アダルトチルドレンを克服する方法は人によって異なります。
ここでは多くの人に効果が出やすかった方法について紹介したいと思います。
事前の注意
アダルトチルドレンの克服のプロセスを始める前に大事な説明をしておきます。
「克服できる」と信じる
大切なことは「克服できる」と強く信じることです。
半信半疑ではできるものも出来なくなってしまいます。
辛くなったら中止する
途中で精神的に辛くなったときは無理をしないで中止してください。
その場合もアダルトチルドレンと向き合おうとした自分を誉めてあげましょう。
他の治療を優先する
うつ病などの精神疾患やアルコール依存などがある場合はそちらの治療を優先してください。
同時にやるにしても必ず治療を担当している専門家と相談しながら行ってください。
そうしないと悪化してしまうことがあります。
それではさっそくアダルトチルドレンを克服していきましょう。
1.子供時代の家族のルールを確認し今とつなげる
アダルトチルドレンを生み出す機能不全家族には特殊なルールがあります。
そしてそれを大人になった後も使い続けることで生き難さを感じることになります。
まずはそれを調べましょう。
(1)ルールを思い出す
子供時代の家庭環境を振り返り特殊なルールを思い出してください。
例えば以下のようなものがなかったでしょうか?
・自分の意見や感情を表してはいけない
・子供は親に気を使い機嫌をとらなければならない
・全てを完璧にこなさなければならない
・嬉しそうにしてはいけない
(2)今の生き難さとの関連を知る
子供時代のルールを振り返るのは誰かを責めるためではありません。
怒りや悲しみが沸きあがることもありますが無理に抑える必要はありません。
ただし冷静に行うことがあります。
このルールがどのように今の生き難さに繋がっているのかを結びつけて考えるのです。
例えば親の機嫌を取り続けた人は大人になった後も恋人や友人、職場の上司に嫌われていないかと気にしすぎてしまうことがあります。
どのようなルールを引きずっているのかを知ることで自分が見えてきます。
2.感情の開放
子供時代に感情を出すことを我慢していると大人になった後もそれが残り続けます。
アダルトチルドレンを克服するためにはまずそれを開放します。
(1)心の中にいる小さな子供の声を聞く
心の中にいる小さい頃の自分と対話してください。
幼い頃にどんな気持ちで過ごしていたのか、どう愛されたかったのか、どんな言葉が欲しかったのかを確認しましょう。
「寂しかった」とか「怖かった」という言葉はすぐに出てきますが自分が蓋をしたもっと深い部分を探るのです。
(2)今その感情を表出する
抑えつけていた感情に気づいたらそれは大人になってから表出しても良いものだということを認めます。
親に直接伝えるという方法を提唱するカウンセラーもいますが無理にする必要はありません。
親の側に反省し謝罪する気持ちがなければ余計に傷ついてしまいます。
心の中で想像したり紙に書き出せば良いのです。
グループカウンセリングで親役のメンバーに感情をぶつけたり、気持ちを手紙に書いて投函せずに神社で焚き上げしてもらうという方法もあります。
3.極端な思考を変える練習
アダルトチルドレンは考え方が極端な人が多いです。
一度の失敗で自分は何も出来ないと決め付けたり、相手の些細な言動で嫌われたと不安になってしまいます。
これらは思考の癖なので練習によって克服することができます。
アダルトチルドレンでない人の場合はこのステップ単独でも思考を修正できます。
以下の(1)~(3)の手順で紙に書き出していきましょう。
(1)不安なこと
不安に思うことやその原因となる出来事を書き出します。
【例】
恋人に連絡したのに返事が来ない。愛しているならすぐに返信するはず。嫌われたのかな? 見捨てられたら生きていけない。
(2)事実の検証
上記の内容がどれくらい正確なのか検証します。
簡単な方法は100%事実と言えることと言えないことに分けるやり方です。
【例】
事実といえる:恋人に連絡してから○○時間が経過したが返信がない
事実といえない:愛しているならすぐに返信する。嫌われた。見捨てられたら生きていけない。
この作業によって自分がいかに根拠のない決めつけを行っているか知ることができます。
(3)バランスの取れた考え方を取り入れる
事実の検証が済んだらどのように考えておくのが良いかを決定します。
難しい場合には「友人が同じ立場ならどう考えるだろう?」という視点がヒントになります。
【例】
返信が遅いのは仕事中だからかもしれないし、疲れて寝ているのかもしれないから気長に待つことにしよう。
不確かな情報で悪い想像ばかりするのは意味のないこと。
初めのうちは納得しにくいかもしれませんがそれで良いのです。一度でも頭の中に浮かべることが大切です。
そうすることで脳内のバランスの良いネットワークがつながりやすくなり、やがて思考の癖が変化していくのです。
【最後に】克服の一歩を踏み出した自分を誉めよう
ここで説明したアダルトチルドレンの克服方法を取り入れてもすぐに変わるわけではありません。
人間はたとえ悪い思考であっても使い慣れたものを優先したがるからです。
過去と向き合う中で辛くなってしまうこともあります。
途中でやめてしまうこともあるでしょう。それでも大丈夫なのです。
アダルトチルドレンを克服しようと思えた自分を誉めてあげましょう。
多くのアダルトチルドレンが「自分は変われないから何をやっても無駄」という学習性無力感によって動けずにいるのです。
途中で一休みしても問題はありません。
必ず克服できるということだけは忘れないでください。