別れるときに「今までに支払ったお金を返して」と言う男性がいます。
中にはデート代のレシートを全て保管していてそれを請求してくる人もいます。
彼らは自分がしてあげたことは覚えているけれどしてもらったことは忘れているのです。
割り勘がほとんどだったのに請求してくるのもこのためです。
またお金に対して異常に高い価値を見出しているとも言えます。
このような特徴を持つ人は本物の愛情が得られると思っているときはたくさんお金を使います。
しかしそれが叶わないと分かると自分の身が削られたような気持ちになるのです。
愛されなかったことによって生まれる価値観
子供時代の愛情不足によって引き起こされる問題は様々です。
代表的なものは自己肯定感が育まれないことです。
これについてはこのサイトでも頻繁に説明しています。
他には愛情を求め過ぎることや、愛情を受け取っても認識できないといったことがあります。
また子供の愛情不足を引き起こす家庭は金銭的なトラブルを抱えていることも多いです。
親が働かなかったり、ギャンブル依存だったりします。
お金のことで言い争うこともあります。
お金にがめつい人間に育てられると自分もそうなります。
またお金が家族の関係に大きな影響を与えるのを目の当たりにするとそこに脅威を感じます。
そして必要以上にお金に価値を見出すのです。
誰でもお金は大切ですが彼らの場合はその度合いが異常なのです。
本物の愛情が得られるという期待
愛情を認識できない、お金に価値を見出し過ぎているという特徴を持った人が恋愛をするとどうなるでしょうか?
付き合いはじめは気前よく支払いをしてくれます。
なぜなら本当の愛を手に入れることが出来ると思っているからです。
お金も大切ですがそれ以上の価値をこれから手に入れられそうな愛情に見出しているのです。
誰でも体験する恋の始まりの舞い上がっている状態です。
しかしこの時期を過ぎると錯覚がなくなります。
すると子供時代から身につけた誤った価値観による損得勘定を始めるようになります。
してあげたことはよく覚えているけれど、してもらったことは認識しないか忘れるのです。
「自分はたくさんの犠牲を払ったのに相手は何もしてくれなかった」と考えるようになります。
彼らにとってお金を支払うということは身体の一部を削られるくらいに苦しいことなのです。
だから対価を得ることができなかったと思うと「返してほしい」と言うのです。
そのときプライドや羞恥心といったものは感じません。
また年収も関係ありません。低年収の人だけが請求してくるわけでもないのです。
キャバクラ嬢に依存している人ほどいくら使ったか覚えている
「お金と愛」について考えるとき連想されるものの一つは水商売です。
キャバクラで働いている女性から興味深い話を聞いたことがあります。
依存している男性客ほどいくら使ったかを細かく覚えているのだそうです。
店に来ると気前よく「好きなお酒を入れていいよ」と言って支払いのことなど気にしていないように見えても、付き合うことが出来ないと分かると途端に態度が変わるそうです。
そして「今まで○○円も使ったのに!」と言い出すのだとか。
自分も飲食をして楽しんだということは忘れているのです。
水商売の世界ではたくさんお金を使う人のことを「太客」と言います。
この太客を掴む女性は男性の救世主願望を刺激するのが上手です。
男性客は勝手に可愛そうな境遇を想像して「自分が助けてあげなくちゃ」と義務感を抱きます。
そして二人で本当の愛情を育もうと思うのです。
それが裏切られたときの絶望は怒りへと変わります。
「してあげたこと」だけ覚えている人の典型です。
数字で表せることの弊害
別れるときにお金を請求する人にとってはお金と愛情は同じくらい重要です。
この2つの違いはお金は数字で表すことが出来るけれど愛情はそれが出来ないということです。
そのため余計に喪失感を覚えやすいのです。
恋愛が終わったときに自分の銀行残高はこれだけ減ったのに手元には何も残っていないと思います。
自分がマイナスになっただけと考えるのです。
それを元の状態に戻すために「お金を返して」と当然のように請求するとも考えられます。