自分のことを「ダメな人間」と思い込ませる原因

自分のことを「ダメな人間」と思い込ませる原因

「自分はダメな人間なんです」という人がいます。

しかしなぜそう思うのか聞いても明確な答えが不明なことがあります。
本人はハッキリとした根拠を持っているつもりでも聞いている側からすると根拠になっていないのです。

こういう場合、自分でも気づかないうちに誤った信念を植えつけられていることがあります。

意識していないことは心にスッと入りやすい

個人的なことですが私はHTMLやCSSといったコードを書いてウェブサイトを作れます。

作ったことのある人なら分かると思いますが意外と簡単です。
シンプルなサイトなら独学でも1日で作れるようになります。

しかし自分で作る前までは難しいだろうと思っていました。
なぜなら高校生くらいの時に誰かが「ウェブサイトを作るのは難しいらしい」と言っていたのがずっと頭の中に残っていたからです。

なぜいつまでもそれを信じ続けていたのでしょうか?
それは当時の私がIT全般に興味を持っていなかったからです。

人間は日頃から深く考えていない事柄に関する情報は信憑性を精査しません。
なので「へぇそうなんだ」と受け入れてしまうのです。

小さな子供の頃から「自分はどんな人間だろうか?」と深く考えている人は稀です。
そのため誰かに「お前はダメな人間だ」と言われるとそれをそのまま信じてしまうことがあります。
たとえそれがたった一度の出来事だったとしてもです。

特にそれが親や教師であれば尚更です。彼らの言っていることは疑いにくいからです。

親が謙遜のつもりで誰かに「うちの○○はダメな子だから」と言ったのを聞いただけでも心に深く残ることがあります。

意識していないことは心にスッと入り込みやすいのです。

当然のように言われた前提条件は疑わない

夫との関係がうまくいかないという相談に来る女性は多いです。
仮にその女性が「夫は銀行員だからお金にうるさいんです」と言ったとします。

このとき私は「銀行員であることとお金にうるさいことの因果関係はあるのだろうか?」とか「そもそも本当に夫はそういう性格なのだろうか?」ということは検証します。
悩みのメインテーマだからです。

しかし「夫は本当に銀行員だろうか?」ということは疑いません。
これは誰でも同じだと思います。

あるテーマについて話す時に前提条件として当然のようにサラっと言われた事は信用してしまいます。
「○○だから××である」と言われた時に「○○」の部分は真実と思いやすいのです。

精神的虐待をする親は子供に対してこの話し方をすることがあります。
「お前はダメ人間だから碌な大人にならない」と言ったりします。
わざわざ人格を否定するフレーズを前提条件として付け加えるのです。

判断力のない子供が親からこのように言われたら全て信じてしまうでしょう。
特に「お前はダメ人間だから」の部分疑いません。

こうして誤った信念が植えつけられるのです。

「自分はダメな人間」という信念が行動に影響する

カウンセリングで「あなたが自分のことをダメな人間と思っているのは勝手な刷り込みのせいなのです」と言っても「私は本当に何をやってもうまくいかないんです。いつも失敗ばかりしています」という人がいます。

このように「何をやっても」とか「いつも」という言葉が出ている時は思い込みであることが多いです。
過小評価やレッテル貼りといった推論の誤りが起こっているのです。

もちろん客観的なデータを取った場合に他の人よりも失敗が多いということもあります。
その場合でも「自分はダメな人間」という信念を持っていること自体に原因があるケースも多いのです。

自分はダメな人間と考えているため仕事でも恋愛でも「うまくいかないだろう」「失敗したらどうしよう」と考えてしまうのです。
これは頭の中でダメなパターンのイメージトレーニングをしているのと同じです。

すると行動が影響を受けるので失敗する確率が高まるのです。
子供に「走ると転ぶよ!」と注意すると本当に転ぶのと同じです。

「自分はダメな人間」という信念のせいで失敗すると余計にそれが強くなります。
このサイクルに入り込むと自分を信じることができなくなってしまうのです。

ダメ人間から脱却するためにはまずその誤った信念を捨て去ることが大切です。

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