しくなってしまったら困るので紹介のある顧客からの依頼しか受けていません。
さらに打ち合わせも有料ですし見積書の作成も有料です。そして会ったからといって仕事を請けるかどうかも分かりません。
「それでもよければお会いしますよ」というとても上から目線のスタンスです。
仕事は出来れば断りたいけれど紹介者の顔を潰すわけにもいかないので苦肉の策としてこのような条件を掲げたのです。
これだけ上から目線なら打ち合わせすらしたくないだろうと思っていたのです。
しかし実際には「ぜひ打ち合わせしたいです」というケースの方が多いです。
そして打ち合わせするとほぼ100%仕事を依頼したいと言ってきます。
なぜこのようなことが起きるかというと打ち合わせの時点ですでに圧倒的な上下関係が生まれているからです。
相手からすると「会うだけでもお金がかかる上に仕事を請けてもらえるかどうかも分からない優秀なコンサルタント」というイメージが出来上がっています。
本来最初の顔合わせというのは「この人に仕事を依頼しても大丈夫だろうか」ということを見極めるべき場所です。
それが「何とかして仕事をやってもらうためのお願いの場」に変わってしまっているのです。相手が勝手にこちらとの打ち合わせを千載一遇のチャンスのように思い込んでいるからです。
滅多に取材に応じない海外の大物起業家のアポに成功したような気分で会いにくるわけです。自分たちがお金を払う側であるにも関わらずです。
そして私はますます調子に乗ってビル・ゲイツかスティーブ・ジョブズかというくらいの態度で振る舞うのです。すごく優秀なフリをするのです。
それは言い過ぎかもしれませんが「無理に依頼してくれなくても……」という態度です。
すると相手はますますこちらの価値を高く見積もり執着します。
私は意図せずに自分の価値を実力以上に見せることに成功していたのです。
自分で言うのもなんですが私の経営コンサルティングの成功率はかなり高いです。多くの企業の売上増や再生を成功させてきました。
しかしだからといって私が圧倒的に優秀かと言ったらそんなこともありません。マッキンゼーアンンドカンパニーやボストンコンサルティンググループのような有名ファームの出身でもありません。
それでも私にどうしても仕事を引き受けてほしいという企業があるのは私が自分を大切にしていたからです。そして優秀なフリをしていたからでもあります。
軒先のワゴンセールに入れておかないこと
自分を大切にするとはどういうことでしょうか?
これにはいろいろな形があると思います。冒頭でも伝えましたが「自分を大切にする」というのは抽象的で分かりにくいことです。
私がカウンセリングをしている中で出来ていない人が多いと思うことのひとつは「自分の都合を優先する」ということです。
自分を大切にしていない人は常に相手の都合を優先します。自分を優先することは悪いこととさえ思っています。これは自分を大切にしていない態度のひとつです。
私にとってはカウンセリングが最も大切です。カウンセリングをしている時間もそうですし準備の時間や心理学の論文を読む時間も全て大切です。
仕事というよりは生き方といっても良いでしょう。ですからこの時間を常に最優先したいと思っています。
カウンセリングの邪魔になるならコンサルティングの仕事は請けません。「会社の売上が伸びなくて困っているんです」と言われても「それは御社の都合であって私の都合ではありません」ということになります。口には出しませんが。
だから変な顧客が寄ってくることもありません。自社の都合良く搾取できる相手ではないと思うからです。
自分を大切にしていない人が私のエピソードを読むと「なんて自己中な人なんだろう」と思うかもしれません。
しかしこれは自分を大切にする人にとっては当然の態度なのです。他人中心すぎてはいけないのです。
私は自分という商品を軒先のワゴンセールに入れておかずに店の奥のショーケースに大切にしまっておきました。
そしたらお客さんが勝手に「とても貴重な商品なのだろう」と思ってそのように扱ってくれたのです。私に本当に価値があるのかどうかは不明ですが……
フリだけでも良いので自分の価値は高いと思って振舞ってみましょう。
自分の都合を優先するだけで良いのです。
都合よく呼び出されても自分の予定を優先するのです。お金を貸してと言われても断るのです。
最初は難しいかもしれませんが思考で割り切るのです。
それが自分を大切にすることになります。
自分を大切にしている女性のところにダメ男はやってきません。
ダメ男が手を伸ばすのは軒先にあるワゴンセールだけなのです。