回避依存症の人が恋人にモラハラをすることは多いです。
具体例として暴力、精神的DV、経済的搾取などがあります。
そのため彼氏にモラハラ行為をされたときに回避依存症では?と思う人もいます。
しかし違うことが多いです。
回避依存症のモラハラ
回避依存症の特徴として突然いなくなったり全く連絡が取れなくなったりという消極的な行動が挙げられることが多いです。
しかし以下のようなモラハラ行為を行うタイプもかなりの割合で存在します。
- 暴力
- 侮辱・批判
- 経済的搾取・貢がせる
- 浮気・二股
回避依存症の「回避」とは相手から逃げるという意味ではありません。
親密になることを避けるという意味です。
彼らにとって暴力や浮気は恋人との心の距離を遠くするための行為として機能しているのです。
心の奥底にこの感覚があるかないかが回避依存症者とそうでない人のモラハラの違いといえます。
回避依存症でなくともモラハラする
内閣府の男女共同参画局のデータによると配偶者からの身体的暴行、心理的攻撃、経済的圧迫もしくは性的強要を何度も受けたことのある女性の割合はおよそ13.8%です。
「1,2度あった」人は17.5%です。
これらの被害を受けた女性の配偶者が全て回避依存症なのかといったら違うと思います。
回避依存症の人口に対する割合は分かりませんが1割を超えているということはないはずです。
モラハラはサイコパスや他のパーソナリティー障害、名称こそついていない何らかの脳の形状の異常のある人でも行います。
そこまで大袈裟でなくとも単に性格の問題やコンプレックスでモラハラをする人もいます。
ほとんどはこのパターンではないかと思います。つまり人間的にダメな人ということです。
本当に好きで付き合った女性と妥協して付き合った女性では態度を変える人もいます。
このタイプも本命に対する恋愛感情が冷めたらモラハラし出します。
人間はそれなりに当てはまりそうな特徴を見出すと「間違いない」と思い込んでしまう心理を持っています。
これを「バーナム効果」と言います。
モラハラされたときに最初に目に付いた情報が回避依存症に関してのものだと全てをそこに当てはめようとします。
名前がつくと安心する
自分の感覚が人と違うようで心配になったときに病名がつくと安心する人は多いです。
精神科で「一時的に落ち込んでいるだけでうつ病ではないから大丈夫ですよ」と言われると怒り出してしまう人もいるそうです。
こういった心理は自分だけではなく身近な人に対しても起こります。
彼氏からモラハラをされて回避依存症だと思うときそこには希望的観測も含まれています。
「そうだったらいいな」と無意識に願っているのです。
回避依存症は病名ではありませんがラベリングするには丁度良い特徴です。
モラハラされても回避依存症と思うことで許せるのです。
「酷い家庭環境で育ったのね」「傷つくことを恐れる反動で攻撃してしまうのね」と優しい目で見ることができます。
人間は自分が良くない環境に留まっているときにその理由を欲しがる生き物です。
問題のある彼氏や夫と別れなくても良い理由を探していたら回避依存症が目に入ってきたのかもしれません。
さきほどバーナム効果と言いましたがここにさらに確証バイアスという心理現象が加わります。
これは自分に都合のいい情報だけを集め重視するという認知の偏りです。
あなたが許したいのはパートナーのモラハラではありません。
その関係を維持しようとする自分の行動です。